三鍵の奏者

春澄蒼

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第四章 地下に眠る太陽のカケラ

55 アスカ

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****** 
 私たちがアスカと名付けたその子は、とても不思議な女の子でした。

 第一に産まれも不思議なものでしたが、それ以上に私たちを驚かせ続けました。

 まずは太陽が毒になる体質です。

 家の中であっても、窓から射し込むほんの少しの日光が肌にヤケドを作る。
 日中は目も開けていられないほどで、屋外に出ようものなら、全身が焼けただれて……それはもうひどいものでした。

 私たちはすぐに引越しを決めました。

 大山脈の山腹にあった家を、少し無理をして地下へと変えました。

 妊娠の兆しもなかった妻が、いきなり子どもを抱いて現れることになったら、近所の人たちは怪しみますから、そう思えば知り合いのいない土地への引越しは、必然でした。



 新しい家では、アスカもヤケドを作ることもなくすくすくと育つことになります。

 母乳を必要とせず、産まれた直後から離乳食を食べられたことも、私たちを驚かせました。

 まるで私たちが育てやすいように、岩の中である程度成長してから産まれてくれたように感じるほどでした。


 幼いころからあまり泣くことのない物静かな子で、とても頭がよかった。

 私たちが教えなくとも、なぜか自分の生まれを知っていて、自分が私たちと『違う』ということを受け入れていました。

 その上で、アスカは私たちを親として認めてくれていたのです。


 転機が訪れたのは、アスカが私たちの元へ来てから八年目のことです。


 頭のよい子でしたから、自分が他の子と『違う』ことが周囲に分かれば、騒ぎになると予想できたのでしょう。

 同年代の子どもたちと遊ぶこともせず、家の中で手伝いばかりしていました。
 太陽の沈んだ真夜中ならば、アスカも地上に出られたのですが、それもあまり好まなかったのです。

 それを見かねた私が、彼女を地下の採掘場に連れて行きました。

 地上の世界を知ることができないならばせめて、地下にも広い世界があることを知ってほしかった。


 アスカはそれから毎日のように、地下を探検するようになりました。

 不思議なことに彼女は、光源が全くなくとも目が見えたし、地図もない迷路のような道をスタスタと歩くことができました。

 さらに、宝石や鉱物を見つけるのが上手かった。
「どうして分かるんだ?」と聞くと、「なんとなく分かるの」と。

 おかげで我が家の家計は助かりました。何せ分不相応な地下に家を持ってしまいましたから、いつも家計は火の車だったのです。


 ……きっとアスカは、それを悟っていたのでしょう。

 そのうち私の目を盗んでは、もっと地下へと潜るようになっていき、そうしてとうとう──今はもう忘れられた遺跡を見つけてしまったのです。

 そこからアスカが持ち帰ったのは、それこそ値段がつけられないような、国宝級の宝石や遺物でした。


 びっくり仰天した私たちに、アスカはキョトンとして「もっとたくさんあったよ」とさらに驚くことを言いました。

 混乱する頭で私は、(まずこの目で確かめなければ!)と思い、アスカにその遺跡へ案内を頼みました。

 しかし私は、そこまで辿り着けなかった……私は途中で意識を失って、アスカに担がれて家に戻ったそうです。

 その時またさらに、アスカの特別な能力を知ることになりました。

 あの子は、普通では息ができないような地下深くにも、平気で赴くことができたのです。


 私たちは悩みました。


 おそらく遺跡まで辿り着けるのはアスカだけ。──このまま黙っていた方がいいのでは?!
 だがこの秘密をずっと抱えていくのか?──我らには荷が勝ち過ぎる!
 これはドワーフの歴史にとっての大発見だ。──全ての民に知る権利があるのでは?!


 ……私たちのそのいらない正義感が、全てを狂わせたのです。



 私はアスカが持ち帰ったものを持って、王弟に会いにいきました。

 王ではなく王弟を選んだのは、現政権の純血主義を、私が嫌っていたためです。

 アスカを知る私たちにとって、王の唱える純血主義は、鼻で笑ってしまう類のものでしたから。

 伝説通り、岩から産まれたアスカを見てしまいましたから。それに……アスカは根本的に私たちとは違っていました。

 それを考えると、今ドワーフと名乗る全ては、ドワーフの子孫ですらないのです。

 アスカだけが、純血のドワーフです。

 私も王も、『ドワーフに似た何か』でしかないでしょう?


 ……いえ、申し訳ない。今はドワーフとは何かなど議論するのはやめましょう。話を続けます。


 私が持参した宝石や遺物を見ると、王弟はすぐに会ってくれました。

 そして当然のように、「これをどこで見つけたのか?」と──私はアスカのことは省いて、私が見つけたことにして語りました。

 しかし……矛盾や曖昧な点を指摘され、私はアスカのことを話さざるを得なくなったのです。

 王弟を騙せるなどと、どうしてそんな能天気だったのか……!


 王弟はアスカに会わせろと要求しました。

 私は……逆らえなかった。


 もちろん、アスカの話を最初は誰も信じませんでした。

 ですが私たちとしては、それでもいいと思っていました。
 アスカの秘密がバレるくらいなら、ウソつきと後ろ指を指されようが、頭がおかしくなったと笑われようが……!

 ですが王弟は「真実を話さなければ、盗人として裁く」と言い出したのです。

 王弟はそれらの品を、私たちがどこかから違法な手段によって手に入れたのだと思っていたようでした。例えば──ドワーフ王家の宝物庫から盗んだのではないか?


 それを聞いたアスカがついに……「証拠を見せる」と私たちをかばってしまいました。


 ……王弟は「もっと詳しく調べる」と言って、私たちからアスカを奪いました。

 会うことも許されずにしばらくが経ち……私たちは人伝てに、聞くことになったのです。

 王弟が『純血のドワーフの少女』を革命の象徴として祭り上げた、と。



 もちろん王弟に抗議に行きました……!
 アスカをそんな見世物にするなど言語道断だ、と。


 しかし王弟は「これはアスカ自身が望んでいることでもある」と言って門前払いするばかり。

 会うことが許されたのは、それから半年も経ってからのことでした。

 ……アスカは笑顔を失くしていました。そして私たちが言葉を尽くしても、「自分の意思だ」と繰り返すばかりでした。


 その直後、私たちは命の危険を感じて、国を逃げ出すことになったのです。……アスカを置いて……!!




******
 ヘイレンが用意した隠れ家で一晩を過ごし、次の日も一行は祭壇の取り巻きに紛れていた。


 一行の目的は、まず『純血の少女』アスカと接触することである。
 そしてラサージェ夫婦から聞かされた話の真偽を確かめるのだ。

 と言っても先日の話し合いでは、ラサージェがウソをつくメリットがないという結論に至ったため、真偽を確かめるというよりも、真実である証拠を求めているといったところだ。

 娘を取り戻したいのならば、純血を主張するよりも、「王弟の話はデタラメで民衆を騙している」と言った方が、話が早いからだ。


 そしてもう一つ、特にフェザントとマイナが確かめたいと主張したことがある。

 アスカ自身の意思である。

 ラサージェの話では、王弟が完全な悪者として語られたが、それが誇張なしの真実なのかどうか。

 ラサージェ夫婦はアスカを取り戻したいとしても、アスカはどちらを望んでいるのか。


「わぁぁぁーーー!!!」


 狂信者のような観客たちに顔をしかめて、フェザントは「……『アスカ』か……他人事に思えなくなっちまったな」と呟く。

 アスカ村の由来となった、『最初の人』アスカ──初めてドワーフと人間の間に産まれた子どもと言われる──の名をもらった『純血のドワーフ』。

『アスカ』という言葉には『未来』や『希望』などの意味があり、ドワーフの女の子には少なくない名付けではある。


 しかしこの一致には、フェザントも何か運命的なものを感じてしまったのだ。

 アスカ村の住人である自分が関わっていることの、巡り合わせを。





***
「あっ!王弟殿下よ!!」

 誰かの叫び声に、一行の視線は中央の祭壇へと注がれる。

 ドワーフにしてはすらっと細身の体に、周囲の兵士たちより煌びやかな鎧を纏って、祭壇に近づいて行く男──周りの声からすると、それが王弟らしい。


「我が民たちよ!!私は皆の代弁者である!間違った純血主義を振りかざす国王に、真実を突きつける者である!歪んだ権力を正す者である!!皆が望む国へと、導く者である!!!」


「……よく口が回るな」
 クレインが半分感心したように呟いた。

 王弟は為政者や王族というよりも、役者のように一行の目には映った。
 それも、本物の役者を知っている彼らからすると、二流の。

 観客の目に自分がどう映るのか、そればかりを考えている。


 長々とした演説に、ヘロンがソワソワと我慢できなくなった頃、やっと一行が待ち望んだ展開が訪れる。


「ここにいる皆は幸運だ!今から神秘を目撃することができるのだ!」

「おっ!『お披露目』があるみてぇだな」

 大歓声に迎えられ、厳重に閉じられていた天幕が揺れる。

「彼女こそ!大地の女神アティラの化身!!」

 小さな体を黒いマントに包んだ少女が、王弟の手に導かれてその姿を現わす。

 頭まですっぽりと遮光性の高い布に守られていて、あれでは前も見えないはずだ。

「アティラ様ーー!!」

 王弟サイドがそう仕掛けたのか、人々はアスカのことを『アティラ』と呼ぶ。
 ドワーフが信仰する大地の女神の名だ。


 王弟は女神を守る騎士を気取ったように少女を先導して、観客の方へと近づいてくる。


 半地下の祭壇には、天井に一ヶ所だけ丸く穴が開いていて、そこから太陽が地面まで光の道を作っていた。

 少し斜めに伸びる光の柱へと向かう、黒ずくめの少女と、赤と金の鎧の王弟の姿は、まるで絵画のように美しい。
 少女のマントに飾られた宝石が、さらにその神々しさを引き立てていた。


 先刻までとはうって変わった静寂──その中で少女は落ち着いた所作で、マントの側面の切れ目から腕を出した。

 そしてその褐色の肌を、光の柱に突き入れた。


 何百人が一斉に息を呑む。


 雄弁な沈黙に見守られながら、じりじりと太陽がその肌を焼く。
 一瞬で、ぶくぶくとした水ぶくれが膨れ上がる。


 ──それはまるで、断罪のようだった。


 太陽が、彼女の存在を許さないとでも言うような。
 光の世界からの拒絶とでも言うような。


 わぁぁぁぁーーーー!!!!


 祭壇は熱狂に包まれた。


「……王弟は演出家でもあるな」
 その熱をサラリと受け流して、カイトは嫌味を楽しそうに放った。

「確かに。観客を意識してるっていうか、『魅せる』っていうか」

「知ってた俺たちでも、ちょっと呑まれそうになったなぁ」

 クレインとフェザントが、目に焼き付いた光景を追い払うように頭を振って、カイトに同意する。


 一行以外はまだ、取り憑かれたように声を上げ、拳を突き上げ、地面を打ち鳴らしていて、しばらくこの狂乱は収まりそうにない。



「あ、あれ?ヘロンは?」

 どうしようかと顔を見合わせたところ、仲間が一人足りないことに気づいて、ラークがキョロキョロと探す。

 この人混みに流されたのか、自分でもっとよく見える場所へと向かったのか──どちらにしても「まあ、ヘロンだから大丈夫だろう」と全員が無言で頷いた、その時──


「たぁ~いへ~んだぁぁぁぁ!!!!」


 何百人の大歓声に負けないヘロンの声が、一行の足元から響いた。

 視線を下にすると、前に並んでいた人の脚の間から、にゅっとヘロンの顔が覗いている。

「おぉう!!なんだ?!びっくりさせやがって!」
「ちょ、ヘロン!どっから……」

 腰を抜かしそうになったフェザントと、飛び上がったラークを無視して、さらにヘロンは「大変なんだってっ!!」とわめく。


「カイトっ!おれ、見ちゃって!一番前でっ!!腕、出した時に、ちらって!!」


「どうした?」
 カイトが落ち着けと宥めても、ヘロンはわぁわぁと要領を得ない。

 そのうち自分でも何を言っているのか分からなくなったのか、ヘロンは「ああっ、もう!!」と頭を掻きむしってから、カイトの手を取った。


「いいから、来てよ!!あっ!ラーク、お前も来い!!」

 右手にカイト、左手にラークを連れて、ヘロンはズンズンと人混みに突入していく。


「一番前にいたら!フワッと風が吹いた時に、下からマントの中が見えて!そしたら胸の辺りにキラってっ!でも俺の見間違いかもしれないから──!!」

 途中からカイトが子ども二人を抱え上げ、無理矢理人の間を縫って、最前列へと辿り着く。

 祭壇の上ではまだ、王弟が手を振っている。
 アスカと思われる黒い塊は、王弟の手に押されて、観客の手が届くほどの距離まで来ていた。


「ラーク!あのマント、ひら~ってさせろよ!」
「えぇ?!」
「ほら、この笛で風を呼んでさ!」

 ヘロンはラークの胸元から、首に下げられた銀色の細長い筒を取り出した。仲間うちで『妖精の笛』と呼ぶ、アレだ。

 ほとんどの者には聴こえない笛の音で、風に語りかけ風に『お願い』をすることができる。

 この笛はカイトも使うことができるのだが、特に繊細な『お願い』はラークの方が上手だということがあって、ヘロンはラークを引っ張って来たらしい。


 どうしよう?とお伺いを立てるラークに、カイトは躊躇わず促した。
「下から吹き上げるように──あまり太陽には晒さないように、やってみてくれ」

「う、うん……」


「胸のへん!!よ~く見ててよっ!!」
 ヘロンの忠告を合図に、ラークは笛を唇に寄せた。

(風よ、力を貸して!地を這うように……でも強くなくていいよ!優しくあのマントを……!)

 次の瞬間、観客の背後から足元を風が伝い、祭壇の段差に当たって、上へと吹き上げる。

 そして、暑苦しい黒いマントに優しい風が吹き込んだ。

 ふわっ、と舞い上がり、祭壇の真下にいた者にだけ、その中が──

「あっ!!」
「やっぱり!!」
「……っ!!」

 三者三様の驚愕──それは、マントの中の小さな体躯の、その胸元に揺れる赤色に注がれている。


「……見つけた」


 カイトは噛みしめるように呟いた。

 探し求めていたものが、何の前触れもなく目の前に現れた。
 茫然と力が抜けた後、カイトは爪の跡が残るほど拳を握り締める。


 すでに赤は、マントの黒に隠されてしまっていたが、三人にはまだその鮮やかな火の粉が目の前に舞っているように思えた。

 東の海で、船上で、ユエの掌の上で見たものと、同じ形。ただ、色だけが違った。


 ほのおの化身のような、紅く、美しい鍵。


「……やはりあったか……『ドワーフの鍵』!!」


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