夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

21.進む僕

565.序章

ジョンがいない！

もうっ、起きたときはいつも側にいて欲しいのに…
起きる前のひどい行為で、腰も足も役に立ちそうもない、腕は一本なら動きそうだな、よし今日こそ這って探しにいこう！！


ふふっきっと、ジョンを見つけたらメチャクチャびっくりして怒られらかな？
でもそしたら、前みたいに言えばいい、『寂しかった！』って


ドンッッ！！！


ベッドから転げ落ちた衝撃に、体のあちこちが悲鳴をあげた…
あぁ、しまった…受け身取りそこねたかな？
早くジョンを探しに行きたいのに、痛みがなかなか引いていかない
体を丸めて痛みの波が引くまで耐える
クソっ脂汗が滲んで気持ちが悪い


痛みが落ち着いたのを見計らって、左手を前に出して、まだ若干動く左足を蹴って


ズズッ


うん！いい感じだ、動くと股に垂れてくる液体が気持ち悪いけど…まぁ気づかなかったことにしよう

垂れたもので部屋を汚すとジョンが怒るかな？
絨毯とかシミになるかな？血のシミってなかなかとれないんだよね……めちゃ怒られる？
でもいないジョンが悪いんだし！！
きっとちょっと困った顔をしながら、しかないなぁって許してくれるよね？


ズズッズズッズズッ


やっぱりいない…どこにいるんだろう？
体に床に落ちてた破片とかが刺さったり、ひっついたりしてちょっと痛いし不快だなぁ
這うのも楽じゃないな、今度から這う用コロコロ付板でもベッドサイドに用意しとこうかな？
ジョンにまた馬鹿なことを思いついてって呆れられるかな？
動かない方の足が痺れてきたな…まぁ最初から動いていないから問題ないかな？


早くジョンに会って抱きしめてほしいな…体が冷えてきて寒い…
床って体温奪っていくんだな！もう初夏なのに、体の震えが止まらない…


あと額から地味に垂れてくる血が目に入るのが痛くて困る、手で擦って進むのがけっこい億劫で仕方がないなぁ



ズズッズズッズズッ


いないなぁ………あぁ、きっとあそこにいるのかな？
ふふっ、そうだきっとあそこだ。
僕達がを初めてあった場所だ、しばらく行ってないからかくれんぼには持ってこいだもんね！


僕に怒られると思って隠れてるのかな？
ふふっ怒ったりしないのに、でもちょっとだけ茶化してやろう
やりすぎ！！って…
そしたらまたあの可愛い耳を垂れて、眉毛を垂れて困った顔をするんだろうな…
楽しみだな、早くジョンを見つけなきゃ…
早くジョンを見つけて、抱きしめてもらって困った顔をさせて、大好きって言ってもらうんだから


早く……ズズ
　　早く……ズズッ
　　　　早く……ズズッ