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5.マリア記念
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ツーノッパ王国のホースレースには、3つの大きなタイトルがある。
1つ目はジョッケ賞。ダービーとも言われる有名な大会で、国内で育った3歳馬たちを集めて行う。
2つ目は戦勝門賞。上半期を代表するホースレースで、外国からも多くのウマを招いている。
そして、その2つよりも規模が大きく、12月のクリスマスイブに行われる一大イベントが……マリア記念である。
会場は、可能な限り人を集めたという感じにごった返し、貴族たちや教会関係者も、自慢のウマと乗り手たちを持ち寄っているみたい。
パドックを歩いているだけでも、毛並みの良いウマしかいないから、私とライトオブハート号が場違いな雰囲気になっている。
司教と国王は笑ってこそいたけれど、早くも火花を散らしていた。
「陛下……今年こそは、我ら教団が勝たせて頂きますぞ!」
「何を……今年もマリア様の栄冠は我らが頂く!」
彼らはまだ、挨拶が出来るだけマシという感じ。
教会関係者は出走できた教会と、出来なかった教会で睨み合っているし、貴族たちに至っては、虎視眈々とライバルたちを出し抜こうとしているのが、表情を見ただけでわかるほどだった。
そんな異様な雰囲気のなか、ライトオブハート号は淡々と準備運動をしていた。
なんだかあまりに大人しくて彼らしくないように感じる。ライト号でも緊張することってあるのかな?
私の不安を他所に、淡々と準備は進んでいく。
17頭のライバル達がスタートラインに着くと、私たちは一番外側に陣取った。
この位置は、一番勝率が悪い場所だと聞いているけれど、それでも観客たちの期待は大きいみたい。
「いけーーーライト号!」
「クソ貴族や生臭神父共に、目にモノ見せてやれ!」
スタッフが旗を挙げると当時に、ウマたちは走り出した。
いや、彼らはウマじゃない。レースが始まったと同時に、参加したウマのうちの6頭の額から角が現れている。
だけど、そんなライバルたちには目もくれずに、ライトオブハート号は先頭を取った。
え……? この走りって……もしかして……
「大逃げ!?」
「うん……元の世界に戻るのなら、ウマの限界を超えないとね!」
ライトオブハート号は、そう言い終えると遥か先を睨んだ。
このマリア記念は2400メートルを走る戦いなの。だからぐるりとコースを1周することになるのだけど、ライト号は第1コーナーへ入ったときには、後続のライバルたちの足音が小さくなっていた。
そして、第2コーナーへと入ったときには、観客の歓声しか聞こえなくなっている。多分だけど20メートル差くらいかな。
そのまま彼は向こう正面を走っていく。距離は更に広がっているみたいだけど、ここまで来るとどれくらい距離が開いているのかわからない。
第3コーナーに入ると、ライト号は少し足運びを緩めて一息入れていた。少しずつ後続のライバルたちが迫ってきているけれど、彼は問題なさそうに休憩している。
そして第4コーナーに入ってもライト号は休憩していた。
足音が少しずつ大きくなってきたけれど、これも彼の想定の範囲内何だろうね。
最後の直線に入ったとき、彼と2番手の距離は7メートルくらいまで縮んでいた。
「しっかり掴まってて!」
「うん!」
私が返事をすると同時に、ライトオブハート号はラストスパートをかけた。
ここにきてビリから追い込む時のような鋭い末脚を使うのだから恐ろしい話だと思う。再びライバルたちの足音も小さくなっていくなか、流れに逆らうように挑みかかってくる猛者たちがいた。
そのライバルは4頭いたが、うち3頭はユニコーンだった。
国王肝いりの前回優勝ユニコーン。王妃の秘蔵っ子オークス牝ユニコーン。司教が息子のように大事にするダービーユニコーン。そして城下町の市民たちが愛する最強の無名ウマ。
最強の無名ウマは、その額から角を現すと、まっすぐにこちらを睨んできた。
そしてまず、王妃の秘蔵っ子を抜き、次に司教のダービーユニコーンを抜き、そして前回優勝の国王のウマをも抜いて見せる。
今までは不安定だった角も、次第としっかりと質感を現すと、そのままこちらに向かってきた。
「ライト!」
「大丈夫!!」
最強の無名ウマが、残り1メートルまで競ってくると、ライトオブハート号はギアを一段上げるように……いや、更に強力なスパートを見せて突き放してみせた。
そのまま残り50メートルのラインを越えた。
最強の無名ウマは、一角獣になってまだ食らいついてくる。
だけどライトオブハート号は、ペースをじりじりとつり上げて、無名の一角獣を突き放した。
今、ゴールポストを越えた……着差は2馬身半! 約6メートルだった。
だけど、ライト号は脚運びを緩めることなく言った。
「ねえ……」
そう言うと彼はここで角を額から現すと、私の身体をふわりと浮かび上がらせていく。
「ちょっ……私は……」
「もう、お帰り……ミライ!」
ライト号はそう言うと私の身体を浮かび上がらせて、そのまま元の日本の世界へと強制送還した。
――――――――
――――
――
―
私は自分の部屋のベッドに寝転がって、天井を見上げていた。
胸の上に重い袋が乗っている。これ……私が彼と一緒に異世界の競馬で稼いだ金貨だろう。
ライト号は、レースが終わったら戻るか留まるか聞くと言っていた。
だけど、約束を反故にして私を元の世界に戻した。
一緒にレースをするのが嫌だったのかな? だから……マリア記念で追い出された?
…………
…………
レースを思い返してみると、彼との充実した日々を思い返してしまう。
だけど、やはり最後のレースだけは異質だった。観客席も……
いや、彼だけが異質ではなかった!
今から思い返してみると……ホースレースの会場では、教団の信者たちが口々に私を「魔女!」と罵っていた。
あれは有馬記念ではなく、マリア記念。きっと、聖なる加護を受けているはずの王やツーノッパの人間ではなく、異教徒である私が勝つことが……許せなかったのだと思う。
「……このまま……終わらない!」
そう呟くと、私はずっしりと重い革袋を枕元に置いた。
1つ目はジョッケ賞。ダービーとも言われる有名な大会で、国内で育った3歳馬たちを集めて行う。
2つ目は戦勝門賞。上半期を代表するホースレースで、外国からも多くのウマを招いている。
そして、その2つよりも規模が大きく、12月のクリスマスイブに行われる一大イベントが……マリア記念である。
会場は、可能な限り人を集めたという感じにごった返し、貴族たちや教会関係者も、自慢のウマと乗り手たちを持ち寄っているみたい。
パドックを歩いているだけでも、毛並みの良いウマしかいないから、私とライトオブハート号が場違いな雰囲気になっている。
司教と国王は笑ってこそいたけれど、早くも火花を散らしていた。
「陛下……今年こそは、我ら教団が勝たせて頂きますぞ!」
「何を……今年もマリア様の栄冠は我らが頂く!」
彼らはまだ、挨拶が出来るだけマシという感じ。
教会関係者は出走できた教会と、出来なかった教会で睨み合っているし、貴族たちに至っては、虎視眈々とライバルたちを出し抜こうとしているのが、表情を見ただけでわかるほどだった。
そんな異様な雰囲気のなか、ライトオブハート号は淡々と準備運動をしていた。
なんだかあまりに大人しくて彼らしくないように感じる。ライト号でも緊張することってあるのかな?
私の不安を他所に、淡々と準備は進んでいく。
17頭のライバル達がスタートラインに着くと、私たちは一番外側に陣取った。
この位置は、一番勝率が悪い場所だと聞いているけれど、それでも観客たちの期待は大きいみたい。
「いけーーーライト号!」
「クソ貴族や生臭神父共に、目にモノ見せてやれ!」
スタッフが旗を挙げると当時に、ウマたちは走り出した。
いや、彼らはウマじゃない。レースが始まったと同時に、参加したウマのうちの6頭の額から角が現れている。
だけど、そんなライバルたちには目もくれずに、ライトオブハート号は先頭を取った。
え……? この走りって……もしかして……
「大逃げ!?」
「うん……元の世界に戻るのなら、ウマの限界を超えないとね!」
ライトオブハート号は、そう言い終えると遥か先を睨んだ。
このマリア記念は2400メートルを走る戦いなの。だからぐるりとコースを1周することになるのだけど、ライト号は第1コーナーへ入ったときには、後続のライバルたちの足音が小さくなっていた。
そして、第2コーナーへと入ったときには、観客の歓声しか聞こえなくなっている。多分だけど20メートル差くらいかな。
そのまま彼は向こう正面を走っていく。距離は更に広がっているみたいだけど、ここまで来るとどれくらい距離が開いているのかわからない。
第3コーナーに入ると、ライト号は少し足運びを緩めて一息入れていた。少しずつ後続のライバルたちが迫ってきているけれど、彼は問題なさそうに休憩している。
そして第4コーナーに入ってもライト号は休憩していた。
足音が少しずつ大きくなってきたけれど、これも彼の想定の範囲内何だろうね。
最後の直線に入ったとき、彼と2番手の距離は7メートルくらいまで縮んでいた。
「しっかり掴まってて!」
「うん!」
私が返事をすると同時に、ライトオブハート号はラストスパートをかけた。
ここにきてビリから追い込む時のような鋭い末脚を使うのだから恐ろしい話だと思う。再びライバルたちの足音も小さくなっていくなか、流れに逆らうように挑みかかってくる猛者たちがいた。
そのライバルは4頭いたが、うち3頭はユニコーンだった。
国王肝いりの前回優勝ユニコーン。王妃の秘蔵っ子オークス牝ユニコーン。司教が息子のように大事にするダービーユニコーン。そして城下町の市民たちが愛する最強の無名ウマ。
最強の無名ウマは、その額から角を現すと、まっすぐにこちらを睨んできた。
そしてまず、王妃の秘蔵っ子を抜き、次に司教のダービーユニコーンを抜き、そして前回優勝の国王のウマをも抜いて見せる。
今までは不安定だった角も、次第としっかりと質感を現すと、そのままこちらに向かってきた。
「ライト!」
「大丈夫!!」
最強の無名ウマが、残り1メートルまで競ってくると、ライトオブハート号はギアを一段上げるように……いや、更に強力なスパートを見せて突き放してみせた。
そのまま残り50メートルのラインを越えた。
最強の無名ウマは、一角獣になってまだ食らいついてくる。
だけどライトオブハート号は、ペースをじりじりとつり上げて、無名の一角獣を突き放した。
今、ゴールポストを越えた……着差は2馬身半! 約6メートルだった。
だけど、ライト号は脚運びを緩めることなく言った。
「ねえ……」
そう言うと彼はここで角を額から現すと、私の身体をふわりと浮かび上がらせていく。
「ちょっ……私は……」
「もう、お帰り……ミライ!」
ライト号はそう言うと私の身体を浮かび上がらせて、そのまま元の日本の世界へと強制送還した。
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私は自分の部屋のベッドに寝転がって、天井を見上げていた。
胸の上に重い袋が乗っている。これ……私が彼と一緒に異世界の競馬で稼いだ金貨だろう。
ライト号は、レースが終わったら戻るか留まるか聞くと言っていた。
だけど、約束を反故にして私を元の世界に戻した。
一緒にレースをするのが嫌だったのかな? だから……マリア記念で追い出された?
…………
…………
レースを思い返してみると、彼との充実した日々を思い返してしまう。
だけど、やはり最後のレースだけは異質だった。観客席も……
いや、彼だけが異質ではなかった!
今から思い返してみると……ホースレースの会場では、教団の信者たちが口々に私を「魔女!」と罵っていた。
あれは有馬記念ではなく、マリア記念。きっと、聖なる加護を受けているはずの王やツーノッパの人間ではなく、異教徒である私が勝つことが……許せなかったのだと思う。
「……このまま……終わらない!」
そう呟くと、私はずっしりと重い革袋を枕元に置いた。
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