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赤土帯
ウインドブレード
しおりを挟むなんだかんだで二日目も忙しかった。 気が付くともう日が沈もうとしている。
この辺りの気候では凍える心配はないが、この赤土の上で裸で休むというのもな。
俺は先にヨーコが提示したストーンショット零式の応用を試すことにした。
「ヨーコ、ちょっといいか」
20m先のヨーコに呼び掛ける。
「なんでしょうか?」
丁度ウインドブレード(WB) の実射訓練の為に距離を取って向い合ったばかりだ。
「ちょっと来てくれ。 WBの修練の前に頼みたい事ができた」
言い終わった時にはもうヨーコは目の前にいた。
「伺いましょう!」
何だか張り切っている。
最近のヨーコは用事を頼んだ時の反応が良い。
「実はな・・・」
AIである彼女は物体の形状を数式化することが出来る。
ストーンショットの石弾を紡錘形にしてワームの体に埋めていたのを見て知った。
「・・・を出してくれるか?」
「はい只今!」
ズン!
という音と共に俺達の目の前に巨大な半球状の岩塊が出現した。 直径は4m。
( 言っておくが俺だって半球の方程式くらいは書ける )
SS零式の岩塊のサイズを拡大・変形したものだ。
体積は10倍以上。当然密度は1/10 以下だ。 材質はかなり脆い筈。
「如何でしょうか」
ヨーコがややドヤ顔で訊いて来る。
「バッチリだ!」
ストーンショットの石弾が形態指定可能なのを知ったのは前述の理由からだが
イメージされた形状の数式化を補助してくれる機能もあるらしい。
当然だが記述容量には制限があり複雑な形状は指定できない。
SSでフィギュアを量産することはできないのだ。
「ウインドブレード!」
半球形の岩塊の下部を狙ってWBを放つ。
シュガッ!
切削音と共に表層に水平の傷が付いた。
幅が20㎝、深さは10㎝ くらい。 正に飛ぶ斬撃だ。
密度が1/10とはいえ岩塊にこれだけの傷が付くなら人の首など一溜りもない。
純粋に ”切る” 効果のみでノックバックは無し。
しかも殆ど視認できない。
これはヤバい。
「この辺りにこのくらい、いや,径1mの穴を開けるぞ」
岩塊についた傷を示してヨーコに説明する。
「俺が奥へ掘り進むからヨーコは縁の形を整えてくれ」
「了解!」
俺の意図を汲んでヨーコが頷く。
WBを撃ち合う訓練でスペルをマスターするつもりだったが予定変更だ。
この半球形の岩塊を掘り削って "家" を作ってやる。
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