デルモニア紀行

富浦伝十郎

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帝都デリドール

侵入するゴブリン

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 警護騎士の装備を解除して 倒した三人の内の一人の装備を身に着けた。
少し湾曲した片手剣は短めだが割と重量があり耐久性も高そうだ。
確か”ファルカタ”だったか。
切る・突く何れにも使えて室内戦闘には非常に適していると言えよう。
しかし抜き身では持たず鞘に納めた。 剣から殺気が散るからな。
”気配” を消す。
入口を入る。

 両側に扉の並ぶ長い廊下。 構成員のグループ別の居室だ。
廊下の先は食事や酒盛りの為のホールになっている。(俺は一度来てるからな)
俺は音もなく廊下を突進した。
ホールに入る。
左の食堂テーブルに3人。 右の酒場のカウンターに4人。

 止り木の4人は上機嫌だ。 良い感じに出来上がっている。
瞬く間にその背後へと移動し頭部を打ち抜いて行く。
右端の一人目は右テンプルに右フック。
隣の二人目は後頭部に左のストレート。
三人目はまた右テンプルに右フック。
左端の4人目は左テンプルに左フック。

 男達が床に倒れる前にホール反対側の食堂テーブルに向かってダッシュ。
3人の内一人が俺に気付いて立ち上がろうとしている。
椅子から腰が僅かに浮いた時点でそいつのレバーに俺の突きが炸裂した。
空手で言えば ”中段追い突き” だが距離が違う。 10m強を一気に踏み込んだ。
全般の動きを見た感じで言えば ”箭疾歩” が近いか。 
キメの形が半身・縦拳だから ”崩拳” とも云えるか。
『瞬歩崩拳』 と名付けよう。

 ”誘拐屋” のアジトでもそうだったが "疾駆" や "跳躍" スキルが付いた為もあって 
"肉弾戦" である格闘が必ずしも ”近接戦闘” とは言えなくなって来ている感じだ。
剣と鎧によるパワーバトルから閃光のようなスピードバトルへの変化。

 テーブルの上に跳び上がり腰を上げようとした残り二人の頭を蹴り抜いた。
酒が入っているから動きが鈍くて助かった。
テーブルを囲んでいた三人は席から床へと倒れるや否や装備を残して消える。
勿論俺は超スピードでそれらのアイテムを回収した。
"アイテム拾い" というスキルがあったらかなりハイレベルだと思う。


・・それじゃ、止り木で飲んでた四人の装備を回収するか!
拾い終わってカウンターの方へ向き直る俺。
一つとして倒れていない止り木の下には男達の装備が積み重なっている。

 それはいい。

 カウンターの向こう側に女が一人こちらを向いて立っているじゃないか。
天板の下にある樽からでも注いだのか泡の溢れるジョッキを二つ持っている 。
屈んでいたから見えなかったのか? 

 女給だろうか。 若い女だ。 ( こんな娘いたっけか?)


「・・・声を出すな。 出したら殺す」

他の部屋に聞こえないように低い声で命令する。
女、というより少女と言った方が良いまだ十代だろう娘は黙って頷いた。
パニックに陥ってるという感じはしない。 
寧ろ落ち着いた印象さえ感じる。



さて、どうしたものか・・・ 








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