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27.強くなるよ
746.できないから (sideシバ)
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『俺はもう……いらないの?』
俺のつぶやきにバスターさんは振り返ることなく、大きな背中を向けたまま去って行ってしまった。
あの三人組に書類を出そうとして、あいつに取り上げられて谷口さんと退室された後に、いろいろと俺に聞いてきた。
俺が出した書類は、さっと目を通されて修正もされずに置かれている。俺が必死に作った書類だけど、きっと取るに足らない書類だったんだ……
パソコンのスキルから、受けてきた研修内容とか
正直に話していけば、大きな溜め息をつかれてしまった。
俺は冒険者の訓練は受けてきてるけど、内勤の経験も研修も受けたことがない…きっと呆れているのだろう
「困ったものですね!これはバスターさんに一言言わないといけませんね…
まったく…」
俺のせいでバスターさんに迷惑がかかってしまうのかっと血の気が引いていく思いになって、その場で立ち尽くしてしまっていると……
「はぁ……あまり他部署のことに口を出すのはよくないのですが、シバさん
あまり考えすぎないように、無理をしてはいけませんよ?
仕事を覚えるのもたぶん訓練と一緒ですよ、少しずつですからね?」
そんな立ち尽くしている俺に、谷口さんは優しいいつもの顔で言ってくれる。
谷口さんは俺に呆れたんじゃないの?
もう、俺は何をすればいいかわからなかった。
言われたコーチのリストをつくるのも、訓練者の選定もどんなに頑張って作っても、選んでも……
絶対にどこか間違えていそうで、またバスターさんに叱られて呆れられて、この仕事すら取り上げられて……
そしたら、今度こそ捨てられる!
追い出されてしまうから……
そう考えたら、与えられた仕事なのに手が付けられなくなっていた。
もう俺にできることは……役員の名簿を必死に読んで書いて頭に叩き込んで
俺は頭が悪いけど、覚えなきゃ……もうこれしか俺にはできないんだから!
「おいシバ!何をしてるんだ?
何を必死な顔をして……そんなっ……もうとりあえず、やめなさい!話があるから……」
バスターさんが入ってきたことすら気づかなかった。ここは共有の事務室で、事務員はまだ数人しかいないけど
他の人達はしっかりと書類を作ってるのに、俺は名簿を覚えてたから、怒られる?
「あの……ごめんなさい、すぐに頼まれてたリストと選定をします。
本当に、すぐに……」
「そんなことは言っていない、話があると言っているんだ!
シバ……お前……なんで、そんな……」
「違う……あのっ、ほとんどできてて、でも………あのっ……うっぅっぅ……
ごめんなさい、ごめんなさい…
ちゃんと仕事するから、できるから…俺はできるから……」
やっぱり怒られる?バスターさんに話しかけられると動悸がする、体が震える、上手く話せない……
そうだ、バスターさんは谷口さんに一言言われて、迷惑かけたから…謝らないと……
「ごめんなさい、俺のせいで…迷惑ばかりかけて……ごめんなさい、ごめんなさい
あのっ…俺が、上手くできないから…でも頑張るから、ちゃんとするから、できるから……だからっ、ごめんなさい」
もう自分が何を言ってるのかわからなかった。ただバスターさんにひたすら頭を下げて謝るしかできなかった。
俺のつぶやきにバスターさんは振り返ることなく、大きな背中を向けたまま去って行ってしまった。
あの三人組に書類を出そうとして、あいつに取り上げられて谷口さんと退室された後に、いろいろと俺に聞いてきた。
俺が出した書類は、さっと目を通されて修正もされずに置かれている。俺が必死に作った書類だけど、きっと取るに足らない書類だったんだ……
パソコンのスキルから、受けてきた研修内容とか
正直に話していけば、大きな溜め息をつかれてしまった。
俺は冒険者の訓練は受けてきてるけど、内勤の経験も研修も受けたことがない…きっと呆れているのだろう
「困ったものですね!これはバスターさんに一言言わないといけませんね…
まったく…」
俺のせいでバスターさんに迷惑がかかってしまうのかっと血の気が引いていく思いになって、その場で立ち尽くしてしまっていると……
「はぁ……あまり他部署のことに口を出すのはよくないのですが、シバさん
あまり考えすぎないように、無理をしてはいけませんよ?
仕事を覚えるのもたぶん訓練と一緒ですよ、少しずつですからね?」
そんな立ち尽くしている俺に、谷口さんは優しいいつもの顔で言ってくれる。
谷口さんは俺に呆れたんじゃないの?
もう、俺は何をすればいいかわからなかった。
言われたコーチのリストをつくるのも、訓練者の選定もどんなに頑張って作っても、選んでも……
絶対にどこか間違えていそうで、またバスターさんに叱られて呆れられて、この仕事すら取り上げられて……
そしたら、今度こそ捨てられる!
追い出されてしまうから……
そう考えたら、与えられた仕事なのに手が付けられなくなっていた。
もう俺にできることは……役員の名簿を必死に読んで書いて頭に叩き込んで
俺は頭が悪いけど、覚えなきゃ……もうこれしか俺にはできないんだから!
「おいシバ!何をしてるんだ?
何を必死な顔をして……そんなっ……もうとりあえず、やめなさい!話があるから……」
バスターさんが入ってきたことすら気づかなかった。ここは共有の事務室で、事務員はまだ数人しかいないけど
他の人達はしっかりと書類を作ってるのに、俺は名簿を覚えてたから、怒られる?
「あの……ごめんなさい、すぐに頼まれてたリストと選定をします。
本当に、すぐに……」
「そんなことは言っていない、話があると言っているんだ!
シバ……お前……なんで、そんな……」
「違う……あのっ、ほとんどできてて、でも………あのっ……うっぅっぅ……
ごめんなさい、ごめんなさい…
ちゃんと仕事するから、できるから…俺はできるから……」
やっぱり怒られる?バスターさんに話しかけられると動悸がする、体が震える、上手く話せない……
そうだ、バスターさんは谷口さんに一言言われて、迷惑かけたから…謝らないと……
「ごめんなさい、俺のせいで…迷惑ばかりかけて……ごめんなさい、ごめんなさい
あのっ…俺が、上手くできないから…でも頑張るから、ちゃんとするから、できるから……だからっ、ごめんなさい」
もう自分が何を言ってるのかわからなかった。ただバスターさんにひたすら頭を下げて謝るしかできなかった。
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