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20.胸のホールを埋めてください 3

533.刹那な幸せの時間  (sideシノダ教授)

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アキラ君と一緒に暮してててわかったけど…
俺達絶対に相性抜群だと思う!
いやぁ本気でありえないくらい合っている!!


俺はめちゃくちゃアキラ君に尽くすじゃん?
何から何までやってあげたいタイプじゃん?
アキラ君はそれを許してくれるのよ!
もう全部当たり前みたいな顔して享受した上で、優しい笑顔でお礼をいってくれるの…



そんなの簡単だろって思われるかもしれないけど、違うからね?
だいたい普通の人間なら傲慢になったり遠慮したりウザくなったりしだすんだよ、歴代の女達みたいに…


それをアキラ君は恋人になった途端に、当初の遠慮もなくなり全部やらせてくれる!
もう自然のことのようにやらせてくれる!!


そして『ありがとうございます、シノダ教授』って最高の笑顔でお礼を言ってくれる…
この承認欲求が満たされる感がたまらんよぅ!!



そうアキラ君は完璧な女王様気質!
そして俺は正に召使い気質!!


もう天国みたいにひたすらに楽しく日々が過ぎていく、一緒に研究をして一緒に考察をして……


当たり前のようにアキラ君の肩に手を回せば、体を預けるようにくっついてきてくれる

頬や首筋に悪戯にキスをすれば、クスクスっとくすぐったそうに方をすくめて笑ってくれる


アレは駄目だった…
俺が朝食の食器を洗っていたときに

「隙あり!!」

っと後ろからギュッとされたのだ!
もうなんか口からよくわからない声が出そうなほど、悶えそうでしたぁぁ


たまにアキラ君からもそんな悪戯なスキンシップを仕掛けてくれて
一日が憎らしいほど一瞬のように過ぎていく




夜は毎日狭いセミダブルで抱き合いながら一緒に寝る

「大丈夫だからね?君は大丈夫だから…」

壊れたボイスレコーダーみたいに、何度も何度も同じ言葉を繰り返す



それはアキラ君にではなく、自分に言い聞かせるように
俺は神様なんが信じてないけど、まるで祈りのように
胸から溢れ出る願いのように


俺の口から溢れていく
触れるだけのおやずみのキスと共に


アキラ君はゆっくりと体の力を抜いて俺に包まれながら安心した表情を見せてくれる


アキラ君のサラサラの髪をかき上げて、優しく頭を撫でで、包み込むようにっ抱きしめればアキラ君からも抱きつくように手をまわしてくれる



ほどなくして規則的な寝息が聞こえるようになってから、俺が眠りに落ちるのがいつものルーティンになっている




本当にこれは不味い……
この関係が終わった後を考えると耐えられそうもないが…


でも、俺の腕の中で安心しきったように寝るアキラ君の髪を撫で
今日も小さなため息をついて、重い目を閉じていった






そして約束のテーマパークの日が来た
明後日はアキラ君と約束の一週間で
 

二人が恋人として過ごす最後の思い出になりそうだから…
最高の思い出になるように
俺は少しだけ準備をした
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