元最強魔王の手違い転生

タカナ

文字の大きさ
46 / 50

第46話 攻略法

しおりを挟む
「攻略法⁈」
「何ですか⁈それ⁈」
 ラリアとソーファが声を張り上げ、まじまじと俺を見つめた。
「声がデケェよ。攻略法っつうか、〝楽に勝てる方法〟だな」
「それを人は攻略法って呼ぶのよ!」
「勿体ぶらないで、早く教えて下さい!」
「そう怒鳴るなって。ただ、攻略法を実践するには幾つかの条件をクリアしなきゃならないんだよ。さぁてと……まず、第一の条件から確認するか」
 俺はチャコから受け取った森の地図を両手で広げ、魔力を注ぎ込んだ。それと同時に、地図上に小さな淡い青色の光が浮かび上がる。
「おお!地図が光った!この青い光が私達が今居る場所って事かしら?」
「だとしたら、私達が今居るのは森の北西部辺りですね。ゴールにはわりかし近い様ですが、最下位のままゴールに近くても、あまり意味は無さそうですね……」
「いや、これでいい。オッケー、第一条件はクリアだ」
 ニヤリと笑う俺をラリアとソーファが首を傾げながら見つめた。
「ちょっと言ってる意味が分からないんだけど?」
「一人だけ納得されても不愉快です。殴りますよ?」
 頬を膨らませながらソーファが拳を構える。
「わーかったよ!分かったから、その物騒な拳を仕舞え!いいか、攻略法の第一条件、それは『初期配置がゴールに近い事』だ」
「たったそれだけ?」
「勿体ぶった割にはショボイ答えです」
「いや、ここが一番の肝だ。最初に森の何処に転送されるかは、完全なランダム。こればかりは、運否天賦だったが、ラッキーだったな。正直、森の南側に転送されていたらこの攻略法は成り立たなかった。よし、ここからは時間との勝負だ。全速力でゴールを目指すぞ!」
 そう言って、俺は地図を片手にゴールを目指して駆け出した。
「え?ちょっと、待ってよ!」
「まだ説明が全部終わってませんよ!」
 唐突に走り出した俺に面食らいながら、二人が後に続き走り出す。
「時間との勝負だって言っただろ?残りの説明はゴールに辿り着いてからだ。あとな、万が一他のパーティーと接触した時は戦闘せずに逃げるぞ。時間無いからな」
「はぁ?私、逃げるなんて嫌よ!この勇者ラリアが敵前逃亡なんてありえないから!」
「もし、これで勝てなかったら千光烈花をお見舞いします」
「はいはい、ほら、急ぐぞ」
 ブツクサと不満をたれる二人を従えながら、俺は森の木々を掻き分け、力強く地面を蹴った。


 走り始めて一時間といったところか。鬱蒼茂る樹々が行手を阻む暗い森を抜けると、陽の光に照らされ、金色に輝く千草が辺り一面に広がる開けた場所が目の前に広がっていた。
 そして、その視線の先には、玉虫色の光を放つ大きな鳥居が厳かに鎮座していた。
「おっ、あれだな」
 俺は鳥居に駆け寄り、そっと手を触れた。柱から人肌程の温もりと共に大量の魔力が感じられる。
「オッケー。ここがゴールで間違い無さそうだな。魔力の感じも……よし、これならいけそうだ。他の条件も全て満たしてる」
「ちょっと、ちゃんと説明しなさいよ。自分一人だけ納得して。私もそろそろ怒るわよ」
 ラリアがジト目で俺を睨みつける。
「あ!私、分かりました!」
 ソーファが目を輝かせながら、意気揚々と手を上げた。
「ゴールで待ち伏せするんですよ!ほら、PPを集めた後、どのパーティーも必ずここに来るじゃないですか!だから、ここで罠でも張って待ち伏せすれば、普通にPPを集めて回るよりも手間が省けるって算法って事ですね!」
「いや、全然違うけど……」
「え?」
「いや、全然違う」
「に、二回言わないでください……」
「今、完全に当てに行って外したわね、ソーファ」
「うぅー、ラリアまで酷いです」
 顔を両手で覆いながら、しゃがみ込むソーファ。そんな彼女を他所に、ラリアが真面目な顔付きで口を開く。
「それで?本当にこれからどうするのよ?」
「そりぁ、お前。ゴールに着いてする事と言ったら、一つだけだろ」
「まさか、〝このままゴールする〟なんて言わないでわよね?」
「はい、正解」
「はぁぁ⁈マオ、正気なの⁈このままゴールなんかしたら、私達の獲得PPは200ポイントになるじゃない⁈そんな低いポイント、予選敗退確定じゃ……」

「おい、何だ⁈先客かよ!」

 ラリアの話を遮る様にして、野太い声が辺りに響く。声の方へと視線を向けると、其処には二人の男が佇んでいた。
 鍛え上げられた上半身を見せつけるかの様に剥き出しにして、鉄鋼を嵌めたモヒカン頭の厳つい男と、長剣を斜めに背中に背負っている白いマントに身を包んだ長髪つり目の男である。
 二人の頭上には白金に輝く光の玉が浮かんでいる。
「マオ、あの二人組……」
「ああ。あの光方を見ると、二人ともプラチナクラスだな」
 ヒソヒソと話す俺達を見ながら、モヒカン男が豪快に口を開いた。
「お前達もゴールでの待ち伏せを狙ってるのか⁈皆、考えることは同じだな!」
 高らかに笑うモヒカン男。そんな彼を一瞥した後、俺はソーファへと視線を向ける。
「ソーファ。お前の思考回路、あの筋肉モヒカンと同じだな」
「……もう、それ以上言わないでください」
 更に小さく背中を丸めるソーファ。
「おい、貴様ら」
 長髪つり目の男が背中の長剣を抜き、その鋒を俺達へと向けた。
「貴様らシルバークラスとゴールドクラスの駆け出しパーティーだな。見ての通り、オレ達は二人ともプラチナクラスだ。悪いことは言わん。大人しくチョーカーペンダントを置いていけ。今なら半殺しで勘弁してやる」
「そうそう。半殺し、半殺し」
 モヒカン男が嬉しそうに笑いながら、指の関節をポキリと鳴らした。
「舐めないで欲しいわね。そんなみっともない真似するわけないでしょう!」
「そうです。クラスなど関係ありません。叩き潰します」
 ラリアが剣の柄に手を掛けると同時に、ソーファが両拳を握り臨戦態勢をとる。
「何だ、やるのか?」
「ガハハ!面白い!」
 周囲に重い空気が張り詰め、ぶつかり合う殺気が空を弾き、ビリビリと痺れるような感覚が身体を襲う。
 緊張感が最高潮に達し、両陣営が一歩目を踏み出そうとしたその時ーー

「あ、ちょっと待った」

 まるで第三者の発言の様に、俺は緊張感無く両者に向けて声を掛けた。
 その場にそぐわない言葉に、俺以外の全員が眉をひそめ、興醒め顔で俺へと視線を向けた。
「ちょっとマオ、何よ⁈まさかこの期に及んで〝戦うな〟とか言わないわよね⁈」
「そのまさかだよ。最初に言ったろ?〝他のパーティーと遭遇しても逃げろ〟って」
「たからって、この状況で……」
「一次試験、突破してぇんだろ?ほら、とっととゴールするぞ」
「……分かったわよ」
 そう言って、ラリアはゆっくりと剣を収めた。眉間に力を込め、目を伏せるその表情から、彼女が本気で悔しがっている様が見て取れる。
 そんなラリアを見ながら、長髪つり目の男は薄ら笑いを浮かべた。
「何だ、敵前逃亡か?まあ、それも致し方あるまい。強者の前で弱者が逃げる事は、生存本能。別に恥じる事はない。だが、勇者としては失格だな。強者の前で尻尾を巻いて逃げる勇者など、弱者を通り越して最早ただの腰抜けだ」
「ガハハハ!腰抜け!腰抜け!」
 モヒカン男が見下す様に笑い、長髪つり目の男が軽蔑の眼差しを向けながら続ける。
「とっとと去れ。貴様らの様な腰抜け勇者、視界に入れるだけでも虫唾が走る。そのチョーカーペンダントはくれてやる。精々後生大事にするといい。グランドフェスの予選に出た記念としてな」
「マオ。私、もう我慢できない」
「私もです。あんなに馬鹿にされて……」
 俯き、拳を震わせるラリアとソーファ。
「我慢しろ。ほら、ゴールするぞ」
 そう言って俺は早速さと鳥居を潜り抜けた。俺が鳥居を抜けた事で観念したのか、ラリアとソーファも重い足取りで下を向きながら鳥居を潜る。
 三人が鳥居を抜けた瞬間、各々のチョーカーペンダントが白く輝き始め、それと同時にチャコの声がまるでスピーカーから流れるように、鳥居の神額から響き渡る。

「はーい!ただ今、ラリア、マオ、ソーファパーティーのゴールを確認。獲得PPは200ポイントでーす!」

 それを聞いた長髪つり目男とモヒカン男が高らかに笑い出す。
「たった200ポイントでゴールするとは!本当に貴様ら腰抜けだな!」
「態々、自分達から負けてくれるなんて、お人好しにも程があるぜ!」

「いいや。これで俺達の勝ちだ」

 唐突な俺の言葉に、二人の男達はポカンとした表情を浮かべる。
「はぁ?お前、何言ってんだ?高々200ポイントごときで、何を偉そうに」
「そうだ、〝勝ち〟じゃなくて〝負け〟だろうが!」
 鼻息荒く口を開く二人に向けて、俺はニヤリと笑って見せた。
「お前らさぁ。この一時予選、何故〝制限時間が非公開〟だと思う?」
「何故って、そういうルールだからだろ?」
「バーカ。そこに疑問を持たない時点で、お前らもう付いて来れてねぇんだよ」
「はぁ?」
「考えてもみろ。この手の試合内容で、制限時間が非公開なんておかしいだろ?もし、制限時間が一分だったとしてみろ。ポイントの奪い合いなんて関係なくなるだろ」
「だからどうした?」
「鈍い奴らだな。この試合は〝ポイントを奪う以外にも勝ち方がある〟って事だ」
「何だと?」
「お前ら、この一時予選の勝利内容言ってみな」
「はぁ?そりゃ、一番多くPPを稼いだパーティーの勝ちだろ?」
「違うな」
「あ?」
「この一次予選では〝ゴールしたパーティーの中で最も多くのPPを所持している者〟が勝者だ」
「一体、何が言いたい?」
「つまり、何億ポイント稼ごうがゴールを潜られなければポイントの獲得には繋がらないってこと。そこでだ。この状況で、今から俺がこのゴールを〝ぶっ壊したら〟どうなると思う?」
 俺の言葉を聞いた男達の顔がみるみる青ざめていく。
「ま、まさかお前!」
「や、止めろ!」
 そう叫んで、ゴールへと向かい駆け出す二人の男達。そんな彼等に俺は意地の悪い笑みを送った。
「〝ゴールが無くなればゴールする事はできない〟。つまり、今この森に居る俺達以外のパーティーはPPの獲得が出来なくなる。さあ、これでゲームセットだ!」
 俺は腰からロッドを抜いて魔力を込めると、思い切り振りかぶり、野球のバットを振るようにして、勢い良く鳥居の柱を渾身の力で殴打した。

ーーガシャーン!!!!

 ガラスが割れる様なけたたましい音と共に、玉虫色に輝く鳥居が粉々に砕け散った。ガシャガシャと崩れゆく鳥居の破片から再びチャコの声が発せられる。

「はーい!みなさんにお知らせでーす!たった今、一次予選Aエリアでの勝者が決定致しました!勝者は『ラリア、マオ、ソーファ』パーティーでーす!」

「そ、そんな……」
「う、嘘だろ……」

 男達は目を見開きながら、力無くその場に座り込んだ。そんな彼等を見下ろしながら、俺は淡々と口を開いた。
「お前らこ敗因は二つ。一つはルールの違和感に気付かなかったこと。これはまあ、分からなくも無い。だが、致命的なのは二つ目だ」
「ふ、二つ目?」
「ああ。それは相手を舐めきってた事だ。お前らは俺達が格下だと決めつけ、殆ど警戒していなかった。相手が自ら負けようとしている不自然な行動をとっているにもかかわらずだ」
「……」
「相手が『不自然な行動をした時こそ、最大限に警戒する』こと。これ、戦闘の常識だぞ」
 俺がそう言い終えると同時に、俺達三人の足元が赤く輝き出し、転送用の魔法陣が出現した。
「マオ、これって……」
「ああ。多分、二時予選会場に飛ばされる為の転移魔法だろうな」

「くそっ」

 長髪つり目男が短くそう呟き、地面に拳を叩きつける。その光景を最後に転移魔法が発動し、俺達の視界は再び白く塗りつぶされた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

最愛の番に殺された獣王妃

望月 或
恋愛
目の前には、最愛の人の憎しみと怒りに満ちた黄金色の瞳。 彼のすぐ後ろには、私の姿をした聖女が怯えた表情で口元に両手を当てこちらを見ている。 手で隠しているけれど、その唇が堪え切れず嘲笑っている事を私は知っている。 聖女の姿となった私の左胸を貫いた彼の愛剣が、ゆっくりと引き抜かれる。 哀しみと失意と諦めの中、私の身体は床に崩れ落ちて―― 突然彼から放たれた、狂気と絶望が入り混じった慟哭を聞きながら、私の思考は止まり、意識は閉ざされ永遠の眠りについた――はずだったのだけれど……? 「憐れなアンタに“選択”を与える。このままあの世に逝くか、別の“誰か”になって新たな人生を歩むか」 謎の人物の言葉に、私が選択したのは――

包帯妻の素顔は。

サイコちゃん
恋愛
顔を包帯でぐるぐる巻きにした妻アデラインは夫ベイジルから離縁を突きつける手紙を受け取る。手柄を立てた夫は戦地で出会った聖女見習いのミアと結婚したいらしく、妻の悪評をでっち上げて離縁を突きつけたのだ。一方、アデラインは離縁を受け入れて、包帯を取って見せた。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです

NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。

みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。 高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。 地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。 しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。

一家処刑?!まっぴらごめんですわ!!~悪役令嬢(予定)の娘といじわる(予定)な継母と馬鹿(現在進行形)な夫

むぎてん
ファンタジー
夫が隠し子のチェルシーを引き取った日。「お花畑のチェルシー」という前世で読んだ小説の中に転生していると気付いた妻マーサ。 この物語、主人公のチェルシーは悪役令嬢だ。 最後は華麗な「ざまあ」の末に一家全員の処刑で幕を閉じるバッドエンド‥‥‥なんて、まっぴら御免ですわ!絶対に阻止して幸せになって見せましょう!! 悪役令嬢(予定)の娘と、意地悪(予定)な継母と、馬鹿(現在進行形)な夫。3人の登場人物がそれぞれの愛の形、家族の形を確認し幸せになるお話です。

処理中です...