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第一章 始まりの館
Chapter29 怖い思い
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その夜、アルシャインはフィナアリスがレース編みをしている最中に、リュカシオンを部屋に呼んで聞いてみる。
「ねぇ、ここに来る前…その〝親方〟って人は厳しかった?」
「…うん。荷車を押したり、物を運んでたんだ。休むと飯もくれなくて……自分で食べる分は働くのが普通だって言われてたから、それは納得出来るけど…」
「リオン…」
「私はすぐに逃げてしまったの…その…夜に、急に呼ばれて、怖くなって…」
フィナアリスがそう言うので、アルシャインはすぐになんの事かを察知して抱き締める。
「大丈夫よ、ここではそんな事はしないわ。…逃げて、何もされなかった?」
そう聞くとフィナアリスは頷いた。
「何も無いわ…逃げた後で、すぐにリュカシオンがメルヒオールと来てくれて……3人でどうにか生きていたの」
「そう…ナリスとリオンとメルは兄妹?」
そう聞くと首を振る。
「他人だけど、兄妹みたいなもんだよ」
そうリュカシオンが言う。
「そう。…他の子は何人居たの?」
「5人。一番チビの2人は寒い夜に死んで……一番上の姉ちゃんと兄ちゃんは、偉い人に連れて行かれて…」
「あと一人は?」
「…分からない…俺ちょうどその日に失敗やらかして、出て行かされてて…メルを助け出すので必死で、聞いたらナリスが逃げたって言うから追い掛けたんだ」
そう悔しそうに語るリュカシオンを、アルシャインは抱き締めた。
「貴方は勇敢なのね、リオン…メルとナリスを守ってくれてありがとう」
そうお礼を言うと、リュカシオンは真っ赤になって照れる。
「そ、アイシャの為じゃないし…ただ、ほっとけなくて…」
「だから勇敢なのよ。これからは、みんなのお兄ちゃんで居てくれる?」
そう優しく聞くと、リュカシオンは横を見ながら頷いた。
「俺よりノアの方が上だけど…カシアンから剣を習って守るよ」
「私も守るわ!お姉さんとして!」
そうフィナアリスも言う。
「…ありがとう」
そう言いまたアルシャインはリュカシオンとフィナアリスを抱き締めた。
深夜。
窓の外を見ながらアルシャインは祈った。
その子供達が、どうか生きていますように…絶望しませんように、と。
この手で守る事は叶わないかもしれないけれど、その分…他の孤児達を助けたい。
〈孤児院も訪ねてみたいわ…〉
そう強く思う。
今まで孤児院も教会もよく訪れてきた。
酷い孤児院だと子供を飢えさせて放置したり、暴力で支配して働かせたりもする。
この国ではどうだろうか?
まだ部屋に余裕はあるから、見付けた孤児はこの館に招き入れようと改めて決意した。
「ねぇ、ここに来る前…その〝親方〟って人は厳しかった?」
「…うん。荷車を押したり、物を運んでたんだ。休むと飯もくれなくて……自分で食べる分は働くのが普通だって言われてたから、それは納得出来るけど…」
「リオン…」
「私はすぐに逃げてしまったの…その…夜に、急に呼ばれて、怖くなって…」
フィナアリスがそう言うので、アルシャインはすぐになんの事かを察知して抱き締める。
「大丈夫よ、ここではそんな事はしないわ。…逃げて、何もされなかった?」
そう聞くとフィナアリスは頷いた。
「何も無いわ…逃げた後で、すぐにリュカシオンがメルヒオールと来てくれて……3人でどうにか生きていたの」
「そう…ナリスとリオンとメルは兄妹?」
そう聞くと首を振る。
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そうリュカシオンが言う。
「そう。…他の子は何人居たの?」
「5人。一番チビの2人は寒い夜に死んで……一番上の姉ちゃんと兄ちゃんは、偉い人に連れて行かれて…」
「あと一人は?」
「…分からない…俺ちょうどその日に失敗やらかして、出て行かされてて…メルを助け出すので必死で、聞いたらナリスが逃げたって言うから追い掛けたんだ」
そう悔しそうに語るリュカシオンを、アルシャインは抱き締めた。
「貴方は勇敢なのね、リオン…メルとナリスを守ってくれてありがとう」
そうお礼を言うと、リュカシオンは真っ赤になって照れる。
「そ、アイシャの為じゃないし…ただ、ほっとけなくて…」
「だから勇敢なのよ。これからは、みんなのお兄ちゃんで居てくれる?」
そう優しく聞くと、リュカシオンは横を見ながら頷いた。
「俺よりノアの方が上だけど…カシアンから剣を習って守るよ」
「私も守るわ!お姉さんとして!」
そうフィナアリスも言う。
「…ありがとう」
そう言いまたアルシャインはリュカシオンとフィナアリスを抱き締めた。
深夜。
窓の外を見ながらアルシャインは祈った。
その子供達が、どうか生きていますように…絶望しませんように、と。
この手で守る事は叶わないかもしれないけれど、その分…他の孤児達を助けたい。
〈孤児院も訪ねてみたいわ…〉
そう強く思う。
今まで孤児院も教会もよく訪れてきた。
酷い孤児院だと子供を飢えさせて放置したり、暴力で支配して働かせたりもする。
この国ではどうだろうか?
まだ部屋に余裕はあるから、見付けた孤児はこの館に招き入れようと改めて決意した。
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