しずくの旅路

しろがね白昼夢

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19お前は悪魔か?

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 仕方がないが私にはこの大量の仕事を終わらせなければならない…
 これ以上は文句を言っても変わらないし時間の無駄だ、それに笑顔のメガネがこのままでは頭に角が生え般若になりそうで怖い、いや既に怖い

 バルバドロから目を逸らし眼の前に落ちているファイルを拾って開き見る、内容は大体は作物生産の仕事だ
 文字は前世とは違うが不思議と読める、言語も今まで問題無かったので、勝手に翻訳してくれてるのだろう便利な機能有難いね
 半分ぐらい簡単に読んで違和感に気付く、私は何故これを読む事が出来るのか…

 そう私に触れた物は殆ど分解され塵になるはず、何百年前に気まぐれで取った本は確か塵になって消えた、あの時は消えた本が貴重な物で大騒動になったのでよく覚えてる

 しかしこのファイルは消える事なくしっかり読むことが可能だ何故だ?
 ファイルを用意した張本人に聞いてみた
「あの、バルバドロ?何でこのファイルは私が持っても消えないの?」

「何だようやく気が付いたか、詳しくは教えられんが、そのファイルには特別な処理を施しておいた。メグロが自分で確認出来るように、私が自ら手を加えるてやったぞ喜べ」
 彼は私の反応が良かったのか、嬉しそうに言う

「はっ?何その無駄な手間は必要ないよ!」
 要らんわ!喜ぶか!普通でいいよこんな物!

「当然だ面倒な事を嫌うお前の事だ、いち早くファイルを消すはずと先手を封じたが、私の杞憂だったようだ…だが悔しがる顔が見れず残念だ」
 確か私ならやるか…私の残念な顔を見る為にそんな労力かけんなよ、ほんと無駄!

「えっ!でもその処理をすれば、おふ」

「断る」

「まだ最後まで言って無いよ!」

「お前考える事は容易に想像できる、どうせ布団に処理しろだろ?こちらになんのメリットも無い、そんな無駄な事はやらん」
 私の希望をあっさり却下する、ファイルは無駄じゃないんかい!

「お布団が貰えたら、私いま以上に頑張ってやるよ?だからお願い、お願いいたします!」

「到底無理な話しだ、お前寝る事に関しては信用しない。そんな物与えたら最後、旅さえ放棄し寝るに決まっている」
 信用問題かよ…否定出来ないけど、そこまでさぼらないよ?ちょっとだけ長い睡眠を取るだけですよ?

「そうだな、メグロがこれから一生寝ずに働く事を条件にやらない事は無いがどうする?」
 どうもしませんよ…それこそ無駄だよ、何その条件?お布団のいらない生活の為にお布団貰うって…
 お前は悪魔か?いや、悪魔の方がコイツよりきっと優しいわ
「私の夢が…」
 精神ダメージが大きいので倒れてもいい?
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