黒太子エドワード

維和 左京

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第6章 不敗神話

味方中に敵あり、敵中に味方あり

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 次にエドワードが目を開けたとき、目の前には薄汚れた天井が広がっていた。どこかの部屋の中のようだ。室内は質素な造りになっており、ベッドのほかには小さな木目の丸テーブルがあるのみであった。
「ここはどこか」
 ベッドの脇に控えていた従者に尋ねる。まだ十四歳の彼は、エドワード殿下の従者という名誉な任務を任され、さらにその尊敬すべき殿下から直接話しかけられた興奮で、顔が火照っていた。
「ナヘラの修道院であります、殿下」
 硬い敬礼を施し、目いっぱい胸を張って、彼は答えた。
「そうか、私は倒れたのだな」
 記憶は鮮明とはいかないまでも、おぼろげに頭の中にあった。今は何日かと問いかけ、倒れた日から丸一日が過ぎていることを確認する。
「その後の経過が知りたい。チャンドスを呼んでまいれ。いなければグライーでもよい」
「はっ!」
 彼は再度敬礼を施すと、走るような早足で部屋の外へと消えた。しばらくして、チャンドスが部屋の中に入ってくる。彼の頭髪は白く、自慢の黒ひげもすっかり白くなり、体の衰えを表していた。隻眼のみが、なお変わらぬ闘志を示している。
「殿下、気がつかれましたようで、何よりでございます」
「うむ。その後、どうなっている」
「現在、ナヘラに駐屯中でございます。兵士たちには休養をとらせてありますが、ご指示があればすぐにでも出発できる態勢です」
「そうか、ご苦労だった。ところで、私を医者に見せたのであろう。何か言っていたか」
「軽い風土病とのことでございます。慣れない水を飲んだため、身体を壊したのでしょう。二三日もすればよくなるとのことです。しばらくはゆっくりご休養あれ」
「いや、それはならぬ。今ここで王都に進まねば、兵士の間に不安が広がる。悪くすると反乱が起きよう。エンリケも軍を盛り返してくるやも知れぬ。今日の午後には出発する」
 エドワードが上半身をベッドに起こすと、チャンドスは慌てて止めにかかった。
「いけません、今動いて病気が悪化したらどうなさいます」
「この程度の病気、なんということはない。ゆくぞ」
 止めようとした手を、エドワードは振り払った。エドワードの目は、充血していたが、その虹彩はいまだ鋭い光を放っていた。彼がこういう目をしたとき、決して引き下がらないことを、チャンドスは知っていた。
 エドワードを突き動かしているのは、ひとえに軍に対する責任感だった。それも安っぽいものではなく、彼が動かねば軍は動かない。これは事実だった。それゆえに、チャンドスも止め切れなかったのだ。

 エドワードは再び馬上の人となった。速度を上げもしないが緩めもせず、整然として王都ブルゴスへと向かう。彼の体調が悪いのか否か、少なくとも外見からは、周囲を取り巻く人間ですら察知することは出来なかった。
 王都の侵入者に対する反発は、ほとんど見られなかった。それどころか、一部では歓迎する動きすら見られた。
 再びカスティリヤ王国の王となるペドロ一世は、後世に「残酷王」と評されるのとは異なり、実際はそれほど気性の激しい男ではなかった。確かに反対する貴族の処刑を複数回行ったのは事実だが、それはエンリケも行っているし、いわば「誰でもやっていること」なのである。
 そうすると、穏健派の貴族や、まして平民ともなれば、誰が領主になろうが、大した変化はないのである。無益な抗争をするよりは、新たな領主に気に入られたほうがいいに決まっている。
 そんなわけで、カスティリヤ王国では、ペドロ一世による統治体制が、着々と構築されていた。それを見届けつつ、エドワードたちイングランドの面々は、一部の捕虜を伴ってボルドーへと帰還する。一三六七年九月のことであった。
 しかし、これがいけなかった。エドワードは険しいピレネー越えで、その健康を再び害した。
 再び、という表現は正しくなかったかもしれない。エドワードはもともと完治していなかったのだ。風土病というだけで片付けられるものではない。彼は働きすぎていた。休養をとらねば、風邪だって治りきるものではないのだ。
 今回の病は、発熱を伴っていた。さすがのエドワードも、立っていられないほどの高熱とあっては、職務を続けることもできず、ベッドに倒れこむことになった。とりあえずは軍をまとめ、ボルドーへと帰参できたことも、緊張が緩む原因となっていた。
 数日は静養したものの、良くなる様子もない。そうこうするうちに、捕虜たちとの面会の期限が迫っていた。病気を理由に先延ばししたが、それも限界が来ていた。
 彼は無理に立ち上がり、服装を整えると、広間へと向かった。そこで、捕虜たちと接見することになっていたのである。本来は饗宴を開くのが騎士としての礼儀だが、病気とあっては、接見にとどめることもやむを得ず、またその変更は世間にも充分に理解されるであろう。
「プリンス・オブ・ウェールズ、エドワード殿下のご入場!」
 文官が精一杯の声量で、来場者に彼の入場を告げた。捕虜との接見と言っても、これは正式な外交の場とは異なるから、全員が玉座の前に整列していたりはしない。集められた者たちは、飲み物を片手に、思い思いに歓談しているのみである。
 それでも黒太子の入場に、全員が歓談の口を止めて、そちらを見やった。注目された会場の主は、ゆっくりと、だが決してふらつかない足取りで、一人の男の前へと向かった。それは背の高い、痩身の男だった。
「はじめまして、ベルトラン=デュ=ゲクラン将軍。私がエドワードだ」
「お初にお目にかかります、殿下」
 ゲクランは彼の姿を認めると、形通りに敬礼を施した。
「こたびは残念だったな」
「まこと、運が悪うございました」
「うむ。ついては、身代金の額を定めねばなるまい。もちろん正式な交渉は、そなたの家並びにフランス王とさせていただくが、そちの身分からして、こたびは三十万エキュではいかがかと思っている。何か異存はあるかな」
 三十万エキュといえば、ジャン二世のときの身代金の十分の一である。ゲクランの当時の身分である、グラナダ王あるいはロングヴィル伯という肩書きからすれば、それは妥当な額であった。
「ございませんな。請求さえ早くしてもらえれば、すぐにでも支払いがあるでしょう」
 ゲクランの態度は、堂々たるものだった。逆に、その堂々としていすぎる態度に、エドワードは一抹の不安を感じた。かつて彼が接したフランス前王ジャン二世に、それは似ていた。あのときも、身代金はジャン二世によって即決されたにもかかわらず、シャルルは最後まで支払いを拒んだのである。
「気に障ったら済まぬが、そちの家は、さほど名門ではないと聞く。支払いが滞るようなことはあるまいな。もし額が多大なようであれば、はじめから減らしてやってもよいが」
 身代金は貴重な軍資金となり得るが、それが二度にわたって支払われないとあっては、フランスだけでなくイングランドの沽券にも関わる。こたびは、是が非でも全額支払ってもらわねばならぬのであった。
「なあに、心配は無用。俺の身代金を稼ぎたくないとか、そういう根性で働いてるやつは、フランスにはただの一人もおりませんからな」
 ゲクランはそう言って、豪快に笑った。いったいこの自信はどこから来るものだろうか。相当の自信家か、それともただの馬鹿なのか。ともかく、エドワードはそれを額面どおりに受けとめたふりをして返答するしかないようであった。
「了解した。では、フランス王との交渉に入るとしよう」
「できるだけ早くしたほうがいいですぜ。市民の間では、エドワード殿下はこのゲクランを怖れている、だから釈放したがらないのだと、そういう噂もあるようですからな」
 ゲクランは不敵な笑みを浮かべた。そのあまりの放言に、さしものエドワードも彼を凝視せざるを得なかった。いまや、会場中の視線は、その男の姿にひきつけられていた。
 いったい、この男はなんなのだろう。エドワードは考えていた。チャンドスの話では、多少粗野なところはあっても、礼をわきまえぬ男ではなかったと聞く。とすれば、これは演技なのだろうか。それとも、一種の挑発か。そんなことをして、何の得があるのだろうか。自分を怒らせれば、交渉は――――
 ふと、エドワードは得心した。同時に、先ほどのゲクランと同じように、豪快に笑う。
「よし、わかった。では、即座に交渉に入ろう。何せ、私はそちが怖くてたまらないのだからな」
 彼はそう言って、ゲクランと固い握手を交わした。一部の者は、そんなエドワードの様子を見て、気が触れたのではないかと思ったほどだった。まして、ゲクランが冷や汗をかいていることに、気づいた者は誰もいなかった。

 その会は、一時間ほどでお開きとなった。やがて夜も更けた頃、エドワードはゲクランの個室を、供も連れずに訪問した。
 捕虜とはいえ、ゲクランほどの身分ともなれば、かなり広い部屋が与えられている。その部屋は、貧乏貴族の生まれであったゲクランの実家よりも広いほどだった。室内はベッドやテーブルなど一通りの家具のほかに、青い壷や風景画などの芸術品も飾られており、至れり尽くせりであった。
 彼は部屋の中央の椅子に座り、本を読んでいた。本来、彼はあまり学問好きではなかったが、軟禁状態で出来ることといえば限られていた。当時の本は高級品であり、こういう機会でもなければめったに読むことなど無いので、つい食指が動いたのである。彼が読んでいたのは、意外にも、詩の本であった。詩と言っても叙事詩で、古代より伝わる、ホメロスのオデュッセイアである。
「失礼する」
「こ、これは殿下」
 宮殿の主の訪問に、誰よりゲクランが驚いた。まさか予約もなしに訪問してくるとは思わなかったのである。
「詩に興味がおありかな」
「いや、なあに、俺あ無学なもんで、少しは教養をつけようかと思ってね」
 彼はその本を、無造作に椅子の上に投げ捨てた。
「それより、どうしたんです。やっぱり俺を解放するのが惜しくなりでもしたんですか」
 それを聞いて、エドワードはまた笑った。ただし、今度は周囲に見せつける様な豪快な笑みではなく、どこか無邪気さを残した透明な笑みであった。
「もういい、ゲクラン殿。私は、前言を翻したりはせぬ。そちは必ず解放するから、安心してくれ。今日は、世間話をしに来たのだ。ただし、本音の話をだ」
 その一言で、ゲクランも自分の手が読まれていたことを悟ったようだった。その顔をきりりと引き締める。
「これは失礼しました、殿下。私などの目論みは、とうにお見通しのようですな」
 一人称と二人称が、敬意を含んだものに変わっていた。それはシャルルに対してすら使ったことの無いものであった。同時に、ゲクランはエドワードに敬礼を施した。そのとき、エドワードに命じられた小間使いが入ってきて、テーブルの上に二個のグラスを置いた。中では琥珀色の液体がゆらゆらと水面を揺らしている。上等のウイスキーである。
 彼ら二人は、その両脇のソファーに位置を取った。
「やはり、帰りたいかね」
「どうにも、坊ちゃん、あ、これはシャルル五世陛下のことですが、あの人を見てないと不安でしてね」
 彼は照れを隠すかのように、右手で頭を掻いた。その不器用な仕草こそ、本来の彼のものである。
 彼の不安は、エドワードがゲクランを、ジャン二世のように軟禁して解放しないのではないかという点にあった。だからこそ、エドワードを挑発し、自尊心を傷つけることにより、解放を促すという策を採ったのである。
 おそらくは、エドワードのプライドの高さを知り抜いていたのであろう。だからこそ、倣岸に振舞えば、解放することはあっても、怒って交渉を断絶することはないと踏んだ。敗戦を運のせいにしてみたのも、その一環であった。
 それは私心ではなく、かといってフランスに他に優れた将軍がいないという自惚れでもなく、純粋に子を想う親の気持ちから発したものだった。ゲクランは、いわばシャルルの父親代わりとなっていたのだ。傍にいて見ていないと、不安でたまらないのであった。
「ところで、これは王太子としてではなく、一個人として聞きたい。先王のときに身代金を払おうとしなかったシャルルが、今回に限っては払うという自信を、そちは持っているようだ。なぜか」
「簡単です。私は、坊ちゃんの命に従ったに過ぎないからですよ」
 その明瞭な言葉に、エドワードは納得した。ジャン二世がたとえ国王であっても、シャルルから見れば勝手に戦争を引き起こして、勝手に捕まったに過ぎない。しかしゲクランは、シャルルの命により戦争に赴いたのである。これを見捨てれば、進んで戦争に行く者はいなくなるだろう。
「負けたのはあくまで時の運に過ぎない、というわけか」
「いえいえ、そこまでは言いません。私が負けたのは、殿下が強すぎたというのもありますが、何より私の能力不足によるもの。ただ、私は負けてもいいと言われてますからね」
 エドワードのまなざしが、驚きを含んだものに変わる。
 そうだ、チャンドスも確か、そんなことを言われたと言っていた。負けてもいいなどと、軍人にあるまじき発言は、いったい何を意味しているのだろうか。
「なぜ、負けてもよいのか」
「負けてもいいように、戦をしているからでさあ」
 ゲクランの言葉は、要領を得ないものだった。もともと弁舌や演技が得意な男ではないのである。今日の会での演技で、その才を使い果たしたかのようであった。
「どういう意味かな」
「坊ちゃんに言わせれば、この戦いは、もともと傭兵たちに仕事の場を与えるためのものだそうですよ。だから、勝ち負けはそれほど重要じゃないってことらしいんでさ。そうでなきゃ、誰があなたみたいな化け物と戦いますか」
 あくまで笑みを崩さぬゲクランに対し、エドワードは驚愕のあまり腰を浮かせていた。しまった、そういうことか。わずかに開いた口から、その言葉が漏れそうになった。
 シャルル五世の狙いは、この戦争に勝つことにあったのではない。この戦争それ自体にあったのだ。
 つまり、フランス国内の治安が悪化していた原因は、戦争が終わるたびごとに傭兵が盗賊と化して村々を襲っていたことにあった。しかも、盗賊とはならない者であっても、失業者となって、国に不満を訴える。
 そこで、彼らに仕事を与えると同時に、その荒らす先を国外に向けるため、カスティリヤ遠征が選ばれたということだろう。負けても良し、勝てばなお良しの良策だ。そのための軍資金は、以前からの臨時税と身代金踏み倒しで、充分に貯まっていた。
 そうすると、エドワードはその策にまんまと嵌ったことになる。こちらは常備兵を連れて行っていた。治安の向上には役立たないし、かえって高い給金を払わねばならない。
「参った。どうやらこの勝負、私の負けのようだ」
 エドワードは率直に負けを認めた。目の前の戦闘に勝っただけでは、勝利とはいえない。そのことを知り抜いていたはずであったのに、彼はシャルルにそれを実践されてしまったようだ。
 ゲクランは、戦術家だった。目の前の戦闘には勝てても、広い視野で物事を見ることが出来ない。だからこそ戦略家のエドワードは軍の進路を慎重に選ぶことで、防御態勢のゲクランを引っ張り出し、戦争を勝利へと導いた。
 しかしシャルルは戦術家でもなく戦略家でもなく、政治家だった。ゲクランが目の前の戦闘をいかに勝つかを考え、エドワードがいかに有利な位置で戦闘を始めるかに腐心していたのに対し、シャルルはどうしたら負けても構わない戦いになるかを考えていたのである。それは、以前にゲクランに言われたことの実践でもあった。
 これは、三者のうち誰が有能かという問題ではない。人には素質があり、役割というものがある。三者とも、それぞれの役割をこなしただけである。ただ不運なことに、現在のイングランドには政治家がいなかった。そしてエドワードがそれを成そうとしても、彼の位置を補う戦略家は存在しなかったのである。
「負けを認めるのですか」
「負けは負けだからな、やむをえぬ。シャルルにそう伝えてくれ」
「わかりました、お伝えしましょう。でもね、賭けてもいいが、坊ちゃんはこういうと思いますよ。『また負けたか』ってね」
 二人はお互いに、低い笑みを浮かべた。それは、互いの価値を認め合ったところから出る笑みであった。エドワードの身体はいくぶんか病のための熱を帯びていたが、それ以上に昂揚感から来る熱のほうが高いようであった。味方であるジョンやペドロと向かい合っているときより、敵であるはずのゲクランといるときのほうが、不思議と連帯感がある。満たされている、とはこういう感覚のことを言うのかもしれない。
【第六章終 第七章に続く】
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