しずくの旅路

しろがね白昼夢

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18強面で止めて

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 強面メガネは信用するな、私は数時間前の自分に伝えたい…
 今、私の眼の前にうず高く積まれたファイル達、1冊でも辞書程の厚さがあるそれが机の上に数えただけでも20冊ある…全部今から私がする仕事のリストらしい
 
 あの後私とスコットはギルド内の事務所に通さた、バルバドロも一緒だ…なんで来るだよ
 
 中で待って居たのは金髪の可愛い女性だ、細身の体にすらっと長い手脚、肩ぐらいの緑色のリボンで纏めたツインテールが動くたびとふわりと揺れている
 可愛い!目なんかアクアマリンみたいに透き通った青色、歳は分からないがこんな可愛い人この世界で初めて会った
 この人が現ギルド会長?みえないよ?

「初めましてティア様、商会ギルド会長アイゼルと申します以後お見知り置き下さい」
 素敵なスマイルありがとう!

「さぁ、挨拶は済んだ早速仕事にかかれ」
 ギルド会長の可愛い笑顔で癒やされのもつかの間、バルバドロに言われこの山にして固まる……
 短時間でこの量を用意できる理由がない、すでに此処にあるということは、約束なんて関係なく私にこの大量の仕事をさせるつもりだったと言う事だ…
「おい!何この量!メガネ神官騙したな!」
 文句をいい横に立つバルバドロに詰め寄り胸ぐらを掴む

「私の名も忘れるとは本当に頭悪い。これはもとよりお前に課せられたノルマだ。あぁ逃げられる事が無いのは此方の喜ばしい誤算だ、言質は取ったからな。さあ今直ぐにやれ」
 彼は掴んだ私の手を払い除けいう

「そうだ、こんな事考える人だったよ…」
 ガクリと首を垂らしこれからのひと月に絶望していると、何も言わずに付いてきてくれたスコットから声がかかる

「ティアそれでは、私の仕事はこの場で終了になります。先の同行で大変学ばせて頂きました、ありがとうございました」
 彼は私に頭を下げ言った

「もうお別れなんだな、スコットとはたったひと月の付き合いだったけど色々あり過ぎて、別れがちょっと寂しいよ。こちらをこそありがとう」

「はい私も、ティア様がこの街に滞在中に是非またご一緒させて下さい」

「それは勿論!何時でも時間があったら来てね」

「スコット、急な辞令にも応じてもらって此方からも感謝する。今回の同行に関する報告は騎士団長ほうに渡す予定だ、ひと月ご苦労」
 バルバドロも彼に別れを述べた…

「はい、ありがとうございます!それでは失礼します」
 そう言い彼は部屋を出て行った
 別れは慣れているがやはり寂しいものだとしみじみ思っていたら、顔にファイルが飛んできた!慌ててそれを避ける

「ちょっと危な!ヒィっ!」
 飛んできた方を見ると、やはりバルバドロ…
 顔がとてもいい笑顔だがあの強面で笑顔、ファイルを投げられた怒りは一瞬にて恐怖へと変わった…その強面で笑顔止めて!

 暫く仕事で寝れないが、寝たらコイツの笑顔夢に出そう…
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