ダークエルフに愛の手を

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41話 魔王登場?

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シム様に無言の抗議をされている俺。

俺が何をしたというのだ?



しばらく、一人で悶えていると、空が明るくなってきた。

ああ~俺、迷宮の外にいるんだな。なんて、しみじみしている。

身体には異常はない。迷宮にいた時と同じ感覚だ。

動けば、何か違いを感じるだろうが、今は、何も感じないから大した違いはないだろう。



「ギンの散歩でもしてくるか」

朝の散歩も久しぶりである。

この別邸の周りならば、自由に出来るだろう。

勝手に理解をして、屋敷の中を探検しながら歩く。

「見事に、ダークエルフしかいないな」

ギンは俺影響を受けて、弱くなっていると思ったが、より進化を遂げて、強くなっていた。

何か?四つ足にそれぞれ翼が生えている。カッコいい。最高の護衛である。

勿論、シルフィとノルンには、防御陣を施してきた。

『あれ程、面倒な防御陣?…はないでしょう』

お?シム様復活。

『マスターは私がいないとやらかします。私が動く事にします』

ありがとうございます。頼りにしてるよシム様。

別邸の外に出る。庭になるのかな?とてつもなく広いけど。

見知っているダークエルフはいない。

『おそらく、任務中またはこちらに向かっている途中でしょう』

「……ロッチィは、無事?」

俺は、恐る恐るたずねた。

『マスター。ロッチィ様は、マスターの指輪の効果もあります。大丈夫でしょう』

「答えになっていないよね。無事?」

『多くのダークエルフを逃すのに貢献して囮になりました。率先して戦ったために、怪我をされています。マスターの指輪の効果で丈夫になっていたので、致命的なものではありません』

「怪我……」

ショックがデカイ。俺のあげた指輪のせいで、無茶したとしたら・・・やるせないなぁ。

『マスターの指輪のせいではありません』

「わかっているよ」ただ、ロッチィは優しい。指輪が無くても、先頭に立って戦っただろう。でも、無茶のキッカケにはなったかもしれない。

奴隷だった時のシルフィを知っている。あんな状態のダークエルフは見たくない。ただでさえ、この屋敷にいるダークエルフも、少なからず痛々しい傷を負っている。

『マスターの弱点は、ダークエルフです。ここで、戦闘になったら最弱ですよ。ご理解ください』

はいはい、自重します。

ギンとじゃれ合いながら、馬達を少し運動がてらに外に出す。

ホリー達に貸していた馬も、いつの間にか?帰ってきていた。

『馬達は、マスターにテイムされているので、何らかの形で死ぬことがあったら、マスターのところに戻ってきて復活します』

おお~!無敵ループチート判明。

「ホリー達の戦闘は、そんなに激しいものだったのか?」

馬に尋ねる。

馬は「そうだよ」という感じに首を縦に振った。

やるせなさがさらにつのった。

「ホリー達は、大丈夫なの?」

『マスター。ホリー達には、利用価値があるために、部位欠損しても治してもらえます』

なるほど、つまり部位欠損するほどの怪我をする、戦闘だったのか。大丈夫ではなっかたのね。

「はあ……」

大きな溜め息が漏れる。

朝の支度が出来る頃に、部屋に戻った。

かわいい嫁と義弟が、クリクリの目で俺を見て笑う。

「おはよー。リヒト」

「リヒトにいちゃん、おはよー!」

癒される~。

「おはよう。準備はできている?朝ご飯をいただきに行こうか?」

「はーい」

ノルンの元気な声で、シルフィも満遍の笑みだ。

癒される~~。




「おはよう。リヒトくん。眠れたかい?」

フレディが、食堂で待っていた。

『マスターのレベルのことは、知らないです。逆に父親を出し抜けたことを喜んでいるようです。実際は、その手の中に転がされているのですが、人のことは言えません』

辛口シム様も、何か?寂しそうだ。

みんなが集まり、食事になった。

でも、何で俺の情報は漏れたのかなぁ?ホリーに話していないよね。サーカスに行くこと何か?

『マスター。レンゲさんです。彼は、ここの領主が作った傑作品。領主から逃げてきた過去があるために油断してました。奴隷化されてなくても従っているところは、洗脳に近いかもしれないでしょう』

おお!?ここで、チートレンゲさんの過去が明らかになりましたか!?

『どうやら、レンゲさんみたいな旅人を装う者を何人か?制作しているようですね』

こんなチートさんが、まだ、いっぱいいるのね~!

無自覚洗脳者か?大変だな~

何者!?ここの領主?

『マスターの世界の言葉に直すと、魔王?覇王?そんな言葉が当てはまる者ですね』

グアー!ヤバイリアル魔王?迷宮で散々ぶっ殺した?

『マスター。迷宮の魔王は、現実より凶悪です。比べてはいけません』

そうか?凶悪なんてなかったよね?迷宮の魔王。

『罠や人質、脅しは当たり前。毒や病魔、呪い攻撃は日常的に行い。裏切りは挨拶のよう。裏の手は必ず持って復讐して遊び。………とにかく、自分で戦った相手です。わかっていると思ってました』

現実の方が、酷いような気がします。

『魔人の個人の能力は、たかが知れてます。奴隷が、一斉に解放されたら力はほぼ残りません』

・・・面白そうだね。解放してみる?

『マスター。正気ですか?』

えみを浮かべた俺に、みんなの視線が集まる。

「迷宮もいいけど。その後が詰む。他のことをしてみない?」

「他のことだと?」

フレディが、不審な顔を向ける。

今の俺では、迷宮から出るのに時間がかかる。

奴隷解放の方が、面白しろ……コホン…早く戦力ダウンを図れそうだ。

『完全に…面白そうだと言いましたね』

言い出したのはシム様ですよ。手伝ってね~!

『一遍に奴隷全解放なんて、今の魔力では無理ですよ』

最終的に全解放に見えればいいのさ。実際にそうやっていなくてもね。

笑みを深める俺に、フレディが話しを聞きたそうにする。

「何をするのだ?」

これは、賛同したと捉えてもいいよね。

『マスター。指示に従います』

俺は、指示だけをみんなに出した。裏切り者がリークしても影響が出ないように・・・




みんなに指示を出しながら、俺は、近くにいるダークエルフから解放して行く。

みんなにばれないように、首輪はつけたままにしている。

本人には、解放されたことをわからないように誤魔化したり、念話で説得して、機会がくるまで奴隷の演技をしてもらう。

仲間にもばれないようにしてもらい、細心の注意を持って行動させる。

それが出来ない時は、勝手に主人を上書きして奴隷を俺の者にする。

ステータスを見ると奴隷が減っていることをばれてしまう。

だが、それすらも誤魔化す技能を手に入れた。

隠蔽能力

本来は、自分のステータスを他人に見られないようにする能力だが、俺の隠蔽能力は、他人のステータスを本人には気づかれずに隠蔽出来る。

まだ、会ってもないフレディの父。魔人領主。

その人のステータスを勝手に隠蔽出来るのも、神の力のおかげである。

都合がいいよね。チート能力万歳。

強い魔法を使うと、魔法特化のレンゲみたいな人にバレるので、極力、少ない魔力で隠蔽する。

みんなには、別のことをやってもらう。

みんなは、俺が何を考えているか?わからないので、困惑している。

だって、全く意味のないことをやらせてますからね。

なのに、変な動きをさせる俺に、みんなは黙って従ってくれた。

「考えがあるんだろう?」

サービスが、笑いながら言った。

しばらく、何事もなく進む。

この屋敷にきて、2週間ほどたったある日。

魔人領主が、本館に帰った。

ダークエルフ達を連れている。里の者達だ。

その頃になると、多重思考や時の操りにも慣れてきていた俺は、里の者達の解放に乗り出した。

表面上は、いつもの俺である。

シム様も、同じように行動してもらう。

魔力は、最小限である。

「父がお呼びだ。リヒトは、俺の従者として来てくれ」

フレディに連れられて、魔人領主と初対面する。



「よく来た。我は魔人領主のブレス・コネリー。力を抜き給え。我が息子の従者、リヒト殿」

かなり気さくな男がいた。見た目は、フレディのお兄さんと言ってもバレない感じだ。

「父よ、紹介する前に話しかけるなんて、ルール違反では?」

「ははは、手厳しいな息子よ」

うわー・・・年期の入った腹黒さん。怖ス。

知人スキルの少ない俺は、ビビっている。

魔人領主は、残虐なダークエルフコレクターとは思えないほどに気さくだ。解せぬ。

「どうだろうか?我が屋敷は?」

「趣味の良いコレクションをお持ちですね。羨ましい」

正直に言う。やり方は、どうであれ・・・ここは、俺の天国です。

「わかってくれるかい?嬉しいね~!」

話は、ドンドン進む。・・・苦手だ。この雰囲気。



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