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帝都デリドール
確認するゴブリン
しおりを挟む「先に降りて待っていろ」
二階から食堂に降りる階段で俺はガルドスを先に行かせて着替える事にした。
市街警備騎士の装備を外し、フード付マントと神金・聖銀のマスクを着ける。
大きい鎌でも持てばオペラに出て来る ”死神” みたいに見えるかもしれない。
ガルドスが一階に降りる時にはもう後ろに追い付いていた。
食堂には素っ裸の男達が15人、 大人しく膝を付いて並んで待っている。
項垂れて降りて来たガルドスに視線が集まる。
皆が同情している表情だ。 嫌われてはいないらしい。
「待たせたな!」
ガルドスをテーブル席の椅子に座らせると 俺は口を開いた。
「ガルドスを連れて来たぞ」
此処で俺の新たなコスチュームに注目が集まる。
( 盗賊一味に演説するのに警備騎士の恰好てのも如何か ってな )
「これから大事な話をする。 耳をかっぽじってよく聴け!」
床に膝立ちの一同を見渡して注目を強いる。
一人だけ椅子に座らせたガルドスを指差す。
「ガルドス。 ”俺の名前”を言ってみろ」
「・・・”アキラ” やろ?」
不貞腐れた様子もなく応えるガルドス。
「ヨシ!」
合いの手を入れる俺。
「それじゃ此処にいる手下の名前を言えるか?」
続けてガルドスに問う俺。
( ・・・どうだ? )
「何やねんな? こっちから キケ、チコ、ピオ、ラモン、セシオ・・・」
端から指差して手下の名前を呼んでいくガルドス。
( 手下の名前くらいは知ってるか・・ )
食堂にいる全員の名前を言い終わったガルドスに俺は問う。
「よし。ではキケの”出身地”を知ってるか?」
怪訝な顔をするガルドス。
「・・知らん。 てか忘れた」
「じゃあチコの出身地は?」
「・・・知らん」
「此処にいる奴で出身地が分かる奴はいるか?」
「・・・おらん」
( …やっぱりな )
「おいキケ。 お前の故郷は何処だ?」
俺は左端の手下に問い掛ける。
「あ、アズノールでさ」
( 本人は知ってるか… )
「親の名前を言ってみろ」
俺はキケに更に問う。
「親、ですかい? ・・・俺は孤児なんで・・」
( …そういう"設定"か! )
「此処に ”親の名前” を覚えてる奴はいるか ? 」
俺は部屋を見回して問う。
誰も手を挙げない。
「ガルドス。お前は?」
俺はガルドスの方を向いて尋ねた。
「・・俺も孤児や」
( やっぱりな! )
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