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帝都デリドール
説明するゴブリン
しおりを挟む今迄はこういう討伐クエストは ”成功” か ”失敗” かの何方かだった。
”皆殺し”にしてクリアするか 殺されて FAIL となるか。
今回の俺はその何方でもない ”説伏” を目指す事にした訳だが。
これは相手が ”納得” していないとダメなような気がするんだよな。
叩きのめして抵抗を諦めさせるところまでは来た。
だが 肝心なのはこれからだ。
「なあ、落ち着いて思い出してみろ」
俺はガルドスの耳元で囁く。
「俺がドアをブチ壊した時、お前はソファに座ってたよな?」
「・・せやな」
真面目な声で返すガルドス。
「何時から座っていた? 今日は部屋から出たか? 出たなら何処に行った?」
「・・・・・」
返事がない。 懸命に記憶を探っている表情。
「何処に行って何をした? いつ帰って来た? それとも出掛けてないのか?」
「お 俺は・・・」
頭を抱えて呻くガルドス。
「手下達はお前が連れて来たのか? それとも集まって来たのか?」
俺も もう大声で詰問するというより ガルドスの耳元で呟いている感じだ。
「・・・何でや!」
ガルドスが苦し気に叫ぶ。
「俺は・・ ワシはココの ”頭” なのに ! 」
「イイんだよ。 ガルドス」
蹲って呻くガルドスの背中を摩ってやりながら声を掛ける俺。
「ボケちまった訳じゃないんだ」
周囲の手下達に向かって言う。
「お前達だってそうだろう。 俺が来る前の事は憶えていない筈だ」
「・・・・」
全員がしゅん、とした表情で俯いている。
「俺だって同じなんだ」
自分を指しながらガルドスに言う。
「気が付くとデリドールの東の荒野にいた。 ・・その前の事は思い出せん」
ガルドスと手下達が 『へー そうなんだー』 という顔で聞いている。
「分るのは自分の名前と出自、それと ”役割” だけ ってな 」
ガルドスが頷いている。
「お前が ”ポンコツ” って訳じゃないんだ。 安心しろ 」
手下の男達もウンウンと頷いている。
「・・だが 俺とお前達では決定的に違う事がある」
「”強さ” が、か? 」
ガルドスが尋ねる。
「違う。俺は天界 から来たと言ったろう。 天界の事情を知ってるんだよ 」
( これはクエストの逸脱、てレベルじゃ済まないかもな )
「良く聞け。 これから天界がお前達を作った理由を教えてやる」
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