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30.新たな番

856.素敵な人  (sideシバ)

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「はい、こちらはシバさんに!僕が一度着けちゃったけどバスターさんとおそろいだから、許してくださいね?」

「えっ?あっ…ありがとうございます。」


バスターさんの付けていたアクセサリーはアキラさんがスマートにプレゼントしていて
俺には自分が付けていたスカーフをシュルリっと解くと、アッサリと未練も何も無いように首に巻いてくれた。

それはバスターさんに恋慕などないと、俺にを安心させるようで…それはそれは優しい手付きでスカーフを結んでくれて、最後に首の毛を慰めるように撫でてくれた。

その優しさが今はすごく沁みるようにありがたくて、アキラさんはきっと俺たちが喧嘩してたから仲直りをするためにバスターさんを連れ出してくれたんだ、本当にいい人で優しい人で…


「はい!じゃあ、アキラ!帰ろうか?タクシーをもう待たせてるからね?」


もうその後は風のようなスピードでジョン君がアキラさんを連れ帰っていった。
もうグイグイと背中を押すように連れ帰えられるアキラさんの表情は、嬉しそうで、安心しきってて…
あの二人を見ていると、バスターさんと俺の関係は本当に脆く感じでてしまって…


縋るように握ったバスターさんの手は大きくて、包み込まれるようで…でもジョン君は言っていたから


「バスターさん……消えちゃいやだ……」


思わず漏れた自分の声は、震えていて弱々しくて全然雄らしくもないもので情けなくなってくるけど、バスターさんは握る手の力を強めて俺に優しく笑いかけてくれるから…
絶対にこの手だけは離さないようにしようって力を強めて、お店を出ていった。






俺の雄らしくもないお願いをバスターさんは聞いてくれて、これからはスカーフかストールを外出のときはしてくれることになった。
これから暑くなるのに…

あと休日はなるべく一緒にご飯を作ることになった。バスターさんが基本的にメニューを決めて俺はお手伝いってことで話がついて…

あとはお小遣い制も導入された。バスターさんがどこまで使っていいのかわからないっと言うから、とりあえず10万円をお小遣いとして、もっと欲しい物ができたら要相談


「こんなに大丈夫なの?店も存続させるんだし、あっちもかなりの赤字がでてるでしょ…
それにシバも欲しい物を買ってよ!我慢はしてない?」

「大丈夫ですよ?バスターさんのやってたサブスクとか化粧品の定期購入代でかなりの額いってましたから、10万円とか全然です。俺の欲しい物は買ってますよ?バスターさんの素敵な下着とか…あと新しいメーカーの柔軟剤を買いました。ふわふわになるらしくて、楽しみです!」


バスターさんがちょっと困った顔をして俺を見ている。
……コレって何か間違えた応えしたのかな?欲しい物が柔軟剤じゃ駄目だった?…でも俺が欲しい物って他にはあまりなくて…


「あっ!あと…バスターさんにお願いがあって欲しい物があって…おねだりしていいですか?」

「もちろんよ!何が欲しいの?
シバは物欲がなさ過ぎるから…我慢してるんじゃないかって心配になってしまうよ?」


俺のおねだりにバスターさんは少し驚いた顔をしたけど、すごく嬉しそうに快諾してくれた。よかった…ジョン君の言うとおりだ、相手の反応をしっかりと見ないといけないんだ!
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