無視された公爵夫人

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まだまだ続くよ!

初めての王都

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「華やかな街ね?」

特別性の揺れない馬車。
…竜車ね。
空飛ぶ竜車の開発はルーファスがした。
飛竜を捕まえて、手名づけた。
ルーファスはちゃんとした教えがあるなら、ドラゴンスレイヤーにでも、何でもなれそう。

窓から外を見る私に、

「欲しいなら、手にしてやろうか?」 

街をってことかしら?

「そうねー?王妃にはなりたく無いから、そのプレゼントは遠慮するわ」

今のセリフ、弟大好きな王様が聞いたら泣くわね?



数日前…

『夜会に参加せよ!』
と、王命が届いたのはわたくしたちが丸く収まってから、半年後のことだ。

それまでは、細かく報告書を作成して送り付けてましたが、ルーファスがそれを止めて半年。

水晶で連絡は度々していたが、ルーファスの変わり用に…ヘタレワンコの弟が居なくなったショックを愚痴るほどだ。

「欲しいものなら持っているもの…やって欲しいことはわかっているわね?」

わかっていなさそう。
この目は…自分だとか思ってる?
違うわよー?お金よ!

なーんてね?
ちょいと、面倒な輩がいるので、排除をしに王都にまで来ましたよ!


「明日には大衆新聞の一面を私たちで埋めてやろう」

「お利口さん。ご褒美は明日の朝ね?」

「今夜は?夜会でも活躍してやる」

「そのご褒美は、夜会が終わってからよ?前借りは…だ…メっ!」

「わかった。大人しく、奥様を飾り立てることに専念しよう」


竜車の中はとても広い。
飛行機ぐらいある。

だから、プライベートルームで2人で夜会の服を選んでいる。

「夜会は参加したことないの」

と、わたくしが呟いたら、いつの間にか王都行きが決定していました。

慌ただしく公爵領を出てきたわたくしたちが出る夜会は、王妃様の誕生日祭。

「居たのね?王妃様」

存在…知らなかった。
王太子の母親は亡くなっている。
つまりは後妻か?

「どんな方なの?」

何か…茶渋を飲んだような顔をするルーファス。


「元は私の婚約者候補だった」


爆弾発言をギリギリでするのやめてほしいのだけど…。

そんな裏設定知らないわ。

「ちょい待って?王太子の母ではないのね?」

「王太子の母親は、王太子を産むときに…」

あら、聞いちゃいけない話しかしら?
知っていたけれど。


「他の国の男と駆け落ちして捕まえられて、処刑された。表向きは病死だ。相手の男の国はもう、存在してない」

アレーぇ?
私はテッキリ…産後の体調が悪く…って、思ってたのに?

「王太子はその環境下でも、王太子の地位を手にした。…世間では私が有力候補の時もあったが…」

ルーファスはヘタレだから、王には向かない。
さっきから王位狙いの会話をやめてほしいです。

「王妃様は後妻なのね?」

「ああ、生まれた時から許嫁だったから、奪われた時は…兄を恨んだりもしたが…元から兄を慕っていたのは知っていたからな。自然の流れだった」

「歳の差婚」

「王妃様の思いが勝ったのだ」

姉を慕うような顔をする。

「じゃあ、王妃様が悔しがるように、ずっとイチャイチャしましょうか?」

「ふっ…それはいい」



パーティーでイチャイチャ出来る様に、膨らむ旧来型のスカートではなく、マーメイドラインが美しいドレスを選んだ。


「女神の様だな」

「ルーファスの大好きな身体がよく見えるドレスよ。パーティー中はわたくしに見惚れてなさい」

「御意…」

「ルーファスはコレを着てね?キッチリしたイメージの服は着飽きたでしょう?」

ルーファスが着るのは、胸が大きく開いた異国の服デザイン。

「クス…コレがマドレーヌの好みなのか?」

「一度着せて見たかったの。エロルーファスをさらに魅力的に魅せられるわ」

「では、魅惑的なマドレーヌを口説くには最適だなぁ?」

「えぇ、色は合わせましょう。ルーファスの目の色が良いわ」

「それは嬉しい」

「アクセサリーは王都で選んで購入して?」

「兄がすぐに会いたがっていたが…馬車よりも到着が遥かに早い。多少は王都で遊んでも良いだろう」



実は、大衆新聞がわたくしバッシングを始めたので、世に出て印象を変える算段だ。


何処で手に入れたのかわからないけれど、辺境伯から出てきたばかりの私の写真を出されて、公爵に合わない田舎者だと書かれた。

辺境伯の父は大怒り!
ルーファスもかなり怒った。

調べてみると、ルーファスの古い友人が…昔ルーファスが離婚を願っていたことで、手助けを続けていることが判明。
本人とは話ができたので、もう、こんな新聞が出ないようにして、もう安心と思ったのだが…

最近、別の大衆新聞にわたくしのバッシングが載るようになった。

記事書いている人を探して、罰することが目的です。

後は、夜会までにわたくしの印象を変えておきたい。
腹芸で喧嘩を売られる様なことがあったら、私が公爵夫人と言う高位貴族な立場のため、大事になりそうだ。
それを防ぐためだと思ってください。



社交はコレだから面倒くさい。




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