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28.シバという人

750.序章

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「うわぁ…すごいですね!
ロンさんのオーダーシステムキッチンになったのかな?これって、予算足りたのかな…」

「それが予算と広さの関係でセミオーダーになったんだよ…
ビルドインオーブンは好きなの入れてもらえたけど、コンロの火力がちょっと不満なんだよね…
洗い場も本当は二つ欲しかったし、収納ももっと隠せる感じで……」


ロンさんはこだわりだすとやっぱりすごそうだから、たぶんお金がいくらあっても足りないんだろう
もう明らかに僕の家よりもすごいキッチンができている。
喫茶店くらい簡単に開けそうなキッチンができている!

それでも色はダークオーク色に統一されて、ピカピカに磨かれたキッチンでせっせと調理道具を整理するロンさんは…
完全に調理人にしか見えないのだけど?


「とりあえず試しにパンケーキでも焼こうか?
火力の調節具合とかみたいし、ブランチには丁度いいだろう?」


冷蔵庫を開きながらなんだがいろいろと出てくる、白いのはチーズかな?
とりあえずと言う割には、なんだかむちゃくちゃ凝ったのができそうだけど…


「アキラさん失礼します。明後日の開所式の挨拶ですが……なんだかいい匂いしますね?パンケーキですか?」

「あぁ、丁度いいです。
ロンさんバスターさんの分もお願いできますか?ちょっと紹介したいんですよ…」


ロンさんの二つ返事を聞いたあとに、バスターさんをテーブルに案内して
ロンさんのパンケーキを待ちながら、明日の開会式の話をまとめていく


「はい、お待たせしました。初めまして、シノダと言います。
アキラ君の助手をしていく予定です。よろしくお願いします。」

「これは、ご丁寧に…
こちらの所長を任されました。バスターです。
まだ若輩者ですが、よろしくお願いいたします。」

「ロンさん、バスターさん、挨拶は早く終わらせてパンケーキ食べようよ!
覚めたら不味くなっちゃうじゃん」


めちゃくちゃ二人共しっかりと頭を下げあっての挨拶を終えると、ロンさんは僕の横に、バスターさんは僕の前にいそいそと座ってきた。


「これは見事なパンケーキですね
フワフワだし、何より見た目が華やかでラズベリーやブルーベリーの果物に更にソースにクリームに粉砂糖…
なんてこれは……可愛い……」

「あっ、美味しい!
甘さ控えめでフワフワだぁ、生クリーム少なくしてくれてるの助かります。
このベリーのソースも美味しい…
コレもロンさんの手作りですよね?
そうだ!バスターさんはシノダ教授と呼んでくださいね?
ロンさんはあの有名なクラーケン研究の第一任者ですからね!本も何冊も出してる、すごい研究家ですからね?」

「アキラ君、別にいいよ~
俺はアキラ君の助手だからね、なんとでも呼んでくださいね?
ソースまだあるよ?今年のベリーはなかなか豊作だったからね、気に入ってくれてよかったよ!
それよりも…俺としては、バスターさんとお話したいなぁ
失礼ですが、私は鑑定のスキル持ちでね?貴方は…いいスキルしてるなぁ」


さすがロンさん、育てるところからか……
バスターさんのスキルも気になるなぁ、ロンさんが食い入るように見てるからきっと女子力とかのスキルとか?女子力のスキルとかあるのかな?
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