世紀末な転移先で覇王に捕まりました〜この世界で生き抜くなんて無理っ!絶対無理っ!〜

三谷玲

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.女に襲われるなんて無理っ!絶対無理っ! 2

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 女の園……。なんて甘美な響きなんだ!
 この世界のことを知る上でも、行ってみたい! あわよくば、お近づきになりたい!
 ただ、昨日の今日で出歩いてだいじょうぶか、心配になったので一応サイに確認することにした。

「案内する予定でしたので、ご一緒します」

 というわけで、サイとレンと俺の三人でいざ! 女の園へ!

 女の園は、闘技場と同じ地下にあった。
 人力エレベーターで下りてから、闘技場とは反対側。大きな扉の前には相撲取りみたいな巨漢がふたり。守るように立っていた。

「なんか物々しいな」
「ときおり発情した者が乱入しようとするので、警備は厳重です。この中には女しかいませんからね」
「ちゃんと、守られてるんだな」

 出産で死ぬ人が多いって言ってたし、きっとみんなか弱いんだろう。
 はかなげ褐色美女……。いいな。
 サイが門番ふたりに合図をすると、重い扉が開いた。
 中からそよぐ風は、この世界に来てはじめて感じた土と緑、そして花の香りがした。

「え……? ここ、地下じゃなかったの?」

 そこに広がっていたのは、草木が茂る緑の楽園だった。

「マナ様、上を」

 促されて見上げるとそこにはガラス越しに青い空が見えた。

「温室みたいだ。あんな大きなガラスあるんだ……。割れたりしない?」
「二百年間、割れたりひびが入ることもありません。上に人が乗っても丈夫です。地下の遺跡から掘り起こされた不思議な素材なんですよ」
「へぇ……」

 たしかに上に数人、歩いている人影が見えた。なにかモップのようなもので磨いていた。
 塔の真下にこんなとこがあったなんて。灯台下暗しってやつ?

「チーダの民にとってここは楽園であり、要でもありますからね。厳重な警備も手入れも欠かせないんです」
「女の人はすごい守られているんだな」
「それが、先代のアンダーウォーカーからの教えですから。この場所自体、彼女のために作られたんですよ」

 ふぅん。二百年前のアンダーウォーカーは女の人だったんだ。どんな人なんだろう?
 俺の時代から二百年前って言ったら、江戸時代。
 俺と同じように異世界転移してきたとしたら……。ずいぶん苦労したんだろうな。
 転移物のアニメやマンガがあるわけじゃないだろうし、死後の世界とでも思ったかもしれない。地獄とか。
 俺も最初は地獄だと思ったもんなぁ。
 ……死んでないとも限らないけど。

 呆然と見上げながら、前のアンダーウォーカーのことを考えていたら、遠くから人の声が聞こえてきた。

「サイっ! なにぼさっとしてんの! 早く来なさいっ!」

 たしかに女性の声ではある。
 だけど、俺が想像していたはかなげな美女とはほど遠い。
 よく通る威圧感たっぷりの声が聞こえてきた。
 
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