人探し探偵

第四話

撃退

「こうなったら、やるしかねぇ。」
俺がそう言うと、裕貴は大和の手を引き社長室の中央へと行かせた。
「大和さんは危ないので、下がっててください。」
裕貴が大和に言っているのが聞こえた。
俺は部屋の出口の方まで突進し、俺に向かって発砲してきた奴の顔面に蹴りを入れてやった。
その時、社長室の外の廊下にも何人か警備員がいることに気がついた。
まあ良い、全員ぶっ飛ばしてやる。
俺と裕貴は社長室の廊下に出た。
俺は自慢の右ストレートを武器に、次々となぎ倒していった。
一方で裕貴は、合気道？とかいうやつで鮮やかに倒していく。
思っていたよりもあっさりと片付いた。
拳銃を持っていたのは、一人だけだったようだ。
廊下に気絶した警備員たちを残したまま、俺たちは社長室に戻った。
社長室では、社長と大和が睨み合っていた。
「さて、詳しい話を聞かせてもらいましょうか。」
「まさか、警備員が全員やられたのか。」
俺は社長のそばまで行き、少し威圧するように言った。
「梶さんはどこにいる？」
「知らない。」
「知らないだと。」
俺はさっきこっそり警備員から取った拳銃を、社長に向けた。
「お前が梶さんと関わりがあることは知っているんだ。梶さんの身に何があって、今どこにいるのか、ちゃんと説明しろ。」
「・・・。」
俺は拳銃の引き金に指をかけた。
そして、安全装置を外した。
「わかった。言うから、撃たないでくれ。」
「早く言え。」
「あの女はこの会社の存在に気がついていた。あの会社を乗っ取ろうとしていることも。行動を起こすことはなかったが、あの社長に勘づかれるのも時間の問題だと思った。だから、あの女に社長から離れるように言ったんだ。」
「それであっさり離れていったのか？そんなわけないだろう。脅迫の材料はなんだ？」
「それを聞いてどうするんだ？」
「それはお前が知る必要はない。言え。」
俺は銃口をさらに近づけた。
「社長を殺す。そう言ったらいちころだったよ。あの社長の弟はもう俺が買収している。だから、社長が死ねば弟が社長になり、あの会社はこつちの物。」
「ふむふむ。大体は理解した。で、肝心の本人はどこに居るんだよ。」
「わからない。でも、たぶん実家に帰るとか言ってた気がする。」
「よし依頼完了だな。」