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23.逃げる君
624.その手で慰めて
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「右腕を曲げてみてください
違和感とかありませんか?
痛いの我慢できて偉いですね
泣いてしまってよかったんですよ」
「大丈夫だよ、バロンが優しく治してくれるからたいして痛くなかったよ?
手も足も全く違和感にないよ、ありがとう」
「よかった、もしも失敗してやり直しなんてなったら、自分の腕をへし折りたくなってしまいますよ
大事なアキラの体ですからね…
他に回復が必要なところはありますか?」
あぁ…言わないわけにはいかないけど、すごく言いにくいところがある
きっと言ったらバロンのことだから怒りまくるかな?
「あぁ…えっと、すごく敏感なところでまだあるんだけど
ちょっと恥ずかしいんだけど……」
「あぁ!そうですよね、気づきませんでした。
すいません、確かにそこは敏感で恥ずかしいですよね?
でも大丈夫ですよ…、優しく優しく治してあげますからね?
はい、あ~んしてくださいね?」
うん、バロン違うけど…確かに殴られて歯もぐらぐらしてたり、割れたりしてるけど
恥ずかしいの度合いが違います。
歯列を指先で優しく撫でて回復魔法をかけていってくれる。
真剣な金色がかって縦に細くなる瞳孔の瞳に見つめられて、恥ずかしくて目を逸らせてしまう。
「ふふっ、可愛らしいですね
歯は大丈夫かな、次は口の中も回復魔法かけていきますね、何箇所か切れてますね
ふふっそんな顔をして悪い子ですね?気持ちがいいんですか?」
口の上顎を撫でられて、ゾワゾワとした感覚が走ってしまう。
すぐにバロンにバレてしまって恥ずかしい
恥ずかし紛れに、バロンの指を咥えて舌でペロペロっと舐めてちゅっと吸えば、クスクスっと笑ってくれる。
「ふふっ、そんな悪戯して、悪い子!
口の中も大丈夫そうですね?内蔵も大丈夫そうですし
これで回復魔法は…」
「あっ、いや、あの……
すごく言い難いんだけど
その……お尻が、その…アナルが………傷ついてて……」
僕の言葉にバロンの毛がブワッと逆だって目が釣り上がっていく。口が信じられないとばかりに開いて尖った歯が見える
バロン、その顔はめちゃくちゃ怖いよ…
「っっっ……ふぅ……少し待っててください、すっ滑りをよくするもの…をっ…ふぅっ……ふぅっ……」
「あの……バロン?大丈夫?
なんかやばいよ、青筋が浮き出て……血管切れそうだよ?
あのっ……僕ちゃんと仕返ししたからね?
全身火傷に全身骨折にしてやったんだよ!そんなに……怒らないで?」
本当に血管がブチギレてしまいそうな顔をしている。
ぷるぷるっと体は震えているし、目の瞳孔も開いてしまっている。
「ふっふっふっ…、アキラは偉いですねぇ……ちゃんと仕返しできたんですね?いい子でしたね
でも……まだ生きてるとっ、まだ私の手でなぶり殺せるのですね?
本当にいい子!!
話は後で聞きますからね?
ふぅ……とりあえず、怪我を治しましょう…」
逆立った毛のまま部屋を出て行ったけど大丈夫かな?
他の従業員やお客様に見られたら絶対に怖がられるよね……
苦笑いをしながらベッドで横になる。
本格的に痛覚無効ポーションが切れる前に怪我を治してもらえてよかった
無理をしすぎた体のあちこちが悲鳴をあげだしているのを感じる
筋肉がピキピキっと鳴り出して、筋が勝手に伸びてつった時のような痛みが走る
それでも、逃げ出してしまった自分を情けなくてしかたない気持を紛らわすには調度いい
勝手に溢れてきそうになる涙も痛みのせいにすればいい
ジョンのせいじゃないってわかってる
それでも……耐えられなかった
ジョンにはどうしようもなかったってわかってる
それでも……ジョンが許せなかった
逃げ出してきてよかった。
あそこにいたら、ジョンのこと感情のままに叩いていたかもしれない
自分にこんなひどい気持ちがあるなんて、知らなかったし知りたくもなかった
違和感とかありませんか?
痛いの我慢できて偉いですね
泣いてしまってよかったんですよ」
「大丈夫だよ、バロンが優しく治してくれるからたいして痛くなかったよ?
手も足も全く違和感にないよ、ありがとう」
「よかった、もしも失敗してやり直しなんてなったら、自分の腕をへし折りたくなってしまいますよ
大事なアキラの体ですからね…
他に回復が必要なところはありますか?」
あぁ…言わないわけにはいかないけど、すごく言いにくいところがある
きっと言ったらバロンのことだから怒りまくるかな?
「あぁ…えっと、すごく敏感なところでまだあるんだけど
ちょっと恥ずかしいんだけど……」
「あぁ!そうですよね、気づきませんでした。
すいません、確かにそこは敏感で恥ずかしいですよね?
でも大丈夫ですよ…、優しく優しく治してあげますからね?
はい、あ~んしてくださいね?」
うん、バロン違うけど…確かに殴られて歯もぐらぐらしてたり、割れたりしてるけど
恥ずかしいの度合いが違います。
歯列を指先で優しく撫でて回復魔法をかけていってくれる。
真剣な金色がかって縦に細くなる瞳孔の瞳に見つめられて、恥ずかしくて目を逸らせてしまう。
「ふふっ、可愛らしいですね
歯は大丈夫かな、次は口の中も回復魔法かけていきますね、何箇所か切れてますね
ふふっそんな顔をして悪い子ですね?気持ちがいいんですか?」
口の上顎を撫でられて、ゾワゾワとした感覚が走ってしまう。
すぐにバロンにバレてしまって恥ずかしい
恥ずかし紛れに、バロンの指を咥えて舌でペロペロっと舐めてちゅっと吸えば、クスクスっと笑ってくれる。
「ふふっ、そんな悪戯して、悪い子!
口の中も大丈夫そうですね?内蔵も大丈夫そうですし
これで回復魔法は…」
「あっ、いや、あの……
すごく言い難いんだけど
その……お尻が、その…アナルが………傷ついてて……」
僕の言葉にバロンの毛がブワッと逆だって目が釣り上がっていく。口が信じられないとばかりに開いて尖った歯が見える
バロン、その顔はめちゃくちゃ怖いよ…
「っっっ……ふぅ……少し待っててください、すっ滑りをよくするもの…をっ…ふぅっ……ふぅっ……」
「あの……バロン?大丈夫?
なんかやばいよ、青筋が浮き出て……血管切れそうだよ?
あのっ……僕ちゃんと仕返ししたからね?
全身火傷に全身骨折にしてやったんだよ!そんなに……怒らないで?」
本当に血管がブチギレてしまいそうな顔をしている。
ぷるぷるっと体は震えているし、目の瞳孔も開いてしまっている。
「ふっふっふっ…、アキラは偉いですねぇ……ちゃんと仕返しできたんですね?いい子でしたね
でも……まだ生きてるとっ、まだ私の手でなぶり殺せるのですね?
本当にいい子!!
話は後で聞きますからね?
ふぅ……とりあえず、怪我を治しましょう…」
逆立った毛のまま部屋を出て行ったけど大丈夫かな?
他の従業員やお客様に見られたら絶対に怖がられるよね……
苦笑いをしながらベッドで横になる。
本格的に痛覚無効ポーションが切れる前に怪我を治してもらえてよかった
無理をしすぎた体のあちこちが悲鳴をあげだしているのを感じる
筋肉がピキピキっと鳴り出して、筋が勝手に伸びてつった時のような痛みが走る
それでも、逃げ出してしまった自分を情けなくてしかたない気持を紛らわすには調度いい
勝手に溢れてきそうになる涙も痛みのせいにすればいい
ジョンのせいじゃないってわかってる
それでも……耐えられなかった
ジョンにはどうしようもなかったってわかってる
それでも……ジョンが許せなかった
逃げ出してきてよかった。
あそこにいたら、ジョンのこと感情のままに叩いていたかもしれない
自分にこんなひどい気持ちがあるなんて、知らなかったし知りたくもなかった
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