デルモニア紀行

富浦伝十郎

文字の大きさ
67 / 160
帝都デリドール

ゴブリンの教練

しおりを挟む


 ガルドスはともかく他の連中は殆どが雑魚レベルだったからな。
ランクで言えばFレベル。 ”討伐” や "護衛" の依頼を任せる事はできない。
名目だけでも冒険者組合となって堅気として地味に暮らしてくれてもいいのだが、
それなりの中身が伴なうようになれば何かと俺の役に立つかもしれない訳で。
NPCの強化(レベルアップ)についても検証して取り組んでみようと思ったのだ。

    ( NPCを強化すアゲる事は果たして可能なのか? )

 俺はガルドスと食堂にいた15人を2階の修練場? みたいな処に集めた。
「さっきも言ったがお前達は弱い。もっと強くなって貰わんといかん」
ガルドスに向かって諭す。
「"支部長" のお前でも狼3匹くらいまでが精々だろう。 5匹は苦しい」
「確かに」
ガルドスが頷く。
「護衛や討伐の仕事の度にいつも全員で出掛ける訳にはいかないからな!」
「・・・・」
皆黙って聞いている。

「だからこれから ”鍛錬” を行う。 途中でヘバる奴は引っぱたくぞ」 
「はい会長!」
ガルドスが率先して返事をした。 組合員達も指示待ちの姿勢だ。

「いい返事だ。ガルドス」
俺はガルドスを褒めて剣(ファルカタ)を抜いた。

「お前らも指示を受けたら即返事!!」
剣先を組合員達に巡らせて気合を入れる。
「「「 はい会長!! 」」」
皆の声が修練場に響く。

    ( ちょっとイイ感じになって来たか? )


 ・・・戦闘技術がどうこういう前に ”組織としての統率” が重要かもしれないな。
冒険者  てのは兵隊と違って各人が自由にやる、というイメージがあるけれども
こいつらは皆、元々はガルドスの手下だった訳だしな。
この支部の冒険者組合はちょっと ”軍隊的” に仕上げても良いかもしれない。
・・・そんな考えが俺の頭に浮かんだ。


    ( 修練、というより "教練" だな ! )


「よーし、お前ら、俺の前にガルドスを右先頭にして二列に並べ! 」
俺は大声で命令する。
「ガルドス、お前が基準だ。 俺の前に立ったらビシッと動くな!」
「はい会長!」
ガルドスが俺に正対して ”気を付け” の姿勢を取った。
て 組合員達がその後ろにぞろぞろと列を作る。

「整列は素早く! グダグダするな!」 
「「「はい会長!!」」」
元気な返事が返って来る。
( ・・・・ )


「いいか、これが ”二列縦隊” だ。 覚えろ」
「「「はい会長!!」」」
「俺が 『二列縦隊!』 と言ったらサッとこういう風に整列しろ」
「「「はい会長!!」」」
「『何をどうしろ』というのは”指示”だがこういうのは”号令”という」
俺は並んだ組合員達に説明する。
「号令を聞いたら "返事" はしなくていい。  素早く動け。分かったか?」
「「「はい会長!!」」」

「よ~し」
( ホントに分かったか試してやるぞw )
俺はその場で ”回れ右” をした。

「二列縦隊!」
高らかに号令を発する。
ゴブリン軍曹の ”地獄の教練” が始まった。









しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

還暦の性 若い彼との恋愛模様

MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。 そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。 その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。 全7話

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

三十年後に届いた白い手紙

RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。 彼は最後まで、何も語らなかった。 その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。 戴冠舞踏会の夜。 公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。 それは復讐でも、告発でもない。 三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、 「渡されなかった約束」のための手紙だった。 沈黙のまま命を捨てた男と、 三十年、ただ待ち続けた女。 そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。 これは、 遅れて届いた手紙が、 人生と運命を静かに書き換えていく物語。

処理中です...