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第1章.母 Ⅱ
016縫.『天界』へ行く方法
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ワタシが “ 女神 “ さま?
いきなりそんな事を言われても、実感が持てないんですけど……
たった今、キューってのびていたニックが目を覚ましたみたいです!
ムクッと起き上がって、キョロキョロ周りを見回しています。
状況が把握出来ていないんですね……
「アレ……ココはー?」
「大変だったわね、ニック。
さっき、お父さんがアナタの体躯《カラダ》に組み込んだ通信魔法陣を使って……
天界からコンタクトを図って来たのよ!」
ニックが目を大きくしています!
しかも、ちょっと……涙目?
「えーっ、シュージン様ってボクの身体にそんな細工をしていたんですかー!?
あの人、ボク達 “ テイムちゃん ” に対する認識、絶対に間違えてるよー!」
ピーピー!ピピッピー!
ニックは笛を吹いた後に『 “ テイムちゃん ” 待遇改善!』と描かれた小さなプラカードを嘴で挟みながら、プンプン!とシュプレヒコールを挙げています。
ちょっとちょっと、そんなプラカード……
どこに隠し持ってたんですか?
「ねぇお母さん、さっきお父さんから聞いた話からすると、
────────────────
・倒したモンスターを仲間にする事が出来るスキル『テイム』
・未来の時間にジャンプする事が出来るスキル『ジャンプ』
────────────────
この2つはあくまで、このきぐるみを着込んだ時の “ キュルミー ” としての能力なんですよね?
じゃあ、ワタシの “ 女神 ” としての能力は何があるのか知らないですか?」
京子は、困った顔をして答えます。
「ゴメンね、朱璃……
“ キュルミー ” としての能力しか、私には分からないのよ。
いかんせん、今まで『女神』自体1度も見た事がなかったからね。
いいえ、女神だけじゃないわ。
女神や大天使、魔神みたいな『上位神族』と呼ばれる者達は……
向こうの地上界でも伝説上の、空想の存在として崇め奉られているのよ!」
京子は頬にある長い髪の毛を人差し指にクルクル巻き付かせ、ひゅるるっと解きます。
「『大天使』の能力だったら、『天界』にいた時にお父さんがいくつか実際に披露してくれたから一部なら知ってるんだけどね……」
とてとてとて……ふん!ふん!
テクテクテク……フン!フン!
ニックは、まだ嘴で挟んだプラカードを左右に弧を描いて振っています。
鼻息も、やや荒いです!
でも訴える相手は遥か遠い天界にいるから、無駄なんですってば……
「お父さんも初めの時はまだ未熟で、『大天使』の力を使う際に何らかの制約を受けていたってその時に教えてくれたから!」
……ま、しょうがないです。
同じ “ 半人半神 ” だった、お父さんのアドバイスですから。
誰かから教えて貰ってラクしたらダメって事ですね、たぶん。
知りたければ自分の足で、耳で、目で直接確かめなさい、と……
以後、これが朱璃の異世界における行動原理となって行きます。
「ねえお母さん、ニックさん……
どうすればワタシ、お父さんがいる『天界』って所に行けるんですか?」
ヒーヒー……ふぅふぅ……
「それはね、ボクが説明してあげるよー!」
ニックはようやく諦めたのか、大きくため息をつきます。
それでも、朱璃が異世界で成さねばならない事について説明をしてくれました。
コロロ……
コロロコロコロ……
家の周りから聞こえて来るこの鳴き声は、アマガエルにそっくりな「シュレーゲルアオガエル」ですね。
澄んだ、キレイな合唱を聞かせてくれます。
「お姉ちゃん、この異世界には5つの大陸があって、
『妖精王』『天使王』『古龍王』『獣猛王』『仁人王』『花樹王』『死鬼王』
という、7つの種族の頂点に君臨する『7世界の王』と呼ばれた者達が存在するんだー。」
ニックは京子と顔を見合わせながら、言葉を続けます。
「お姉ちゃん、もしキョウコ様と手段が同じだったら、この異世界で『7世界の王』を全員探し出して、全ての王から “ 力の譲渡 ” を受けなければならないのー。」
ニックは翼をバサバサ羽ばたかせながら、慌てて補足しました。
「でも、素直に “ 力の譲渡 ” に応じる王がいれば、力ずくで屈服させて “ 力の譲渡 ” に応じさせなければならない王もいるらしいから注意が必要だよー!」
ちなみに今の朱璃は “ 半人半神 ” の状態でも『女神』の力がまだまだ弱いので、キュイぐるみを着て『キュルミー』の力に頼らざるを得ません。
そう、キュイぐるみを脱ぐと生身の人間とほぼ変わらないんです。
しかし “ 力の譲渡 ” を繰り返して少しずつ女神の力を取り戻せば、母の代わりに娘を守護するだけだったこのキュイぐるみのまだ見ぬ『本当の力』を徐々に引き出せる様になるハズです!
ここで、京子が話に割って入ります。
「たぶん、朱璃のこれから先の旅は私の通った道をトレースする事になると思うのよ。
私の時は、確か……
『7世界の王』全員に会いに行って、『天界の扉』を開ける為の “ 7本の鍵 “ を貰って回ってたわね。
朱璃が一体どんな道を辿る事になるのか、私も一緒に見届けさせてもらうわよ!」
へぇ、お母さんもかつて『7世界の王』に会いに行った事があるんですね……
朱璃は、『7世界の王』全員に会いに行って……
何を集める事になるのでしょうか?
いきなりそんな事を言われても、実感が持てないんですけど……
たった今、キューってのびていたニックが目を覚ましたみたいです!
ムクッと起き上がって、キョロキョロ周りを見回しています。
状況が把握出来ていないんですね……
「アレ……ココはー?」
「大変だったわね、ニック。
さっき、お父さんがアナタの体躯《カラダ》に組み込んだ通信魔法陣を使って……
天界からコンタクトを図って来たのよ!」
ニックが目を大きくしています!
しかも、ちょっと……涙目?
「えーっ、シュージン様ってボクの身体にそんな細工をしていたんですかー!?
あの人、ボク達 “ テイムちゃん ” に対する認識、絶対に間違えてるよー!」
ピーピー!ピピッピー!
ニックは笛を吹いた後に『 “ テイムちゃん ” 待遇改善!』と描かれた小さなプラカードを嘴で挟みながら、プンプン!とシュプレヒコールを挙げています。
ちょっとちょっと、そんなプラカード……
どこに隠し持ってたんですか?
「ねぇお母さん、さっきお父さんから聞いた話からすると、
────────────────
・倒したモンスターを仲間にする事が出来るスキル『テイム』
・未来の時間にジャンプする事が出来るスキル『ジャンプ』
────────────────
この2つはあくまで、このきぐるみを着込んだ時の “ キュルミー ” としての能力なんですよね?
じゃあ、ワタシの “ 女神 ” としての能力は何があるのか知らないですか?」
京子は、困った顔をして答えます。
「ゴメンね、朱璃……
“ キュルミー ” としての能力しか、私には分からないのよ。
いかんせん、今まで『女神』自体1度も見た事がなかったからね。
いいえ、女神だけじゃないわ。
女神や大天使、魔神みたいな『上位神族』と呼ばれる者達は……
向こうの地上界でも伝説上の、空想の存在として崇め奉られているのよ!」
京子は頬にある長い髪の毛を人差し指にクルクル巻き付かせ、ひゅるるっと解きます。
「『大天使』の能力だったら、『天界』にいた時にお父さんがいくつか実際に披露してくれたから一部なら知ってるんだけどね……」
とてとてとて……ふん!ふん!
テクテクテク……フン!フン!
ニックは、まだ嘴で挟んだプラカードを左右に弧を描いて振っています。
鼻息も、やや荒いです!
でも訴える相手は遥か遠い天界にいるから、無駄なんですってば……
「お父さんも初めの時はまだ未熟で、『大天使』の力を使う際に何らかの制約を受けていたってその時に教えてくれたから!」
……ま、しょうがないです。
同じ “ 半人半神 ” だった、お父さんのアドバイスですから。
誰かから教えて貰ってラクしたらダメって事ですね、たぶん。
知りたければ自分の足で、耳で、目で直接確かめなさい、と……
以後、これが朱璃の異世界における行動原理となって行きます。
「ねえお母さん、ニックさん……
どうすればワタシ、お父さんがいる『天界』って所に行けるんですか?」
ヒーヒー……ふぅふぅ……
「それはね、ボクが説明してあげるよー!」
ニックはようやく諦めたのか、大きくため息をつきます。
それでも、朱璃が異世界で成さねばならない事について説明をしてくれました。
コロロ……
コロロコロコロ……
家の周りから聞こえて来るこの鳴き声は、アマガエルにそっくりな「シュレーゲルアオガエル」ですね。
澄んだ、キレイな合唱を聞かせてくれます。
「お姉ちゃん、この異世界には5つの大陸があって、
『妖精王』『天使王』『古龍王』『獣猛王』『仁人王』『花樹王』『死鬼王』
という、7つの種族の頂点に君臨する『7世界の王』と呼ばれた者達が存在するんだー。」
ニックは京子と顔を見合わせながら、言葉を続けます。
「お姉ちゃん、もしキョウコ様と手段が同じだったら、この異世界で『7世界の王』を全員探し出して、全ての王から “ 力の譲渡 ” を受けなければならないのー。」
ニックは翼をバサバサ羽ばたかせながら、慌てて補足しました。
「でも、素直に “ 力の譲渡 ” に応じる王がいれば、力ずくで屈服させて “ 力の譲渡 ” に応じさせなければならない王もいるらしいから注意が必要だよー!」
ちなみに今の朱璃は “ 半人半神 ” の状態でも『女神』の力がまだまだ弱いので、キュイぐるみを着て『キュルミー』の力に頼らざるを得ません。
そう、キュイぐるみを脱ぐと生身の人間とほぼ変わらないんです。
しかし “ 力の譲渡 ” を繰り返して少しずつ女神の力を取り戻せば、母の代わりに娘を守護するだけだったこのキュイぐるみのまだ見ぬ『本当の力』を徐々に引き出せる様になるハズです!
ここで、京子が話に割って入ります。
「たぶん、朱璃のこれから先の旅は私の通った道をトレースする事になると思うのよ。
私の時は、確か……
『7世界の王』全員に会いに行って、『天界の扉』を開ける為の “ 7本の鍵 “ を貰って回ってたわね。
朱璃が一体どんな道を辿る事になるのか、私も一緒に見届けさせてもらうわよ!」
へぇ、お母さんもかつて『7世界の王』に会いに行った事があるんですね……
朱璃は、『7世界の王』全員に会いに行って……
何を集める事になるのでしょうか?
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