蛇好き令嬢、魔界に嫁ぐ

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宰相の敵は宰相の…

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「私が付いていながら、ミーシャに力を使わせてしまったな」

ナギ様が、優しく私を撫でる。

※蛇類魅了MAXは、精神異常回復より強いために、ナギリスは、変わりません。

「ナギ様がいるから、私も動けるのです。お側にいてくれて、ありがとうございます」

甘い雰囲気を感じて、王様が咳払いをする。

「ゴホン…済まない。我が国の力の無さが、露呈したものだ。恥ずかしい限りだ。人間たちの魔力や能力は…日に日に落ちて来ている。それなのに…神の加護があるなど、言えたものではないのだが…」

「…王様、お言葉ですが、聖女が現れたならば…何らかの力が介入されたことの証明なのではないですか?」

宰相は、精神異常が回復しても、聖女の見方のようだ。
元々、宰相の息子が召喚したのだ。
責任は大きいだろう。

「…まだ言うか?それ以上罪人を庇うのならば…国の代表は務まらん。退出せよ」

「…言葉が過ぎました。息子の事もあり、私的な恨みに偏りました。お許しを…」

「許しを請うのは、ワシにではない。よくよく考えて発言せよ」

王様…許しちゃうの?はやく退出させればいいのに…
ハッキリ言って、国同士の話し合いに私的なことを持ち出すものは、邪魔だ。
私の睨みは、宰相を鼻笑させるだけであった。

「ゴホン…では、魔の国に嫁いだ元ジモデンズ伯爵令嬢ミーシャ、改めて、ミーシャ・ファミ・ナーガの計らいのもとで、和平を結び直そうと思う。互いの国の要望書を交換しよう」

要望書を交換して…人間国の要望を見る。

「…これは、あんまりですわね。これでは、和平を交渉も出来ません」

人間国の対応にガッカリだ。

「…何故じゃ?人間のミーシャ殿が、宰相の妻になったのも、政治に口出し出来るからじゃろう?人間優位の提案を押して欲しい。それとも、ワシの恩に仇で報いるつもりか?」

おお~!王様、ナギ様の前で、私を脅すのですか?
悪手ですよ?

「王は、国同士の話し合いに、私的なことを持ち出すなと言っておきながら、わが妻を私的なことで脅すのか?…国の王がその対応ならば…仕方がない。魔王軍としては、全面戦争を辞さない。愚王のいる国は、滅べばいい」

「…何故じゃ?人間を滅ぼして困るのは…魔族の方であろう?人の悪意が魔力を作る。魔族の今の強さは、すべて人間の悪意が強いからだ。そんな我々に魔族は何も出来ないはずだ。我々の優位は変わらないはず」

「誰が人間を滅ぼすと言いましたか?愚王のが、いるならすげ替えればいいこと。忘れたのか?この国には、毎年我が国からも貴族に嫁ぐ魔族がいて、政治に介入出来ることになっているはずだ。1人でも、そんな魔族を交渉に出せばいい。少しは優位になるかもな」

ナギ様は、意地悪に言う。
人間の国に止まっている魔族がいないことをよく知っているからだ。

「…魔力を作ることが目的ならば、人間を奴隷にしても、出来るな」

ハデルス様が、5歳児とは思えない発言をする。
王様は、自分の発言の危うさに気がつき、顔色が変わる。

「待て!待ってくれ!…ならば…何故じゃ?何故に勇者との和平交渉の時には、色々と人間の国に優位にしてくれたのだ?」

「勇者は、交渉の場では、我々の味方だった。お前のように欲深い王を言いくるめて、魔族とイーブンにするようにしてくれたのだ。でも、今は立場が違う。戦争をやって、負けるのは人間の方だ。あの聖女は、内政を整えるのに向く能力は持っているが…戦いには向かない。勇者の時とは違うのだ」

「待て!ジモデンズ伯爵令嬢ミーシャ!我々の味方だろう?頼む!話し合いを!」

「ミーシャは、人間の国に恨みはあっても、恩はない。もう、わが妻なのだ。気安く呼ばないで頂こう」

ナギ様は、王から見えないように、私を抱きしめる。

「王様は、資産を私のためにもたせていただきました。その恩は、和平交渉を持つこの席を設けるだけで、返せたと思っております」

「ならば…家族、ジモデンズ家の為にも…」

「王様は…知っておいでなのではないですか?私は、あれを家族とは思えません。血のつながりもなく、それでいて、養育も放棄して資産を根こそぎ奪った者たちです。それに今更…本当の父親が出てきても…何も感じないでしょう」

「血のつながりがないだと?」

王様は…知らないようです。

「やはり、血の繋がりはないのか?ならば…其方は、俺の子かもしれないな。ジモデンズ家の令嬢と結婚前は、繋がりがあった。あの当時は、遊びであったから、伯爵家など無視していたが…なんだ。子を産んでいたか」

イキナリ宰相がシミジミと語り出した。
いや~!絶対に、父親とは、認めません。
あの元婚約者と兄妹??
…気持ち悪いです。

ナギ様に助けを求めて、ナギ様が話を変える。

「全面戦争ということで、よろしいな。交渉は、人間側の傲慢な態度で、決裂した。世界に公表する為にも、此処で上層貴族は、死んで貰おう」

ナギ様が…グルセポネさん、ハデルス様が、戦いの体制に入る。

「ひー!待ってくれ~!」

「その言葉は、聞き飽きたよ」

瞬時に消え去る王を見て、宰相たちが逃げ出す。

逃しはしません。
母の思いを…遊びだと言った。
許せない。

私は、赤蛇さんを懐から出して、宰相に投げつける。
赤蛇さんは、宰相に噛みつき、私のところに戻って来た。
宰相は、逃げようとしたが…体に毒が周り…王城の廊下で力尽きていた。

此処までくると…とても簡単だ。
人間の国は、トップがすげ替えられ、人族に変身した魔族が仕切ることになる。

「パーティーを開こうか。この国の腐った貴族を一層しよう」

こうして…密かに、世の中は変わり始めた。


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