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20.胸のホールを埋めてください 3

564.君のの胸に帰るとき

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「してないから!
ロンさんはそこには入れてないから!!
その…最後まではしなかったから!

あぁ…クソッ……言いたくなかったのに…」


苦い記憶が思い出されて眉間にシワが寄る。
あそこまでいって、直前で入れてもらえなかったなんて…
本当に悲しくて、情けなくて…できれば知られたくもないし、忘れたいような記憶だけど……
でもっ、ジョンが少しでも今の気持ちが和らぐなら…


ジョンの押し返す力が弱まって、限界まで目を見開いて無言のまま僕を見下げている。
ため息をついて起き上がって、耳を垂らしながら俯いたままのジョンの頭を撫でる。


「その…正直に言うけど、そういうことを、しなかったわけじゃないんだよ…

でも本当に、ロンさんとは一つになってないから
まったくロンさんのはそこには入ってないから
……信じてくれるかな?」



ジョンのぐっと耐えるように噤まれた唇が震えていく。


「……もう仕方ないって
僕が振ったんだし、恋人同士ならすることだし…って

……でも……僕しか知らないアキラが…他の人にって…思ったら

ゔぅゔぅ~やっぱり嫌だった!
アキラは僕だけのアキラじゃなきゃイヤだった!!
他の人なんて受け入れて欲しくなかっだぁ!

アギラは僕だけ……ゔゔぅぅぅ~」


必死に震える唇で自分の気持ちを伝えてくれて
大きなクルクリ目からボロボロっと涙が溢れていく。
頑張って隠していた本音が涙と共に溢れていく…


「うん、そっか…ありがとう、だったらもうずっと捕まえててね?
また振ったりしないでね?
でも…たぶん、今の僕だったら駄目だろうな…」


あのとき、ロンさんを恋人として受け入れれたのも、ジョンに振られる選択肢を選んだのも
きっと今までの記憶がなかったからで


こんなに湧き上がってくる程のジョンへの愛情も執着も、記憶のないときの僕とは比べられないほどで強くて


「今の僕は、ジョンに捨てられたら……耐えられそうもない」



僕の言葉にジョンがグズグズの顔のまま、更に大きな泣き声を上げた抱きしめてきた。


ココまで見越して、あのときやめてくれていたのなら…
本当にロンさんの凄さを思い知らされてしまって
ひたすらに、あの優しくて紳士的なロンさんに感謝の念を送るしかなかった。


きつく抱きしめられながら、求められるままキスをして、抱き合っていく
フワフワの毛が気持ちいい、筋肉が多いからフワフワだけどみっちりした触り心地で

ロンさんに抱かれていたときは、ひたすらジョンとの違いを考えてた。
でも今はもう、ロンさんの抱かれた感触ははっきり思い出せなくて…


「アキラ…アキラ…好き、大好き…
もう離さないから、絶対にわからなくなったりしないから!」

「うん、僕も大好きだよ…
ふふっ本当によかった…やっと帰ってこれた、ジョンの胸に…本当に僕すごく嬉しい」


抱き合って、お互いの体に隙間ができるのさえ嫌で
ただひたすらひっつきあいながら、終わらないキスを繰り返していた。
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