デルモニア紀行

富浦伝十郎

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帝都デリドール

接敵するゴブリン

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 入り口前に屯する三人は揃って長身で 見るからに頑強な印象だ。
たとえ身一つであったとしても一般人ならば容易く制圧できるのは確かだろう。
それが全員揃って帯刀している。  威嚇効果としては十分だ。
自分達でもそれが分かっているからだろう。 傲岸な雰囲気を纏っている。
”警戒” や ”恐怖” は感じられない。


 俺は物陰を出ると三人のいる方へ向かって歩きだした。
気配を消しているせいか警備騎士の恰好をしているのに三人とも俺に気付かない。

「おい」
剣を振れば届く距離まで近付いて声を掛けた。
「お前らこんな時間に何をしている」
”職質” ってやつだな。

「うお!」
「えっ?」
「な 何?」
俺に気付いた三人が一様に驚愕の声を上げる。 ( 使えんな こいつら )
「何をしているのか、と訊いている」
”お上の威厳”を漂わせてみた。


「何だこのチビ!」
「ビックリさせやがって」
「見回り風情が偉そうに!」
・・・ダメだ。 逆切れしてやがる。


 市中警備騎士は末端とはいえ”公権力”の執行者だ。
接触時の対応はそれなりの”マニュアル”がある筈なのだが。
そもそも何を置いても "中" に報告するのがこいつ等の "仕事" じゃないのか。


「ココを何処だか知らねぇのか」
「チビが一人でイキってんじゃねぇ」
「命がある内にとっとと失せやがれ」
面当てでゴブリンとは分からない筈だが体格が小さいのと一人なので脅しに来る。
( いきなり切り掛かって来ないだけマシなのか? )


「・・話にならんな。 お前達三人共詰所まで来い。 取り調べる」
俺は三人其々を指差して言う。
「逃げられると思うなよw」
今はタンクではないが "挑発" の真似事をしてみた。


「・・誰が!」
挑発に乗ったのか、一番デカい奴が殴り掛かって来た。 ( ノロい )
ゴブリンサマー!!
拳を振り上げたそいつの顎を サマーソルトキックで蹴り抜いた。
KF ナックルファイターで頻用していた俺の十八番だ。
着地するなり仰け反った相手の無防備な腹に中段蹴りを叩き込む。
KFの遥か以前の3D格ゲーのカンフーキャラのコンビネーション。
"く" の字の姿勢になって前に下がった相手の頭に大きく振りかぶった踵落とし。
鈍い音と共に地に伏した相手はピクリとも動かない。 ( やり過ぎたか?)
やがて身体は消え、装備だけが地面に残された。


「て、てめぇ!」
残った二人の内の一人が腰の剣に手を掛けた。
「シッ!」
一歩踏み込みその手首を右手刀で打つ。 体重を乗せない速度を重視した一撃。
それでも骨の拉げる手応え 。
「セィ!」
手刀を打った右腕を引きつつ左正拳を放つ。
腰の入った上段逆突きが人中に炸裂した二人目がその場に頽れる。 ( 押忍! )
一人目と同じように身体が消えて路上に装備が並んだ。

「・・・・・!」
呆然と立ち尽くす三人目を足払いで倒す。
尻餅を着いた背後へ回り込み首と頭を押さえる。 スリーパーホールドだ 。

「動くな。声を出したら殺す」
後ろから脅し付けるがパニックに陥っているのか観念した様子が無い。
尻を付いたまま剣を抜こうとする。 仲間を呼ぼうと口を開けて息を吸った。
「ちっ」
瞬時にバックチョークに切り替えて男の気管を潰す。 ( 仕方無し )
喉から回した右手で男の後ろ髪を掴み左手を右頬から男の顎に回す。
「エヤッ!」( ヨイコハマネシナイデネ )




( ・・・結局、こうなるのか )
三人目の男も装備だけを残して消えた。
”話し合い”の余地なんて殆どなかったものな。



 NPCにも行動選択のレベル設定とかがあるのかね? 


三人の遺した装備を回収しながら 俺はそんな事を思うのだった。






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