元最強魔王の手違い転生

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第33話 関係ねぇ

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「あーっ。遅えなぁ、二人とも」
 俺は行儀悪く頬杖をつき、円卓に置かれている残り僅かとなった冷めたコーヒーを眺めながらポツリと呟いた。
 俺は今、とても場違いな場所に居る。ここはメルンの武器屋『ファニーウエポン』の喫茶コーナーである。
「何でこんな所で待ち合わせしなきゃいけねぇんだよ。あぁー居心地悪ぅ」
 ピンクを基調にキャンディーを思わせるようなカラフルな店内が目をチカチカさせ、甘いバニラの香りが鼻をつく。
「本っ当、いつ来ても武器屋感ゼロだなここは。はぁーっ、しかし緊張感ねぇなぁ。この前のゴタゴタが嘘のようだ……」
 そう呟いて天井を見上げながら、俺はポムの村での出来事に思いを馳せた。

 ザガンとの死闘の後、俺達はポムの村へと戻り身体を休めた。ラリアとボルは村に着いてから程なくして目を覚まし、重傷を負っていたソーファもローサの回復魔法の甲斐あって、一命を取り留めた。
 その後は目まぐるしい日々が続いた。報告を受けてやって来た教会の連中が慌ただしく現場検証と事情聴取を行い、ボルを含めバンクビーンズを使用した村人数名を、バンクビーンズからの解呪の為、数回に分けてメルンの教会まで搬送する事となり、俺達のパーティーはその護衛役として一月近く帯同した。
 幸いにもバンクビーンズの解呪は皆成功したようで、予後の観察と更なる事情聴取の為、教会の神官が二人ほどポムの村に滞在する事となった。そして、この事件を機にその危険性が認知されたバンクビーンズは《禁忌アイテム》として教会より規制される事になり、その使用及び所持が禁止された。
 調査がひと段落し、ニコやボル達に見送られながらポムの村を後にしたのは、それから更に一月後の事であった。
ザガンを倒した事で解決したように見えた今回の事件であるが、俺の中には二つの大きな問題が燻ったままとなっていた。
 一つは《勇者特例》だ。今回の事件に《勇者特例》が利用された事は事実であり、ザガンを倒しただけではこの事件の根本的な解決にはなっていない。これを機に《勇者特例》を見直すよう、マスターが教会本部に掛け合ってくれているのだが、なかなか難航しているようである。
 そして二つ目は『ラリアの元気が無い』と言う事である。ポムの村から帰って来たラリアはどこか上の空であり、いつもの様にする馬鹿笑いも、どこか無理をしている印象がある。ザガン達との戦いで見た〝もう一人のラリア〟〝リンカー〟〝器〟、これらがラリアを悩ませている事は火を見るよりも明らかだが、その詳細を本人に聞く訳にもいかない。
 今日はそんなラリアを元気付けようと、ソーファが食事会を企画し、現在その待ち合わせの真っ只中という訳である。

「もう来てたんですか?早いですね」

 涼しげな声が背後から掛けられ、振り向くとソーファが手を振りながら佇んでいた。
「遅えよ、ソーファ。一体俺がどれだけ待ったと思ってる」
「知りませんよ。今丁度、約束の時間ぴったりじゃないですか。マオが早く来過ぎなんです。マオってアレですか、遠足の前日はソワソワして眠れないタイプですか?」
「バカ、そんな訳ねぇだろ。しっかりと寝て集合時間の3時間前には到着してるわ!」
「バカはマオですね」
「うっさいわい!あのなぁ、遅刻ってのは時間を捨ててる様なもんだぞ!勿体ないだろ!」
「無駄に早く来過ぎるのも時間を捨ててますよね?」
「ぐぬっ……」
「ところでラリアは?」
「……まだ来てねぇよ」
「そうですか……」
 ソーファがゆっくりと俺の目の前に腰掛ける。
「なあ、やっぱ変だよな?最近のラリア」
「はい、おかしいです」
「だよなぁ。言動もそうだし、今までのアイツなら飯食いに行く待ち合わせに遅れるなんて、あり得ねぇもんな」
「そうですね。寧ろ先に一人で店に入って、私達が着いた頃には既に食べ始めているのがラリアです」
「ああ。この前なんて、既に5皿はいってたからな」
「全くです。今日はマオの奢りだと言うのに。遅刻するなんて、本当に最近のラリアはおかしいです」
「おい、今何て言った?」
「?。『本当に最近のラリアはおかしい』と」
「違う。その前」
「『マオの奢り』」
「何でだよっ⁈何でさも当然に俺が奢る事になってるんだよ⁈」
「何言ってるんですか?今回の食事会、私は企画・立案をしました。あと残っている仕事は支払いだけです」
「ちょっ、おま……」
「私とマオ、二人でラリアを元気付けたいと言ったじゃないですか。私は店探しから予約までしましたよ?残りはマオの仕事です」
「くそ……はめられた」
 肩を落とす俺を見ながら、ソーファがニヤリとほくそ笑んだその時ーー

「ごめんね。ちょっと遅れちゃった」

 声のする方へと視線を向けると、こちらに向かって歩きながらニコリと微笑むラリアの姿が目に入った。その笑みは向日葵の様なかつての笑顔ではなく、どこか影があるように思えた。
「おお。来たか、ラリア。まあ座れよ」
 俺は円卓の右隣を指差しながら手招きする。
「え、でもご飯食べに行くんでしょ?」
「まあ、茶の一杯くらい飲んでゆっくりしてからでもいいじゃねぇか」
「そうですね。私も何か頼みます」
 ソーファがメニュー表を手に取り、目を走らせる。
「二人がそう言うなら……」
 そう言って、ラリアはゆっくりと俺の右隣に腰かけた。
「ラリアも何か頼みますか?」
 ソーファがラリアへメニュー表を差し出した。
「私は……別にいいかな」
 そう言って、ラリアは手渡されたメニュー表を静かにテーブルへ置いた。
「何だよ、折角だから頼めばいいのに」
「そうですよ。ほら、これなんかどうですか?新発売の『ファニークリームラテ』」
 ソーファがメニュー表を指差す。
「ありがとう。でも、あんまりお腹空いてなくて……」
「そう……ですか」
 下を向きながらそう言うラリアを見て、ソーファが静かにメニュー表から指を離した。
 数秒間の沈黙が訪れ、騒がしい店内で俺達のテーブルだけが、まるで別世界の様に重苦しい雰囲気に包まれていた。
「あーっ!」
 俺は声を張りながら態とらしく身体を仰け反らせながら、背もたれにもたれかかった。唐突な俺の行動に二人の視線が俺へと集まる。一度天井を仰いだ後、身体を起こした俺はラリアの目を見つめ、彼女を指差しながら口を開いた。
「俺は気の利いた言い回しなんて出来ねぇから、率直に言うぞ。〝関係ねぇからな〟」
「?。何よ、突然?」
「俺達にとって、お前が何者だろうと、そんなん関係ねぇ。ラリアはラリアだ」
「マオ……」
「〝リンカー〟だろうが〝器〟だろうが、なんだっていいさ。そんなもんは、お前を否定する理由にはならねぇよ。ソーファも言っていただろう。『前世はラリアの過去じゃない』と。『俺達はどこまでも一緒に歩く』と」
「そうですよ。ラリアには私達がいます」
 ソーファが力強くそう言った。
「逆に聞くぜ。ラリアは俺達の前世なんて気にしねぇだろ?」
「それは、そうだけど……」
「だろ?例えば俺の前世が『伝説の下着泥棒』だったとしても、お前らは変わらず俺と接してくれるだろ?」
「え、いや、それはドン引きです。近寄らないで、いや、金輪際視界に入らないでください」
ソーファがゴミ虫を見るような目を俺に向けた。
「何でだよ⁈今、そう言う話をしてるんじゃねーの⁈」
「してないですよ!折角、いい話の雰囲気になっていたのに!バカですか?やっぱりマオはバカなのですか?あ、ラリアは前世が下着泥棒でも構いませんよ。マオとは絶交ですけど」
「何でだよ⁈酷くね⁈贔屓じゃね⁈」
「贔屓じゃないですよ。当然の事を言ったまでです」
「『当然の事』って何だよ!じゃあ何か⁈俺はダメでもラリアはいいってのか⁈納得できるかバカ野郎!」
「人にバカって言う方がバカなんですよ」

「アハハハハ!もう二人ともバカみたいに、あー可笑しい」

 ギャアギャアと騒ぎ立てる俺とソーファのやり取りをラリアの黄色い笑い声がかき消した。久々に見たラリアの大口を開けて笑う姿に俺とソーファは安堵の表情を浮かべた。
「あー、私ね……」
 一頻り笑った後、ラリアがゆっくりと口を開く。
「最近〝夢〟を見るの」
「〝夢〟ですか?」
「ガルンが言ってた〝前世を夢で見る〟ってやつか」
 俺の言葉にラリアは小さくコクリと頷き、続ける。
「夢の中の私はね、何時も子供を追いかけてるの。恐怖に怯え、必死で逃げ惑う子供をね。私の手は岩のようにゴツゴツした魔物の様な手をしてるんだけど、その手でね、子供の頭を握り潰すの。何時もそこで目が覚める」
「……」
「……」
 絞り出す様な声で話すラリアを俺とソーファは静かに見守る。
「ガルンとの戦いの中で、〝私じゃない私〟が出てきたでしょ?多分あれが、前世の力だと思うの。あの時はマオの声で戻ってこれたけど、これから先も同じ様に戻ってこれるかは分からない。もしかしたら、夢の様に前世の私がマオやソーファを殺すかもしれない。そう思うと、私怖くて……」
 ラリアが俯き、声を震わせる。
「こんな私でも仲間として一緒に歩いて貰えるの?」
 その言葉を聞くや否や、俺とソーファはまるで示し合わせたかの様に、二人揃ってラリアの頭に手刀を叩き込んだ。
「痛ったぁあ⁈え、ちょっ、何すんのよ⁈」
 ラリアが頭を抑えながら俺とソーファを交互に見やった。そんな彼女へ俺は鼻から勢いよく息を吐きながら告げた。
「だから言ってるだろ、関係ねぇって!」
「そうですよラリア。また変なこと言ったら、次はグーで行きますよ」
 呆気にとられた様な表情のラリアに俺は続けた。
「誰が何と言おうと俺達の勇者はお前だ、ラリア。もうちっと俺達を信用しろよ。それとも何か?俺とソーファは信用できねぇか?」
「そんな事ない!」
「だったら信じろよ、自分の仲間を。例え、お前の前世とやらが出てきたとしても、そいつをぶん殴ってお前を迎えに行ってやる。なあ、ソーファ?」
「はい、その通りです!」
 ソーファがキレのあるガッツポーズを披露しながら、ハッキリと応えた。
「二人とも……ありがとう」
 ラリアがニコリと満面の笑みを浮かべた。久々に見せた、その向日葵の様な笑顔は俺達の言葉に対する最高の返事であった。
「あーっ、やっぱりお腹空いてきちゃった!」
 そう言って、ラリアはテーブルに置いてあるメニュー表を掻っ攫っう様な勢いで拾い上げた。
「スゲー勢いだな、おい。まさか、また飯の前に〝肉うどん〟とか言うんじゃねーだろうな?」
「え?何で分かったの?」
「頼むんかいっ!」
 久しぶりにラリアへとツッコミを入れたその時、ドカドカと地鳴りの様な足音と共に背後から聞き慣れた声が響いた。

「おお!よかった!やっと見つけたぞ!」

 背後を振り返ると、そこには汗だくになり肩で息をするマスターの姿があった。
「お前ら、今すぐにギルドに来てくれ!」
「え~、今から?私、これから肉うどん食べるところなんだけど」
「そんなん、オレが後から好きなだけ食わせてやるよ!とにかく来てくれ!」
「何だよマスター?エラく焦ってるじゃねぇか。一体何があった?」
「お前らに客が来てる」
「客?一体誰が?」
「ネロス・マーギン」
 その名を聞いた瞬間、ラリアとソーファが勢いよく立ち上がり、驚愕の表情を浮かべながらマスターの顔を覗き込む様に見た。息を切らせながらマスターが続ける。
「神殿長ネロス・マーギンがお前らを訪ねて、ギルドに来てるんだよ!」
「あ?誰、それ?」
 耳をほじくりながら素朴な疑問を口にした俺に向けて、三人が同時に言葉を発した。

「「「はぁぁぁあ⁈」」」
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