デルモニア紀行

富浦伝十郎

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帝都デリドール

会長訓話

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 FQファイナルクエスト には所謂 ”冒険者ギルド” という組織は存在しない。
( ギルドは剣術・弓術など各武術、或は鍛冶・服飾などの生産職毎に存在する )
”転生系RPG” のようなものがあれば先ず一番に駆け込んで登録し、”Fランク”
辺りから始めることになるのだろうが、 FQでは各プレヤーはそもそもの最初から”冒険者”的な立場に置かれているのだ。
NPCの冒険者(冒険者であるNPC)は存在しない。
FQでは基本、NPCは全て一般市民か軍人か、盗賊だ。 

・・・俺は其処に目を付けた訳だが。
( ”カード” とかはどーする ? )
小説とかには良く”冒険者カード” なるものが出て来るものだけども。
( この世界は ”新しい物” を創造するのが難しいんだよな )
まあ  FQ既存のギルドにだってカードなんて無いんだから別にいいか !



「・・皆の適性を見て仕事を割り振るのは支部長のお前だぞ、ガルドス 」
「了解です会長」
「それから皆をもっと鍛え(訓練し)ろ。 今は弱すぎる」
「どうもすんません」
ガルドスが頭を下げる。
「 一口に ”採集” と言っても価値の高いモノは危険な場所にある事が多いからな」
「尤もです」
「 ”護衛” にしたって他所の盗賊達にやられたりしたら”仕事”が来なくなるぞ」
「・・・・」
「 いいか、 組合の看板に泥を塗るオレのメンツを潰すようなことはするなよ?」
ちょっと ”威圧” を乗せる。
「分かりましたっっ」
ガルドスの頭がもっと下がる。

「熟せる依頼は確実に熟せ。 そして無理目な依頼は一旦預かるんだ」
「はい会長」
「そういうのは俺に回せ・・・・
「会長自ら? お仕事を?」
組合員達も意外そうな顔で俺を見る。
「おうよ! 俺も働くぜ。 お前らじゃ出来そうもない、って仕事はな!」
どよめきが起きる。
俺はまたガルドスの背中をポンポンと叩いた。

「もっと気を楽にしろ。 俺は難しい事を無理強いしてる訳じゃない。
 難しい依頼を安請け合いするな、と言ってるだけだからな。
 極端な話、仕事は(し)なくたっていんだ 」

 FQ世界では飲食は ”必須” ではない。  無一文でも ”餓死” することは無いのだ。

「肝心なことはお前達が ”盗賊” をやめて "冒険者" になった、てことだ。
 お前等は盗賊を狩る側になったんだ。 それを頭に叩き込め。
 盗賊紛いの事をした奴は俺のスキルポイントにしてやるからな。
 ガルドス。 お前もしっかり見とけよ!」
背中をバン!と叩く。

「はは~っ! …ポイント?」
( 分からんよなw )
俺はガルドスの頭を軽く叩く。
「俺の ”コヤシ” にする ってことだよ!  "悪人"を倒すと位階が上がるんだ。
 最初はそのつもりで此処に来たんだからな」
「・・・・」
沈黙する一同。

「分かりました。 …いいかお前等! 悪さをしたら会長の”コヤシ”だからな!」
( イイぞ ガルドス! )
「「「了解っす 支部長!」」」
皆が一斉に返事する。


「よ~し。 大体分かってくれたみたいだな」
俺はテーブルから降りた。
「今、俺の話を聞いた者、 此処にいるお前等は第一支部の幹部だ」
浮き立つ男達を手で制して階段の登り口を指差す。


「それじゃあ早速 ”特訓” だ。 2階に上がれ 」






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