蛇好き令嬢、魔界に嫁ぐ

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蛇狂い令嬢、運命の出会い

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ふああああああ!

何ですか?

美しい神々しいナーガ族の男性が…私の目の前に現れました。

神降臨?!

「ジモデンズ伯爵令嬢ミーシャ嬢、よくお越しくださった。私は、ナギリス・ヘポン・ナーガ。魔界の宰相を務めている。今回は、我が嫁に迎えたくてお越し願いました。お疲れの様子ですが…共に魔王様に謁見していただけませんか?」

私の手をとるナギリス様。

「ジモデンズ伯爵令嬢ミーシャです。私には…帰る場所はもう、ございません。末長くお世話になります」

バクバクと心臓がなる。
よく言い切った!私!偉い!

「こちらこそ、よろしくお願いします。ミーシャ」

笑顔と名前を呼ぶ低音ボイスの破壊力が凄まじいです。
触られている手から、心臓の音が聞こえていない様に祈ります。

「ナギリス様…」

私が何か言おうとした矢先に…腕から赤蛇さんが顔を出す。

「ナギリス様、この子は道中私の話し相手をしてくれていた赤蛇さんです」

「…ダメですね。嫉妬してしまいます。後日、その赤蛇に話したことや、触られたところを詳しくお話しください。…でないと、嫉妬で狂いそうです」

そうですね。目が笑ってませんね。
カッコいい蛇の瞳。蛇眼でしょうか?

「カッコいい…もっと、近くで見つめて良いでしょうか?」

「えっと…ミーシャは、魔眼が強くはないのですか?」

「魔眼?蛇眼ではなく?…面白いですわ。ナギリス様は…全てが素敵過ぎますね。神降臨…神ですわ。神なのですね?そうですね?」

「神?!違いますよ?私は…ミーシャの夫になる男です」

「ふああ~私の神?!独占出来るのですね!至福です」

こうして話しながらも…私は、手を引かれながら…魔王の間に連れて行かれる。
長い道のりも、ナギリス様を見つめるだけで、時間がいくらあっても足りない。

「足はないのですね。素敵な鱗ですわ。ああ~もう堪りません」

「ありがとう。本当に蛇狂いなのですね」

「ふああ~!お恥ずかしい。蛇好きが、こちらまで伝わっているとは…変ですよね?嫌いになりますか?」

「ふふふ、嫌いになんかなりませんよ?嬉しいだけですね」

幸せな時間も、すぐに終わる。
魔王様に謁見して、挨拶を述べる。
それだけのことを終えると…何故か?身体が重く感じた。

「旅の疲れでしょうか?何処かで休めませんか?」

「顔色が悪いですね。近くに、私が仕事で使う仮眠室があります。そこで、少し休みましょうか?医者も呼びましょう」

そう、ナギリス様に言われて安心してしまったのか?
私の全身の力が抜けて、倒れこんでしまった。
力強いナギリス様にふんわり支えられて、運ばれる。

「ミーシャ!」

いきなり倒れたことで、不安にさせてしまったけど、私は幸せな気分だ。
こんなに、私を心配してくれる人は、久しぶりに見たのである。
嬉しいと思ってしまった。
蛇の身体は、凄く滑らかで、振動はない。
早速ですが、体感できるとは、ラッキーだ。
意識はハッキリしています。
ただ、身体が重いのです。
それを伝えると、ナギリス様には心当たりがあった様で、悲しい顔を見せた。
医者の診断は、呪い。

「嫉妬による呪いですね。薬ではどうにも出来ません。ナギリス様も罪な男ですね~!羨ましい」という、診断でした。

「死に至る呪ではないみたいです。しばらく苦しめられるとは思いますが、持続するものでものでもないですし、しばらく我慢しようと思います」

「すまない。身辺整理して、万全な体制で臨んだ婚約を…こんな形で濁らすとは…私の至らぬところだ」

「いいえ、決してご自身を責めてはいけません。ナギリス様は何も悪いことはしていないのですから…これは、私が当たり前に受けるべき嫉妬です。耐え抜いてみせます。ただし、歩けないので、運んでいただけませんか?」

「喜んで、我が婚約者!我が屋敷のベットまで、我が腕で運んでさせあげます」

こうして、初日から…周りの嫉妬を一身に浴びたミーシャだったが…本人はとてもご満悦でした。
周りも、ナギリスに運ばれるミーシャを目撃して、ショックから…嫉妬の呪いを諦めた者も居たらしい。
屋敷に帰るまでに道のりで、仲の良いところを目撃されて、噂の的だ。
ナギリスのミーシャを心配する苦しそうな顔は、ナギリスの幸せを願う女たちを撃沈させた。




翌日には、ミーシャの呪いが半減していたので、ミーシャは、普通に生活を送れるようになりました。

「休暇をもらった。今日は、ミーシャを介抱しよう」

元気なミーシャだが…本調子ではないとわかると…ナギリスは、翌日もミーシャにベッタリだった様です。

ミーシャはご満悦だ。
神々しいまでの、美しい理想の旦那様を一日中愛でられるのだ。

「ナギリス様?触ってよろしいですか?もう少し近ずいても?抱きしめてもいいですか?」

「ミーシャ…私の理性を試すのはやめておくれ」

「ナギリス様は、こんな平凡な私でも、感じて頂けますか?抱けますでしょうか?子を授けて頂けますか?」

「ミーシャは…いい匂いがする。化粧臭い女は苦手だ。石鹸も嫌いだな。ミーシャは…綺麗な匂いがする。私の好みだ。もっと、嗅がせてくれるかい?」

「どんな匂いかわかりませんが…私もナギリス様をもっとお近くで見たいです」

「うっ…理性が焼き切れそうだ…」

甘い生活の中で、ナギリスはミーシャの誘惑に骨抜きだ。
不思議と苦しいのはナギリスだけだ。それが、ナギリスにとって、救いでもある。
独占欲と嫉妬。理解できるだけに…呪いのことをとやかく言えない自分が歯痒い。
心の中の何かに夢中になっている自分を冷静に見てられない。
それが、恋というものなのか?
理解は出来ない。自覚も出来ない。
ただし、この感情に溺れていく自信がある。
ナギリスは、ミーシャに出会えて本当に感謝した。



感情に流されたことのない男を骨抜きにしたミーシャには、秘密がある。



実はミーシャには、毒耐性の他に…もう一つ能力を隠していた。



蛇類魅了MAX



「神様から、いつまでも結婚しないナギリスに…ご褒美だよ。永遠の番だ。我ら眷族も、ミーシャには、敵わない。幸せを築くといい」

神獣の言葉は、2人には届かない。
でも、その姿は好ましいものだ。
神獣は、微笑ましくその姿を見守る。
人の恋を邪魔するのは…神獣でも、マナー違反だ。

ちなみに、美しいナギリスにとって、ミーシャの容姿は素朴で美しい理想の女性でした。
部屋に引きこもっていたミーシャの肌は、手入れはされていないものの痛みはなく、白く透き通り美しい。
貧素な食事は、余計な肉を付けずに済み、胸は小さいものの、ほっそりした者を好むナーガ族にとって、ミーシャの体型は理想のスレンダー美人。
弱々しいところは、庇護欲を掻き立てる。
蛇狂いも今は、好感度が高い。
優しい性格は、卑しい人間とは思えないほどに、美しい。

能力が無くても、2人は番として、出会う運命でした。
それが、平和の世の中か、戦争の最中の違いはあるかもしれないです。
神は、平和の世の中で2人を会わせたかったのでしょう。

「神は粋なことをなさる」

見守る神獣は、呪いを弱めるために眷族たちを動かした。


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