暴君は野良猫を激しく愛す

藤良 螢

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生娘

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「っやぁ!?」

 幸菜がついに声を上げた。彰久はしたり顔で笑いながら、ゆっくりと指を潜ませていた。
 内腿うちももを這っていた指が、その奥をなぞった。その度に腰を跳ねさせる幸菜を愉しげに見下ろした。

「やっ、やめてぇ……っ」

 いやいやと首を振るたび、毛先が水面を叩く。
 嫌だ。認めたくない。
 しかしどれだけ否定したくても、風呂の湯とは明らかに違う液体がそこから溢れていた。
 なぞりあげるように彼の指が肉芽を擦り上げる。瞬間、先ほどの比ではない強烈な刺激が駆け抜けた。

「ああっ! あっ、あ……やぁ! んんっ」

 強すぎる快感に頭が考えることを放棄していく。涙を堪えるなど、もう無理だった。甘い痺れに感電したように、幸菜の体が小刻みに跳ねる。

 お願い。許して。もうやめて。

 泣きながらに訴えるが、彰久が聞き入れることはない。幸菜の怯える姿は、彼の嗜虐しぎゃく心を煽るばかりだった。
 無骨な指が、おもむろに蜜口を撫でる。
 逃れたい一心で後ずさろうとした幸菜を責めるように、彼は勢いよく指を突き刺した。

「っあああっ!」

 湯殿に高い悲鳴が響く。痛みを訴え幸菜の涙が増す。
 彼は獰猛どうもうな光を目に宿らせていた。自分が失策をしたのだと、気づいてももう遅い。
 彰久が入れたのは、指わずか一本。だというのに彼女の体が訴える圧迫感と痛みが意味することは、ただ一つ。

生娘きむすめか」

 あからさまな言葉に、幸菜の顔が赤く染まる。
 彰久は満悦の笑みを浮かべた。
 焦らすような動きだったそれが、途端に荒々しく暴れ出した。

「やぁっ、んー! ふ、ぁう、っ!」

 彰久の手が肉芽に触れ、執拗しつようなまでに幸菜の中を刺激し続けた。胸の頂を捏ねるように弄られ、耳や首筋に舌を這わされる。吸い付かれた後には赤い痕が刻まれた。
 隘路あいろを押し開く彰久の手は止まることはなく、やがて愛液のおかげか少しずつ痛みが和らいだけれど、指を増やされればまた圧迫感に身悶える。
 翻弄ほんろうされ、堪えることもできず、幸菜はただ喘ぐしかなかった。火照る体は何度も痙攣けいれんして、次第にあらがう力を失っていく。意識まで飛びそうになるのを繋ぎとめるので精一杯だった。

 幸菜が涙を零すたび、彰久は機嫌を良くしていく。すがるように衣を握る手を握り返し、むさぼるように唇に食らいついた。
 何もかもを奪い尽くすような激しさが、幸菜の最後の力さえも消し去る。
 指を動かすことさえ億劫おっくうなほど体が重い。頭の中がぼうっとする。
 幸菜の呼吸は上がりきっているのに、彰久は僅かの乱れもなく平然としていた。

「ひっ……!?」

 大きな手が幸菜の腰を掴む。添えられた熱いかたまりに、ぎくりと体が強張った。
 かたかたと小さく震える。出しきったと思った涙がまたぼろぼろと零れた。
 力の入らない腕を必死に持ち上げて押し退けようとしたけれど、それは容易く捕らえられ、封じられてしまう。
 頭の中でけたたましく警鐘が鳴っていた。逃げろと脳が命令しても、目をそらすことさえできない。

 無理だ。無理だ。

 彰久の、剥き出しにされた欲望の塊。初めて目にする凶暴なそれに、羞恥しゅうちよりも恐怖が勝った。

「い、やだ……無理……、おねがい……」

 やめて、となおも拒む幸菜を見下ろす彰久の瞳は情欲に塗れていた。
 ぐっと強く押し当てられる。息を呑んだ彼女の唇を覆い、激しく口内を暴いた。

 その瞬間。

「ーーーーーーーー!!」

 彰久が自身を幸菜の中に突き立てた。
 声にならない悲鳴をあげて、幸菜の目が限界まで見開かれる。白い細首が晒け出された。
 彰久は眉間を寄せたまま、苦しげに息を漏らした。はくはくと動くだけの幸菜の唇に自分のそれを重ねて息を吹き込む。

「っく、さすがに、狭いな」
「っああああ!! たすけ…っやああっ!!」

 きつく締め付けられながら、彰久は何度も腰を動かした。引き裂かれるような痛みに幸菜は悲鳴を上げるが、彼が止まることはない。
 強く、最奥をこじ開けるように何度も打ち付けられる。圧迫される苦しみと壊される恐怖に、幸菜は泣き叫ぶしかできなかった。
 けれど、不意に。

「っひゃあ!?」

 幸菜の声が変わった。うそ、と唇だけが動いた。
 一点を突かれた途端、痛みをしのいでまたあの電流が身体中を駆け巡った。

 だめだ。あんなの、頭がおかしくなる。

 けれど彰久は、そこを狙い出した。時折掠めるだけだった動きは、ついに幸菜の弱点を見つけ出した。

「ひぅっ! ぅあ、あん! ぁめっ、やめてぇ……っ!」

 いつしか痛みは消えていた。頭に直接響く快感だけが溢れている。突かれるたび、体は正直に反応していた。
 急に、彰久の動きが加速する。
 追い込むようなそれに幸菜は顔を青ざめさせた。

「だめっ、あっ、……ぁあ! それっ…それ、だけはぁ……っ!」

 幸菜の懇願を阻むように、彰久が激しく責め立てる。
 最奥に一際強く押し付けた時、幸菜の中で熱い飛沫が弾けた。

「ひ、っあああぁあ!」

 幸菜の体が弓なりに反る。灼きつけるような熱が内側から浸食していく。目の前が真っ白になって、意識が急速に遠ざかっていく。
 彰久はまだ動いていた。吐き出したものを、幸菜の中に馴染ませるように。
 気を失う間際、幸菜の目尻から最後の涙が零れ落ちた。
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