4 / 5
三話
しおりを挟む教室に戻り、席に座るとウトウトと瞼が重くなってしまった。
緋雫「あら、もう少しでHR始まりますよ?」
紫音「んー、大丈夫。ちょっとだけ………」
前の席、背の高い冬弥くんだから見えないハズ。
紫音「冬弥くん、朝のホームルームだけ盾なって……眠い」
冬弥「ゲームも程々にしろよ?」
紫音「う~ん……」
机に突っ伏して、眠る体制になる。
「お前ら、席に付けー。噂の転校生紹介してやんねぇぞ」
今年も担任の御堂聖先生が教室に入るとガタガタと席に着く。
聖「よしじゃあ、今年も俺が担任だって事以外特に俺から話す事も無いから転入生、入って来い」
朝の挨拶もそこそこにガラガラと教室のドアを開けて転校生が入ってくる。
伏せたまま、前髪の隙間からチラリと見る。
あぁ、やっぱりあの子が転入生なんだ。
………なんか、猫被ってそう。
胡散臭い笑顔。
……関わりたくないな。
そしてまた瞼を閉じた。
「今日からお世話になる白騎蒼空です。よろしくお願いします」
ニコリ、と爽やかな笑顔。
女性はヒソヒソと顔を紅くする。
外見だけは爽やかなのは自他ともに知ってる。
聖「……そんなに赤くなるほどのイケメンなのは分かったから。てか、俺もイケメンじゃね?もっとキャーキャー言ってもいいんだけど?」
ちょっといじけ出した。
ちょっとウザいな。
蒼空「あの、オレの席は?」
聖「そうだな、お前の席は……ああ、あの後ろの空いてる所だ。居眠りしてる子の隣」
指刺された所に向かって歩き出す。
ワクワク、ドキドキと心踊らせている様子の女子達の中。
あぁ、居た。
教室の後ろ、窓際の席。
蜂蜜色のふわふわな頭が机に突っ伏していた。
前の席の男子が慌てて起こそうとしていた。
全員がオレの動きを見る。
その子の横にしゃがみ込み、つんつんと肩をつつく。
「ふえ?」
ガバッと起き上がる少女。
蒼空「……名前は?」
「……夢咲………紫音………です?」
ちょっと寝惚けた声。
長い前髪の隙間から覗くアメジストの瞳がとろんとしている。
蒼空「今日、遅刻したの?」
頭を撫でて、
『ねぐせ』
と口パク。
ぱっと手で撫で付ける。
可愛いなぁ。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】お父様に愛されなかった私を叔父様が連れ出してくれました。~お母様からお父様への最後のラブレター~
山葵
恋愛
「エリミヤ。私の所に来るかい?」
母の弟であるバンス子爵の言葉に私は泣きながら頷いた。
愛人宅に住み屋敷に帰らない父。
生前母は、そんな父と結婚出来て幸せだったと言った。
私には母の言葉が理解出来なかった。
地味な薬草師だった俺が、実は村の生命線でした
有賀冬馬
ファンタジー
恋人に裏切られ、村を追い出された青年エド。彼の地味な仕事は誰にも評価されず、ただの「役立たず」として切り捨てられた。だが、それは間違いだった。旅の魔術師エリーゼと出会った彼は、自分の能力が秘めていた真の価値を知る。魔術と薬草を組み合わせた彼の秘薬は、やがて王国を救うほどの力となり、エドは英雄として名を馳せていく。そして、彼が去った村は、彼がいた頃には気づかなかった「地味な薬」の恩恵を失い、静かに破滅へと向かっていくのだった。
処刑された王女、時間を巻き戻して復讐を誓う
yukataka
ファンタジー
断頭台で首を刎ねられた王女セリーヌは、女神の加護により処刑の一年前へと時間を巻き戻された。信じていた者たちに裏切られ、民衆に石を投げられた記憶を胸に、彼女は証拠を集め、法を武器に、陰謀の網を逆手に取る。復讐か、赦しか——その選択が、リオネール王国の未来を決める。
これは、王弟の陰謀で処刑された王女が、一年前へと時間を巻き戻され、証拠と同盟と知略で玉座と尊厳を奪還する復讐と再生の物語です。彼女は二度と誰も失わないために、正義を手続きとして示し、赦すか裁くかの決断を自らの手で下します。舞台は剣と魔法の王国リオネール。法と証拠、裁判と契約が逆転の核となり、感情と理性の葛藤を経て、王女は新たな国の夜明けへと歩を進めます。
姉から全て奪う妹
明日井 真
ファンタジー
「お姉様!!酷いのよ!!マリーが私の物を奪っていくの!!」
可愛い顔をした悪魔みたいな妹が私に泣きすがってくる。
だから私はこう言うのよ。
「あら、それって貴女が私にしたのと同じじゃない?」
*カテゴリー不明のためファンタジーにお邪魔いたします。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる