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26.そして共に

680.君が求めるモノ

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「今日は…僕はダメダメだ…
アキラにかっこいいって思って欲しいんだよ
もっと、恋人みたいにしたいのに、アキラを怒らせてばかりだし
結局は親子みたいになってるし…
違うのに、もっとアキラに……うぅ~」


ちょっとびっくりする!!
とうとうジョンが、目にいっぱい涙を貯めだして俯いたまま足を止めてしまったから


きっと会長やロンさんあたりに言われて、僕を安心させる作戦でも立ててたのかな?
そんなの…必要ないのに…


「ん~、僕にかっこいいって思って欲しいの?ならっ……、家に帰ろっか?」



もう尻尾も耳も垂れっぱなしで、ひどく落ち込んだままのジョンをタクシーに乗せて家に帰ってきた
もうずっとションボリしたまんまだ


「ジョン?僕はね、いつものジョンが一番かっこいいって思えるよ?
いつもジョンは僕のことを一番に考えてくれるし、すごく大事にしてくれるし、ずっと僕のために努力してくれている
だから…いつも通りにしててよ?
それがたぶん…僕が一番、安心できると思うから」


リビングのソファで向き合って、ションボリしたままのジョンの手を握りしめて言っても……俯いたままのジョンは戻らなくて
やっぱり、泣きそうな顔は変わらなくてもう唇を噛み締めて、プルプルしだしちゃってるし


「僕っ……でも、夜にディナーを一緒に食べて、それで……僕っゔぅゔぅ~
全然上手くできなかった、かっこよく決めたかったの!
アキラにっ!アキラに!
僕は……かっこよくプロポーズしたかったの!!!」

「はっ?何が??
プロポーズ?えっ?だって……何で?」


びっくりし過ぎて、目を剥いてしまった。プロポーズ?ジョンからありえない言葉が出てきた!!
なんで、ジョンがいきなり僕にプロポーズをするつもりだったの?
ジョンは僕と結婚したかったの?


イヤッ、でも無理でしょ?まず戸籍がね?まず同性だし、ジョンは牙狼だし、もう冒険者になる以上にハードルが高すぎるよ?


「えっと…ジョン、あのね?結婚は、ちょっと僕達では無理かな?
戸籍とかの問題が……」

「違う!そういうプロポーズじゃなくて……ゔぅぅぅ~僕はっ、アキラと…」






=====================


「アハハハ……
なるほど、アキラも大概なネガティブ思考ですね?
獲物から外されたね…、そうかアキラは生物学では長けてるけど
さすがに、人狼の成長過程までは知りませんよね?」


ダークさんにも相談してみた。
人狼は元は牙狼と同じ狼種族から分岐して進化した種族らしいから
もしかしたら何かいい方法があるかもってシノダ教授が言うから


「それはアキラが間違ってますよ、ジョン君は一貫してアキラをただ愛しているだけですよ
それにしても、ジョン君は見た目より大分若かったのかな?
それとも牙狼だから人狼とは成長過程が違うのでしょうか?」

「えっ?わかりません、僕は自分の年齢とかわからないし
どういうことですか?成長過程って…僕が成長しちゃったから、アキラを食べたくなくなっちゃったの?」


ダークさんは相変わらずに、クスクスっと笑いを噛み殺していて
ちょっとムッとしてしまう、僕は真剣に悩んでいるのに


「すいません、ふふっ…
ジョン君、貴方は大人になったんですよ?
人狼はね子供のときに、好きな相手を食べてしまいたいって誤認することがあるんです。
大体は幼児までで消える思考ですが、牙狼のジョン君はその誤認がずっと続いていたのですね?」

「えっ?誤認なの?
これって…でも僕は本当にアキラを喰って一つになりたいって思ってたけど…」


ダークさんと千代丸さんが引きつらせた笑顔になった。わかってます…
僕も大概な思考だと思ってるから


「ははっまぁ牙狼だから…野性味が人狼とは段違いなのでしょうね…
それでですねジョン君は大人になって、本当に求めるようになったんですよ……アキラを番としてね?」
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