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一章 転生人生の幕開け

診察

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「アーニコ、この先に余の娘がいる。診察を頼む」

「承知いたしました。」

「アーニコ、娘を見るにあたって
何か必要なものとかは、あったりするか?」

「うーん、そうですね。では、ものではなく1つお願いをしてもよろしいでしょうか?」

「かまわぬ」

「では、遠慮なく。
この先、姫様を診察するにあたって誰もこの部屋に入れないでくれませんか?」

「お前何を言っているのか、わかっているのか!?姫様とお前だけにするなど言語両断!!
王族に不敬だ」

「待て、宰相。
知識王がそう言っているのなら、それに
従うしかあるまい。もう余には、娘を助ける方法が知識王に頼ること、それしか見当たらぬのだ」

「ぐっ、王様がおっしゃるのであれば」

「ありがとう存じます。王様」

「では、娘を宜しく頼む」

「はい。」

王様に、部屋に姫と2人だけに
してもらう許可をしてもらった
私は、早速部屋に入ると
明かりをつけ、広い部屋の中、
ベッドに横たわりにきつそうに息を吐く女性の元に駆け寄り診察を始めた

「とても、過呼吸。それに、肌の色が青白い。
そして、高熱
生きていること自体が不思議なくらいだ」

この状態から、本当に回復させる事が私にできるだろうか?

いや、ネガティブに考えては、ダメだ
やるだけやってみないと!!
私にはゲームの知識とルイルがついているから
可能に決まっている!!


「まずは、ある程度、みてわかる程度の診察はした。次に重要なのが、何が原因か探る事だ」


「スキャン」

この魔法は、前世でも「読み取る」などの意味に使われていたので自分が風邪をひいたとき
暇すぎて作った魔法だ。
効果はちなみにきちんと、試している

「さてと、姫様の症状の原因はっと」

「!?」

「なるほど、そう言う事か。それなら、理解もできるな。」



姫の体調が悪い原因は「呪い」だった。
しかも、強い呪い

何故なら
この呪いをかけたのは魔族だった

「でも、どうして、魔族なんて。
うん?でも待てよ。なんか今、思い出しそうな、気が…」

「魔族、姫、体調不良、王…。」

「思い出した!!そうだ、そうだった!!
これは、きみまほのイベントだ!!」

姫は長い間、謎の病にかかり
長い間、城に閉じ籠ることになった。
それも、主人公が学園に通い始める年
つまり、14歳までずっと…。

その噂を、聞きつけた主人公は、
攻略キャラと一緒に、その原因を探り
主人公の覚醒により、回復するというイベント

なんで!!今まで忘れていたの!?
こんな、大事なイベントのこと

でも、待てよ、これは、
言い訳にしかすぎないけど
姫は、キャラデザがなく、言わば
村人と同じ様に人影だけ描かれていたため
あまり、記憶に残っていないだよ!!
それに、アーニコ様はこの、イベントに少ししか登場していないから。

だから、忘れてたんだよ。うん。うん

待って、これ逆に苦しい言い訳だよ!!

恥ずかしい、あんなに自分に
きみまほに関することでわからない事なんてないと思ってたのに、イベントを忘れるんだよ

これは、名誉挽回のためにも絶対に
姫を助けてみせる!!
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