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24.捕まえる僕

628.決戦の地へ  (side会長)

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「いいですか?
俺の体の一部を必ず触れていてください。離したら途中で振り落とされる恐れがありますからね!
手や足などは絶対に俺の魔法の外には出さないでください、危険です。
メガネや貴重品は落とす可能性がありましからしっかりと鞄に入れてください。」


エルフが絶叫マシンの注意事項のように転移魔法の注意事項を言っている。
やっとエルフの熱もさがり、今からアキラ君の実家に乗り込むのだ


とりあえずジョン君とエルフには完璧なお辞儀と完璧な土下座を仕込んでおいた。
髪も二人共長髪じゃったがさっぱり短くして、服装はチャコールグレースーツにネクタイで
手土産はとりあえず虎○の羊羹を用意した。


散々な印象じゃったが、さすがに三日間、ひたすらお辞儀と土下座のレクチャーをしたエルフも幾ばくかの情が湧いてくる。
エルフは元来、プライドが高く人に頭を下げるなど酷く嫌がる人種じゃと思ったが、こやつは言われるがままにペコペコと苦もなく練習をする。


「お前…、エルフらしくないのう?
エルフは無駄にプライドが高いやつが多いイメージじゃったが…」

「あぁ、プライドなんてアキラに出逢った瞬間にボッキボキに折られましたよ。
俺が作っていたポーションは何だったんだって、単なる汚水でしかないって思えるほどにあいつのポーションは美しい……
もう一度、あの美しいポーションに触れることができる可能性があるなら
藁をもすがりますよ…」


会った時の死にきったような瞳に、一筋の光が指している。
アキラ君や、ここまでお前さんのことを崇拝しているこやつをなんで遠ざけたんじゃ?


とりあえず、そんな疑問は頭の隅に追いやって…
できることならこのエルフも助けてやりたいっと、心の隅で思いながら
ワシらは『辺境のやすらぎ』へと飛んで行った。





「はぁ……アキラのやつ、カズマのこと許しちゃうでしょうね
本当に腹が立ちますよ。
あと『辺境のやすらぎ』の連絡先を調べるときに、とんでもないことがわかりました。
本当にカズマは……どれだけアキラの思いを踏みにじるのか」

「まぁ、しかたないんじゃない?
なんだかんだ言ってもアキラはカズマに甘いし…
カズマが生きて帰ってきたら皆で飲むかな、こんなこと話してたらアキラがまたキレるかな?」


ダークと千代丸が二人で飛んでいく光を見送りながら、ため息を漏らしながら笑い合っていた。
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