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グリュン大森林
天界のヨーコ
しおりを挟む「な・・・・・・っ 」
驚いたと言えば確かに驚かされたのだが、一方で"腑に落ちた"と思う所もある。
ヨーコにはFQ世界に不慣れ などころか 寧ろ"事情通"といった趣があったものな。
明がスマホをTFに預けたのが3月初旬。 俺が進藤と会ったのが6月中旬。
あれから更に(リアルでは)月日が経っている筈だ。
・・・その間ヨーコは何処にいたのか?
決まっている。
オレを造ったのと同じ処だ。
"企画開発室" と言ったらデルモニアの地を這う身からすれば正に "天上界" だ。
神々の世界。 ( 俺はその至高聖所で主神から頭を下げて貰った訳だが )
「・・開発室のオフィスは一部VR化されておりまして」
ヨーコが説明を続ける。
「私は其処で暫く勤めさせて頂いたのです」
3DVR空間でのモトセンソリフィッティングというやつだろう。
ヨーコがスマホの中で動かしていたのはほぼ "口だけ" だったからな。
( "表情筋" の動きも乏しい設定だった訳だしww )
「マスター?」
我に返るとヨーコがジト目で睨んでいた。
いかん。 フィールドでもそうだが、俺はつい妄想が暴走する傾向がある。
( 御姫様にもキモいと云われたっけ )
「あスマン。 其処で人間らしく振る舞えるようになった、と」
「はい。 主に "身体的" に、ですが」
(?)
「身体的な適応が目的だった訳だろ?」
「彼方の皆様の仰るには私はエージェントとしても通常とは異なるそうで」
( アッ それは… )
「端的に申しますと ”人間味” に欠けるとか」
・・・・
「皆様のエージェントとは設定が大部異なっているようでした」
・・・・
「(FQ開発の)奴等を此処に呼んで来い」
俺は呻くように言った。 ウチのヨーコに何てコトを言いやがる。
「お前の設定は初期状態に近いんだぞ。一部を抑制しただけで」
( 同級生のエージェントとか喧しいったらないからな!)
「ゲーム屋共のセンスがおかしいんだ。 文句はスマホ部門の開発に言えって」
ヨーコが其処で笑みを浮かべた。
「スマホ部門の皆様には大変好評を頂きました」
「?」
「 FQへのアシスタント実装にあたりスマホ部門から支援にいらしていたスタッフ様だけは当初から私のことを非常に高く評価して下さいまして。
エージェント開発部門の皆様が大勢 私のVRオフィスを訪れて下さったのです 」
言わばヨーコの ”生みの親” の方々だ。
VRオフィスでヨーコと過ごした彼等は口を揃えて言ったらしい。
『一緒に働きたい!』 と
そしてFQ開発スタッフ達のエージェントを評してこう言った。
『こんなのと仕事ができるか!』と
しかし世間一般ではゲームチームの盛り盛りセッティングが主流な訳で。
”商売” の為にそういう設定を可能にしたのはスマホチーム自身でもある。
FQチームも全員TFエージェント使用者なのでスマホ側に頭が上がらない。
しかしエージェントをVR環境内で活動させるにはFQの技術が欠かせない。
結局、両部門は仲良くなって交流が深まった。
その結果生まれたのが ”バーチャルスタッフ” だ。
あの、三度目のドームにいたお姉さんが正にそうなのだという。
VRの社長室に紅茶 と お菓子を持って来た彼女はヨーコの後輩だったのだ。
・・・リアルの世界にもVRは浸透して来ているんだな。
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