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六章 決別
二十七.尾張、統一
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嵐の続く八月も半ばの、尾張・翔隆の邸。
昼間から珍しく家臣全員が広間に集まっていた。
絵図を前に深刻な顔をしており、女子供は隣りの座敷でそれを見つめている。
「…そういえば、尾張の完全な統一は出来ていなかったな…」
疾風(二十七歳)が呟くように言う。
こくりと頷き、忌那蒼司(二十四歳)が扇で一点を指す。
「この美濃との境、犬山近くの八會山…。翔隆様も、何処か抜けていらっしゃります故…」
「蒼司……」
明智光征(二十歳)が制するように言うと、蒼司は扇で口元を隠す。
そしてまた疾風が喋る。
「お戻りになられる前に、平定しておこう。…厄介な将が居なければ、すぐに済むだろう」
「美濃の将は由磨と磨仁。こちらに出てくる様子はありません」
光征が言うと、疾風は頷いて絵図を睨む。
先程から絵図を睨んで唸っているので、雪孝(十七歳)が恐る恐る聞いてみる。
「疾風様…もしや、策を練るのが苦手なのでは…?」
「! そ、そう…ではない、が…」
口籠もると、忠長(十五歳)がニヤリとした。
「翔隆様と同じで、突っ込んで行くのが好きなんでしょ?」
「そっ……」
そんな事は無い、と言い掛けるがやめる。
確かに、突っ走ってしまう性格だからだ…。
疾風は、バンッと絵図を叩いて立ち上がる。
「駄目だ! 実際行ってから決める!!」
「ええっ?!」
「策は蒼司と光征に任せる!! 行くぞ!」
そう言って歩き出したので、皆も慌ててついていった。
(忠長のせいだぞ)
走りながら、雪孝が忠長に小声で言う。
「えー…何でだよ…」
(いきなり策も立てずに来たのだ…見ろ、あの二人)
言われて後ろを走る蒼司と光征を見ると、深刻な顔で思い惑っていた。
「……しょーがねえだろ…翔隆様の弟なんだし」
「何か言ったか!!」
疾風が振り向いて言うので、忠長は薄笑いして答える。
「いえ何でも!!」
「もう直着くぞ。飛白は?!」
「あ…先に二千を率いて山の麓に居ます」
矢月一成(二十五歳)が答え、それに頷くと疾風はそのまま緋炎と共に走る。
〈…もっと兵法も学ぶか…〉
疾風は心中で苦笑した。
八曾山に着くと、伏せていた飛白(三十九歳)が現れる。
「反対側に集落があり、もう奴らは構えています。山頂で少し戦いましたが、苦戦を強いられ中腹まで引き返して参りました」
「そうか…」
答えて疾風は蒼司と光征を見る。
二人は眉を顰めて歩み寄る。
「既に刃を交えているのならば、策は不要です。敵将は?」
光征が聞くと飛白が唸る。
「それが女子で……わしは見た事の無い奴で…」
「何か特徴は? 些細な事でも構いません」
蒼司が尋ねると、飛白は顎に手を当てて考える。
「白茶の髪を後ろに纏めて、前髪が長くて…」
疾風と蒼司、雪孝が考える。
「それだけでは……他には?」
雪孝が尋ねると、飛白は思い出しながら考え、あっと声を出す。
「蜘蛛! 蜘蛛がわらわら居ました!」
前髪が長い女で蜘蛛、ときたら一人しか思い付かない。
「弓沙羅が長女の、沙羅でしょうな。蜘蛛を操るのは他に居ませぬ」
蒼司が言い、疾風と雪孝が頷いた。
「あいつは毒蜘蛛なども操るので注意しよう」
疾風が言うと、皆も頷いた。それに頷き返し、山を見る。
「では、左右から攻めるぞ! 蒼司と一成、光征は右から迂回、飛白と雪孝、忠長は私と共に左から行くぞ!」
「はっ!」
答えてそれぞれに散っていく。
右側面から回り込んで行くと、いきなり目の前に蜘蛛の大群が道を塞ぐように現れたのだ。
「…こうなると、立派な兵ですね」
蒼司が言い、《炎》で燃やそうとするのを、一成が止める。
「一成…?」
「火を付けたら、山火事になり兼ねない…人間に気付かれるのは避けた方がいい」
「…確かに。されど、どうしますか? あの蜘蛛、死肉を食ろうておりますぞ」
「切り払ってもきりが無さそうだな」
光征が言う。
三人はじっと蜘蛛を見つめて考える。
すると蜘蛛が襲い掛かってきたので切る事になった。
「無視しようにも、これでは先に進めない。蒼司、炎の他に何か使えないか?!」
「無茶を仰る……」
言いながら蒼司は拓須に習った《術》を思い出す。
だが、自分が使えるようになったのは《回復》や《炎》の扱い方くらい…。
「せめて、忠長が居れば楽でしょうに…」
「考えている暇は無さそうだ。面倒でも切り払って進もう!」
一成が言い、二人は頷いて一族の者達と共に蜘蛛を切っていく。
一方の疾風達も蜘蛛の大群に遭い、切り払いながら進んでいた。
「きりが無い…」
雪孝が氷柱で蜘蛛を殺しながら呟く。
すると、後ろから《風の刃》が飛んできて蜘蛛を薙ぎ払う。
「?!」
「邪魔だから、そこをどけよ」
そう言い忠長が前に出て、一気に《風》で蜘蛛を吹き飛ばした。
「…お前、そんな《術》を身に付けていたのか」
驚いて疾風が言うと、忠長はニィッと笑う。
「当たり前だろう? 師匠から習ったんだから。さっさと行こう」
その言葉に疾風と雪孝は顔を見合わせる。
「一成達も苦戦しているだろうな…」
「はい。…俺が向こうに行けば良かったですね」
「私の失態だな…」
そう話していると、忠長が首を傾げる。
「先に着いてから、俺が迎えに行けばいいんじゃないのか?」
「あ…」
それを聞いて疾風は顔を真っ赤にした。
「疾風様?」
「なんでもない! では頼むぞ、忠長!」
そう言い走り出す。雪孝はくすっと笑いながら、忠長を促す。
「行くぞ」
「ああ…」
忠長は不可思議な顔をしながらも走り出す。
忠長が《瞬間移動》んで蒼司達を迎えに行き、やっと合流して戦いとなった。
すると、腕組みした沙羅が不敵に笑って言う。
「いい顔ね。蜘蛛にでも噛まれた?」
「この…っ」
カッとして飛白が何か言おうとしたのを、疾風が制する。
「蜘蛛といえど、侮れんのだな」
「当然でしょう? 私の可愛い兵達だもの」
「………」
こんな時、兄・翔隆ならばどうするだろうか…?
〈こいつは挑発してるだけだ。乗ってはいかん…さっさと終わらせねば!〉
「行くぞ!」
疾風は沙羅に斬り掛かり、それを合図として戦いとなった。
一成が忠長を守るように立ち、皆がそれぞれに戦う。
「一成、俺なら平気だから疾風様のとこに行ってこいよ」
「…術が平気でも、刀術は習っていまい」
「そりゃ…っと」
話しながら周りの攻撃を躱し、忠長は《術》を放つ。
一成は一族を薙ぎ倒しながら考える。
〈私も《術》を習わなくてはならんな……しかし、教えて頂けるかどうか…〉
拓須は気難しい性格だ。
蒼司の修業とて、忠長のついでに付けているだけ。
〈私など…相手にして下さるかどうか…〉
考えていると、風の刃が一成の横を掠めていく。
「何ぼーっとしてやがる! 死にたいのか!」
「…済まん」
一成は取り敢えず戦いに専念する。
その戦いの中で《炎》を扱う者が居て、雪孝が相手をしていた。
「くっ!」
「裏切り者があっ!!」
容赦なく《炎の塊》を浴びせる。
その炎を躱し切れずにぶつかり、全身を焼かれてしまう。
「ぐううっ!!」
「雪孝!」
疾風や光征達が加勢に行こうにも、敵に塞がれて行かれない。
雪孝は何とか自身を焼く炎を消して、相手に《氷柱の矢》を放って殺した。
そこに、一成と忠長が寄ってくる。
「無事か?!」
「…なんとか……」
答えて雪孝はボロボロな姿で立ち上がる。
すると、一成が小袖を脱いで渡した。
「着るといい。それでは戦えまい」
「…助かる」
雪孝は微笑して受け取り、それを着た。
一方の疾風は、沙羅を追い詰めて居た。
これ以上戦っては不利と見た沙羅は、指笛を吹いて撤退を促し、逃走する。
それを見送り、疾風は雪孝に駆け寄った。
「雪孝!」
「大事はありませぬ…」
答えて刀をしまい、雪孝は短刀を抜くと焦げた髪の毛を切っていく。
「…揃えてやろう」
そう言い疾風が短刀を受け取り、髪を切ってやる。
「済まん…私が兄者のように出来ていれば…」
「いえ。俺の力不足です…申し訳ありません」
そこに、飛白が駆け寄ってくる。
「奴らは美濃に逃げました」
「そうか…ここの処理を頼む」
「はっ」
答えて飛白は一族の者達と共に、奪った集落を見て回る。
「雪孝、大丈夫ですか?」
皆も集まり、蒼司が言う。
雪孝は切ってもらった髪を払い落として立ち上がる。
「平気だ」
「…私が相手をしていれば良かったのですが…」
申し訳無さそうに言う蒼司に、雪孝は苦笑する。
「俺の修行不足だ。気にするな」
相手を思い遣る光景を見て、忠長が唇を尖らせてふてくされる。
〈…俺の出番がねえじゃねーか…〉
何だかつまらなくなり、足下の石を蹴った。
昼間から珍しく家臣全員が広間に集まっていた。
絵図を前に深刻な顔をしており、女子供は隣りの座敷でそれを見つめている。
「…そういえば、尾張の完全な統一は出来ていなかったな…」
疾風(二十七歳)が呟くように言う。
こくりと頷き、忌那蒼司(二十四歳)が扇で一点を指す。
「この美濃との境、犬山近くの八會山…。翔隆様も、何処か抜けていらっしゃります故…」
「蒼司……」
明智光征(二十歳)が制するように言うと、蒼司は扇で口元を隠す。
そしてまた疾風が喋る。
「お戻りになられる前に、平定しておこう。…厄介な将が居なければ、すぐに済むだろう」
「美濃の将は由磨と磨仁。こちらに出てくる様子はありません」
光征が言うと、疾風は頷いて絵図を睨む。
先程から絵図を睨んで唸っているので、雪孝(十七歳)が恐る恐る聞いてみる。
「疾風様…もしや、策を練るのが苦手なのでは…?」
「! そ、そう…ではない、が…」
口籠もると、忠長(十五歳)がニヤリとした。
「翔隆様と同じで、突っ込んで行くのが好きなんでしょ?」
「そっ……」
そんな事は無い、と言い掛けるがやめる。
確かに、突っ走ってしまう性格だからだ…。
疾風は、バンッと絵図を叩いて立ち上がる。
「駄目だ! 実際行ってから決める!!」
「ええっ?!」
「策は蒼司と光征に任せる!! 行くぞ!」
そう言って歩き出したので、皆も慌ててついていった。
(忠長のせいだぞ)
走りながら、雪孝が忠長に小声で言う。
「えー…何でだよ…」
(いきなり策も立てずに来たのだ…見ろ、あの二人)
言われて後ろを走る蒼司と光征を見ると、深刻な顔で思い惑っていた。
「……しょーがねえだろ…翔隆様の弟なんだし」
「何か言ったか!!」
疾風が振り向いて言うので、忠長は薄笑いして答える。
「いえ何でも!!」
「もう直着くぞ。飛白は?!」
「あ…先に二千を率いて山の麓に居ます」
矢月一成(二十五歳)が答え、それに頷くと疾風はそのまま緋炎と共に走る。
〈…もっと兵法も学ぶか…〉
疾風は心中で苦笑した。
八曾山に着くと、伏せていた飛白(三十九歳)が現れる。
「反対側に集落があり、もう奴らは構えています。山頂で少し戦いましたが、苦戦を強いられ中腹まで引き返して参りました」
「そうか…」
答えて疾風は蒼司と光征を見る。
二人は眉を顰めて歩み寄る。
「既に刃を交えているのならば、策は不要です。敵将は?」
光征が聞くと飛白が唸る。
「それが女子で……わしは見た事の無い奴で…」
「何か特徴は? 些細な事でも構いません」
蒼司が尋ねると、飛白は顎に手を当てて考える。
「白茶の髪を後ろに纏めて、前髪が長くて…」
疾風と蒼司、雪孝が考える。
「それだけでは……他には?」
雪孝が尋ねると、飛白は思い出しながら考え、あっと声を出す。
「蜘蛛! 蜘蛛がわらわら居ました!」
前髪が長い女で蜘蛛、ときたら一人しか思い付かない。
「弓沙羅が長女の、沙羅でしょうな。蜘蛛を操るのは他に居ませぬ」
蒼司が言い、疾風と雪孝が頷いた。
「あいつは毒蜘蛛なども操るので注意しよう」
疾風が言うと、皆も頷いた。それに頷き返し、山を見る。
「では、左右から攻めるぞ! 蒼司と一成、光征は右から迂回、飛白と雪孝、忠長は私と共に左から行くぞ!」
「はっ!」
答えてそれぞれに散っていく。
右側面から回り込んで行くと、いきなり目の前に蜘蛛の大群が道を塞ぐように現れたのだ。
「…こうなると、立派な兵ですね」
蒼司が言い、《炎》で燃やそうとするのを、一成が止める。
「一成…?」
「火を付けたら、山火事になり兼ねない…人間に気付かれるのは避けた方がいい」
「…確かに。されど、どうしますか? あの蜘蛛、死肉を食ろうておりますぞ」
「切り払ってもきりが無さそうだな」
光征が言う。
三人はじっと蜘蛛を見つめて考える。
すると蜘蛛が襲い掛かってきたので切る事になった。
「無視しようにも、これでは先に進めない。蒼司、炎の他に何か使えないか?!」
「無茶を仰る……」
言いながら蒼司は拓須に習った《術》を思い出す。
だが、自分が使えるようになったのは《回復》や《炎》の扱い方くらい…。
「せめて、忠長が居れば楽でしょうに…」
「考えている暇は無さそうだ。面倒でも切り払って進もう!」
一成が言い、二人は頷いて一族の者達と共に蜘蛛を切っていく。
一方の疾風達も蜘蛛の大群に遭い、切り払いながら進んでいた。
「きりが無い…」
雪孝が氷柱で蜘蛛を殺しながら呟く。
すると、後ろから《風の刃》が飛んできて蜘蛛を薙ぎ払う。
「?!」
「邪魔だから、そこをどけよ」
そう言い忠長が前に出て、一気に《風》で蜘蛛を吹き飛ばした。
「…お前、そんな《術》を身に付けていたのか」
驚いて疾風が言うと、忠長はニィッと笑う。
「当たり前だろう? 師匠から習ったんだから。さっさと行こう」
その言葉に疾風と雪孝は顔を見合わせる。
「一成達も苦戦しているだろうな…」
「はい。…俺が向こうに行けば良かったですね」
「私の失態だな…」
そう話していると、忠長が首を傾げる。
「先に着いてから、俺が迎えに行けばいいんじゃないのか?」
「あ…」
それを聞いて疾風は顔を真っ赤にした。
「疾風様?」
「なんでもない! では頼むぞ、忠長!」
そう言い走り出す。雪孝はくすっと笑いながら、忠長を促す。
「行くぞ」
「ああ…」
忠長は不可思議な顔をしながらも走り出す。
忠長が《瞬間移動》んで蒼司達を迎えに行き、やっと合流して戦いとなった。
すると、腕組みした沙羅が不敵に笑って言う。
「いい顔ね。蜘蛛にでも噛まれた?」
「この…っ」
カッとして飛白が何か言おうとしたのを、疾風が制する。
「蜘蛛といえど、侮れんのだな」
「当然でしょう? 私の可愛い兵達だもの」
「………」
こんな時、兄・翔隆ならばどうするだろうか…?
〈こいつは挑発してるだけだ。乗ってはいかん…さっさと終わらせねば!〉
「行くぞ!」
疾風は沙羅に斬り掛かり、それを合図として戦いとなった。
一成が忠長を守るように立ち、皆がそれぞれに戦う。
「一成、俺なら平気だから疾風様のとこに行ってこいよ」
「…術が平気でも、刀術は習っていまい」
「そりゃ…っと」
話しながら周りの攻撃を躱し、忠長は《術》を放つ。
一成は一族を薙ぎ倒しながら考える。
〈私も《術》を習わなくてはならんな……しかし、教えて頂けるかどうか…〉
拓須は気難しい性格だ。
蒼司の修業とて、忠長のついでに付けているだけ。
〈私など…相手にして下さるかどうか…〉
考えていると、風の刃が一成の横を掠めていく。
「何ぼーっとしてやがる! 死にたいのか!」
「…済まん」
一成は取り敢えず戦いに専念する。
その戦いの中で《炎》を扱う者が居て、雪孝が相手をしていた。
「くっ!」
「裏切り者があっ!!」
容赦なく《炎の塊》を浴びせる。
その炎を躱し切れずにぶつかり、全身を焼かれてしまう。
「ぐううっ!!」
「雪孝!」
疾風や光征達が加勢に行こうにも、敵に塞がれて行かれない。
雪孝は何とか自身を焼く炎を消して、相手に《氷柱の矢》を放って殺した。
そこに、一成と忠長が寄ってくる。
「無事か?!」
「…なんとか……」
答えて雪孝はボロボロな姿で立ち上がる。
すると、一成が小袖を脱いで渡した。
「着るといい。それでは戦えまい」
「…助かる」
雪孝は微笑して受け取り、それを着た。
一方の疾風は、沙羅を追い詰めて居た。
これ以上戦っては不利と見た沙羅は、指笛を吹いて撤退を促し、逃走する。
それを見送り、疾風は雪孝に駆け寄った。
「雪孝!」
「大事はありませぬ…」
答えて刀をしまい、雪孝は短刀を抜くと焦げた髪の毛を切っていく。
「…揃えてやろう」
そう言い疾風が短刀を受け取り、髪を切ってやる。
「済まん…私が兄者のように出来ていれば…」
「いえ。俺の力不足です…申し訳ありません」
そこに、飛白が駆け寄ってくる。
「奴らは美濃に逃げました」
「そうか…ここの処理を頼む」
「はっ」
答えて飛白は一族の者達と共に、奪った集落を見て回る。
「雪孝、大丈夫ですか?」
皆も集まり、蒼司が言う。
雪孝は切ってもらった髪を払い落として立ち上がる。
「平気だ」
「…私が相手をしていれば良かったのですが…」
申し訳無さそうに言う蒼司に、雪孝は苦笑する。
「俺の修行不足だ。気にするな」
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