夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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15.二人が一緒に歩むため

298.君が許しをくれるから

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「少し我慢してくださいね?すぐ済ますから」


温かな手がお腹にのると、ビクッとアキラの体が跳ねる


「んっなんか温かいっちょっと熱いかな?
湯たんぽ押し付けてるみたい…」


相変わらず変わった表現をするが、アキラはされるがままになっている。


「今回は本当にすいませんでした…」


回復を行いながら、蛇塚は事の顛末をアキラに話しだした。


「俺はどうしても彼女を助けたかったんです。
魅了の効果を甘く見すぎて…被害者のあなたを巨大な敵のように見ていた。

取調室で怯えるあなたをみて間違いに気づいたんです。
彼女がやったことは間違いなく犯罪だ。
彼女も罰を受ける覚悟です。もちろん俺も責任を取ります。

本当に申し訳ありませんでした」


回復魔法をかけながら下を向いたままなので、表情は見えないが…泣いているように見えた。



「あぁ~すいません、僕が考えすぎたみたいですね。

マスコミとか使ってくるから誰か裏に糸ひいてるのがいるのかと…
そういえば蛇塚さんは被害届取り下げろしか言ってませんでしたね。

別にそんなことならいいですよ、取り下げてください。」


事も無げにさらっとアキラは言ってきた。
蛇塚は信じられないとばかりにアキラを凝視する。


「イタズラ目的とか僕への恨みとかなら怖いから被害届だしますけど、そんなん事故みたいなもんじゃん?

警察署にかけこむ様な方なら再犯なんてないだろうし、いいですいいです。
取り下げてください。」

面倒くさげに、少し申し訳なさそうにさえ言ってみせるアキラが、蛇塚は信じられなかった。

あんなに怯えて、殴られて、絞め落とされたのだ。アキラは今回100%被害者で、何の落ち度すらないのに…

「あなたは…なんでそんな…」
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