夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

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1018.解かれていく裏 (sideバスター)

シバが怖い、もうめちゃくちゃ怖い…
浴室から無言で出ていったかと思うと私の服を放り込むように洗濯機に入れて回しだすと、部屋中をひたすらファブりだしたのだ…

とりあえず憑き物が憑いたようなシバが恐ろしので、私は現実逃避にゆっくりとシャワーで体を綺麗にしてから、リビングに恐る恐る入ればいつものハーブティーを用意してくれていた。少し安心をしてソファに座れば、隣にシバが座り、小さく溜息を付かれる…


「それで…バスターさんは何をしてきたんですか？俺が怒るようなことなの？浮気とかではないの？」

「なっ！！浮気なんかするわけないだろう？
私はシバがいてくれたら十分なんだから…そんなことする訳ないじゃないかっ……」


なんだ？私は浮気を疑われていたのか！シバの言葉にちょっとむっとする。怒られる立場もわきまえずむっとしてしまう。
シバははぁっと大きな溜息を付くと、さっきよりも少し雰囲気が和らいでいった。


「じゃあ今日は何をしてきんですか？仕事じゃないですよね？
俺が確実に怒ることで、こんなに人狼の雄の興奮した臭いを体に付けてくることってなんですか？もう隠すとかやめてくださいよ！」

「ゔぅ…アイツを…処罰してきだんだよ、本来ならシバの意向で処罰を決めるべきだってわかってたんだが…」

「アイツって…ラダさんを！えっ？嘘っ！
もう執行されちゃったの？えぇ！！
俺っでもっ…嘘っ！！！」


観念して正直に話せば、シバが驚愕の表情をしていく、そうだよな…自分でやりたかったよな…私がシバだったら、私でもそう思うだろう、シバの驚愕した様子に申し訳無さが積もる。


「つまりっ…バスターさんが直接手を下してきたってことでいいですか？」

「あぁ…本当に、ごめんなさいっ…」


落ち着き取り戻そうと、シバが確認するように質問されて、更に盛大な溜息を吐き出していくのがい畳まれない
ひっぱたかれて終わるなら何度でも叩いて構わないが、たぶんそういう問題じゃないし
叩かれたところで私にダメージは入らない
どうしたら許してもらえるかわからないが…


「すごくシバに悪いとは思ってたんだ、でもっ、嫌だったんだ！シバがアイツが触れるのも、アイツの目にシバが写るのも、アイツの吐いた息をシバが吸うことすら嫌だったんだ！！
考えるだけで…頭がおかしくなりそうで、耐えられなかったんだよ…」


もう言い訳するみたいに、自分の気持ちが溢れていく、それは言葉にしてしまえば、子供みたいな駄々っ子みたいなもので
そうか私はただただ嫌だったのだ、ラダにシバが関わるのがひたすら嫌だったのだ！
奪われるとか恐ろしいとか以前に本当に、どうしても嫌だったのだ！！
もうこんなどうしようもない、感情的な理由を吐露してしまえば呆れられてしまいうのに…


「本当に…バスターさんは仕方ない人だなぁ…」


シバはすごく優しい声で、もう怒気など含まれていない落ち着いた声で呟きながら私を抱きしめてくれる。


「そのっ…怒ってないのか？さっきは私を本気で噛むくらい怒ってたじゃないか…」


自分の声が可笑しいくらいに小さくて、どれほどシバに怒られるのが緊張していたかがわかる。そんな私とは裏腹にシバは柔らかい雰囲気で、もうまったくさっきまでの荒れた様子など微塵もない


「怒ってますよ？プンプンですよ？
でも安心しました。俺はずっと、バスターさんに捨てられるのが怖かったから…
だってバスターさんが何か隠し事をしてるのはわかってたから、ちょっと前に帰宅後すぐにシャワーを浴びてて、人狼の毛が服に付いてたことがあったから、そのときから疑ってたから…」

「えっ！それは結構前じゃないか？
すまない…たぶん今回の処罰の手続きでアイツの面会をしてきた日だ、アイツと一緒にいた空気が気持ち悪くて、帰宅後すぐにシャワーを浴びた日のことであってるかな？」


そんな前から浮気を疑われていたことに驚いてしまう、ずっと私の不穏な行動を不安に思っていたのだろう…本当に可哀想なことをしてしまった。


「じゃあマンションの資料はなんなんですか？人狼自治区のモノばかりでしたけど、俺が追い出されるのかと思いましたよ？」


シバの言葉に息が詰まる、なんで？アレは…追い出すなんて…背筋に冷たいものが走る。
バレしまう……