淫行の聖女 〜ムキムキの聖女様は可愛い犬がお好き〜

モスマンの娘

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11.暗い回想 3  (sideセバス)

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バスター様は婚約がきまってからはホロホロと涙をふいに流していることがある。
食も細くなり、唯一続けてきた趣味の運動ですらせずに、1日を部屋でぼうっと過ごすことが増えてきた。


「いやだ…セバスさん…もういやだぁぁ、やめたいぃぃ…いやだよ…私はなんのためにここにいるのか、わからない!
何のために、こんなことを、あぁあぁ!!」



それからバスター様は酷く憔悴し、日々の力の開放ですら、拒絶をされるのでままなっていた。


どんどんと大きかった体は萎み、目の下には隈ができ、髪はバサバサであの純朴な青年は弱った老人にすら見えた。それでも婚約は解消されず、婚姻の日取は迫ってきた。




「私はここに宣言する!
聖女バスターは偽りの聖女であると、よってこの婚約は破棄をする!」


いよいよ婚姻まで一ヶ月となったところ、婚約者のお披露会の達しが届き、憔悴しきったバスター様は着飾らされて皆の前に出されていく


フラフラとしか一人では歩けないながらも、なんとか自分の役目を真っ当しようと、貴族たちの前にシャンと立っていたバスター様に、第二王子はそのような宣言を告げたのだ



「なっ!?何を根拠にそのようなことを…バスター様は間違いなく聖女様です。その奇跡を何人もの人が見てきております。偽りの聖女などではありません!」

「根拠はこれぞ、さぁ、彼女をこちらへ…
彼女はこのバスターに脅されて、奇跡を起こしながらもその功績を奪われていた真の聖女だ!私は彼女と新たに婚約を宣言する!」



ピンクの髪の、小さな体でくりくり大きな瞳は加護欲を刺激する。きらきらのダイヤが散りばめられた薄紅色のドレスの女が第二王子の傍らに寄り添う

しかし、その一見には美しい笑みはどこか歪んでいた。その女の腰を抱き、バスター様を偽りだと宣言する第二王子も同じように歪んだ笑みを浮かべている。

私はまだ反論をしようとしたが…バスター様の体がグラリと倒れていくのを見て、慌てて駆け寄った。



「セバスさん………もういいです。
私はもう、このまま断罪されるなら、この命がこれで終わるのなら…もうそれでいいです。耐えられない……私は、もう、お願いです。もう終わらせてください……」

「バスター様、そんなっ!貴方は誰が何を言おうと、素晴らしい聖女様なのですよ!!」



私の声は虚しくかき消されて、バスター様は偽りの聖女とされていった。


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