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1007.疑惑の裏 決闘1 (sideアブ)
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何を間違えたんだ?こんなはずじゃなかった…
あのいけ好かないアキラにすごくいい感じのカジノを紹介してもらって、最初は楽しく勝ちに勝ちまくっていて、VIPルームに通されて綺麗な姉ちゃんが相手をしてくれて、いい気分で遊んでいたのに
ある日からとんと勝てなくなった。いい感じに勝てていても、最後の勝負で負けてしまって…どんどんと負けが込んできて、カジノでのツケも増えてきて、だからカジノで取り返そうと更に足繁く通ったら…
どうにもこうにも金が無くなってしまって、カジノでの貸付金もこれ以上は出せませんと言われて、だから…会社に嘘の取引をでっち上げたんだ!
少しくらいいいだろうっと、うちの会社にしたら微々たる額だし、俺はずっとずっと会社に尽くしてきたのだからと…
そしたらすぐにバレて、懲戒免職処分なんてあんまりだ!ずっとずっと俺は尽くしてきたのに、こんなに簡単に捨てられるなんて!
だからあの怪しい人狼の依頼も受けたんだ、俺を簡単に斬った『食の暁月』に仕返しをするために、俺がこんな目にあっている原因を作ったアキラに仕返しをするために!
なのに、なんで、なんで俺は暗い牢屋に閉じ込められて、残飯より粗末な飯を食わされて、昼夜問わず拷問に近い尋問をされているんだ?
「お前たちは我ら人狼に許されないことをしたんだ!奴隷化など忌むべき過去の行いをな!!まぁ…最低でも四肢を切り落とされて森に放置だろうな?せいぜい震えて眠れよ…」
俺を痛ぶるように看守が暗い牢屋の外から呟く、嫌だ…そんなことをされたら、森の魔獣の餌になるのは間違いないではないか!
嫌だ…嫌だ…もう夜は真っ暗な牢屋の中でガタガタと震えて、浅い眠りしか付けない日々を送った。だがそんな暗闇しかない未来に光が差してきた。
「被害者側から直接処罰の希望が出た。お前は族長第一候補のダーク様が相手らしい…ははっ、せいぜい派手になぶり殺されるんだな!もう一人の罪人の相手はバスター?ん~、知らん名だが、あのダーク様が選ばれたらなら間違いはないだろう!」
バスターの名前に背筋が凍った。間違いなくあの訓練所の所長だ…確かかなり名のしれた冒険者で、自分でギルドを作りさえすればS級間違いなしとまで言われていた。
俺達みたいなB級止まりだった者には敵うはずがない…ラダはもう駄目だろう
ただ俺の相手なら、人狼の族長候補?そんなのよく知らないが、俺だって現場からかなり身を離していたが、冒険者だぞ!
「武器なしの無ハンデ決闘らしいが、まぁ族長候補のダーク様がそんなハンデをつけての直接処罰なと格好の悪いことはせんのだろうな!公開もされるらしいから存分に悪上がりをして、場を盛り上げるんだな!」
無ハンデとは、つまり対等の条件下か、ならばいけるぞ!
族長候補かなんかしらないが、俺は冒険者だったのだ、戦うことを生業にしていたのだ…たかが人狼の長候補などに負けはしない!
≈≈≈≈≈≈≈≈≈
手枷を嵌められてラダと共に引っ立てられるようにして連れてこられた。
ラダもムキムキだった体は見る影もなく痩せ細り顔色も悪くて、目はギラギラと血走っている。きっと助かる術を探しているのだろうが…
リングに対峙して立つ人物は、以前見たは訓練所の所長で間違いなく、ラダは間違いなく敵わずになぶり殺されるのだろう…
俺は先にリングに上がらされた。向かい合う人狼は鍛えている体つきだが、ひょろりとしていて派手なジャケットに赤い垂らしたベルトで格好ばかり気にしてるようで、細い銀縁の眼鏡はインテリ職を彷彿とさせて…
いけるぞ!コイツは強くない!コイツを倒せば俺は釈放されて自由になれるんだ!!
「それでは………始め!!」
立会人の声と共に、俺は目の間の人狼に襲い掛かかれば、右手でガードをしようとするので、その腕をとり…
ボギョッッ!!!
腕の中で骨が砕ける感触がした。いけるぞ!俺はまだ生きるんだ…
あのいけ好かないアキラにすごくいい感じのカジノを紹介してもらって、最初は楽しく勝ちに勝ちまくっていて、VIPルームに通されて綺麗な姉ちゃんが相手をしてくれて、いい気分で遊んでいたのに
ある日からとんと勝てなくなった。いい感じに勝てていても、最後の勝負で負けてしまって…どんどんと負けが込んできて、カジノでのツケも増えてきて、だからカジノで取り返そうと更に足繁く通ったら…
どうにもこうにも金が無くなってしまって、カジノでの貸付金もこれ以上は出せませんと言われて、だから…会社に嘘の取引をでっち上げたんだ!
少しくらいいいだろうっと、うちの会社にしたら微々たる額だし、俺はずっとずっと会社に尽くしてきたのだからと…
そしたらすぐにバレて、懲戒免職処分なんてあんまりだ!ずっとずっと俺は尽くしてきたのに、こんなに簡単に捨てられるなんて!
だからあの怪しい人狼の依頼も受けたんだ、俺を簡単に斬った『食の暁月』に仕返しをするために、俺がこんな目にあっている原因を作ったアキラに仕返しをするために!
なのに、なんで、なんで俺は暗い牢屋に閉じ込められて、残飯より粗末な飯を食わされて、昼夜問わず拷問に近い尋問をされているんだ?
「お前たちは我ら人狼に許されないことをしたんだ!奴隷化など忌むべき過去の行いをな!!まぁ…最低でも四肢を切り落とされて森に放置だろうな?せいぜい震えて眠れよ…」
俺を痛ぶるように看守が暗い牢屋の外から呟く、嫌だ…そんなことをされたら、森の魔獣の餌になるのは間違いないではないか!
嫌だ…嫌だ…もう夜は真っ暗な牢屋の中でガタガタと震えて、浅い眠りしか付けない日々を送った。だがそんな暗闇しかない未来に光が差してきた。
「被害者側から直接処罰の希望が出た。お前は族長第一候補のダーク様が相手らしい…ははっ、せいぜい派手になぶり殺されるんだな!もう一人の罪人の相手はバスター?ん~、知らん名だが、あのダーク様が選ばれたらなら間違いはないだろう!」
バスターの名前に背筋が凍った。間違いなくあの訓練所の所長だ…確かかなり名のしれた冒険者で、自分でギルドを作りさえすればS級間違いなしとまで言われていた。
俺達みたいなB級止まりだった者には敵うはずがない…ラダはもう駄目だろう
ただ俺の相手なら、人狼の族長候補?そんなのよく知らないが、俺だって現場からかなり身を離していたが、冒険者だぞ!
「武器なしの無ハンデ決闘らしいが、まぁ族長候補のダーク様がそんなハンデをつけての直接処罰なと格好の悪いことはせんのだろうな!公開もされるらしいから存分に悪上がりをして、場を盛り上げるんだな!」
無ハンデとは、つまり対等の条件下か、ならばいけるぞ!
族長候補かなんかしらないが、俺は冒険者だったのだ、戦うことを生業にしていたのだ…たかが人狼の長候補などに負けはしない!
≈≈≈≈≈≈≈≈≈
手枷を嵌められてラダと共に引っ立てられるようにして連れてこられた。
ラダもムキムキだった体は見る影もなく痩せ細り顔色も悪くて、目はギラギラと血走っている。きっと助かる術を探しているのだろうが…
リングに対峙して立つ人物は、以前見たは訓練所の所長で間違いなく、ラダは間違いなく敵わずになぶり殺されるのだろう…
俺は先にリングに上がらされた。向かい合う人狼は鍛えている体つきだが、ひょろりとしていて派手なジャケットに赤い垂らしたベルトで格好ばかり気にしてるようで、細い銀縁の眼鏡はインテリ職を彷彿とさせて…
いけるぞ!コイツは強くない!コイツを倒せば俺は釈放されて自由になれるんだ!!
「それでは………始め!!」
立会人の声と共に、俺は目の間の人狼に襲い掛かかれば、右手でガードをしようとするので、その腕をとり…
ボギョッッ!!!
腕の中で骨が砕ける感触がした。いけるぞ!俺はまだ生きるんだ…
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