夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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1006.疑惑の裏 6 (sideバスター)

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しっかりとしたダークスーツに身を包み硬い表情のボルゾイ系人狼が数名リングの上に上り膝を付き、頭を垂れている。
表情は一様に暗く、憔悴しきり、落ち窪んだ瞳、元から細い口元は頬が痩けたようで異様な程に細い

ダークさんがゆっくりと周りに見せつけるような堂々とした動きでリングにあがり、ボルゾイ系人狼の前に立つ


「人狼族組長ダークは人狼族組長トーマスに対し、先の我が組員に対する暴行並びに組の経済活動を妨害したこと、更に他種族と人狼族の争いを企て人狼族への反逆したなどの罰を求める。
組長トーマス並びに幹部の雄達は強制労働場にて無期懲役、幹部番の雌達はダーク組付きに、その子も同じとする。」

「はい…寛大な御処置をありがたく思います。番達と子供達ををどうか…どうか…よろしくお願いいたします!」


深々とボルゾイ系人狼が頭を下げている。
後ろの幹部達も声を殺してむせび泣いている。
つまりこの人狼達は番とは一生離別することになり、番の雌はダークさんの組に所属と言うていだが、そんな生易しい扱いではないだろう…
人狼族にとって番との離別は発狂する者もいるとシバが言っていた。たぶん救われるのは子の命だけといった所か…


そして人狼達が看守達に連れられて下がらされると、二人の人間が引っ立てられるように連れられてくる。
真麻色で汚れた服を着せられ、手枷に鎖を付けられた引っ張られながら来る姿は
顔色は土下色で、目は落ちくぼみゲッソリと痩けている。顔も体も所々垢や血などで汚れている。正に囚人として扱われいたらしく、面会に行ったときよりも酷い有り様だ


今にも倒れてしまいそうだが、ただ目つきだけはギラギラとしていて血走って見るからに興奮している。


「それでは、直接懲罰による、公開決闘を始める。罪人アブ前へ、族長ダークの申出により武器なし、損傷なし、拘束なしの対当状態の決闘とする。決闘後、罪人は釈放とする。よろしいか?」

「はいっ!よろしくお願いします。」


そうっ、決闘が終われば二人は釈放されるのだ、しかし人狼の決闘では生死は問われない…特に直接懲罰による決闘では、ほぼ罪人には死が待っている。
ただ二人は現役を離れていたとはいえ元冒険なのだ、ダークさんはハンデなしで大丈夫だろうか?あの人はとても戦い慣れているとは思えないが


「大丈夫ですよ、バスターさん…
ダークはああ見えても強いです。伊達に族長第一候補を維持していないですからね
ハンデなんか付けての公開決闘なんて族長候補としては、カッコ悪いですからね
そう…僕と二人で考えたんだ、負けるはずがない」


アキラさんがいつの間にか私の隣に立ってダークさんの背中を見つめている。
それは眉間にシワが寄り、どこか少し苦しそうで、私なんかよりもずっと心から心配をしている表情で…

シバの言葉を思い出す。アキラさん…貴方は本当にタークさんのことを愛していたのですね…それはそんな言葉をかけて、慰めたくなるような表情だった。
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