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第1話 屋上の少女
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神谷春樹にとって、本は現実の世界から身を守るための、唯一の手段だった。
現実は、いつだって彼には少しだけ息苦しい。言葉を選びすぎるあまり、タイミングを逃して黙り込んでしまう。その沈黙を、クラスメイトたちは「何を考えているかわからない奴」と結論づけた。家に帰れば、共働きの両親との会話。学校の成績と明日の予定を確認する事務連絡で終わる。誰も、彼の心の中にある、言葉にならない想いの渦になど気づいてはくれない。だから春樹は、本の世界へ逃げ込んだ。ページをめくれば、そこには秩序立てられた美しさと、完成された感情の波があった。誰かに誤解されることも、返答に困ることもない。インクの匂いがする静かな空気だけが、彼が安心して呼吸できる場所だった。
月に一度の定期検診は、そんな彼の日常の中でも、とりわけ息が詰まる時間だった。
潮見ヶ丘総合病院の待合室は、不安という言い表せないモヤモヤしたものに満たされ、空気が重い。消毒液の匂い……誰かの咳……無機質なアナウンス。それら全てが、彼の気管を物理的にも、精神的にも締め付ける。軽い喘息持ちという診断は、まるで彼の生き方そのものに下された診断書のようだった。
椅子の一番隅、そこが彼の定位置。膝の上で開かれた文庫本だけが、この息苦しい現実から彼を切り離してくれる。
「――神谷春樹さん。三番診察室へどうぞ」
今日もまた、変わり映えのしない診察が始まる。聴診器の氷のような冷たさが背中を走り、吸入器の機械音が耳にこびりつく。
「変わりないですね、また来月いらして下さい」
その言葉は、「君の世界は、来月も何も変わらない」と告げられているかのようだった。
薬局へ向かう母親の背中に小さく頷き、春樹は吸い寄せられるようにエレベーターホールへと足を向けた。彼が押すボタンは、決まって最上階を示す『R』の文字。
屋上。
そこは、地上から切り離された、空に一番近い場所だった。
軋む音を立てて重い鉄の扉を押し開けると、初夏の光と風が、祝福してくれるかのように彼を迎え入れた。むわりとした生温かい大気が、凝り固まった身体を優しく包む。眼下には、彼が住む潮見ヶ丘の町が、精巧に作り上げられたジオラマのように広がっていた。キラキラと銀鱗を躍らせる海。ミニカーのようにゆっくりと動く車。遠くの港から、ポーという船の汽笛が、まるで世界が深呼吸しているように、長く、穏やかに響き渡る。
春樹は、ゆっくりと息を吸い込んだ。消毒液の匂いではない、本物の潮の香り。錆びた鉄の匂い。そして、太陽に熱せられたコンクリートの乾いた匂い。それら全てが、彼の五感にしみわたり、強張っていた肺を優しく解きほぐしていく。
フェンスに指をかけ、目を閉じる。ここに来れば、いつも少しだけ、自分と世界との境界線が曖昧になる気がした。風と一つになれるような、そんな錯覚。
どれくらいそうしていただろうか。
ふと、目を開けた。その瞬間、彼の世界の法則が、音もなく崩れ去った。
いるはずのない場所に、人がいた。
すぐ目の前。『関係者以外立ち入り禁止』の古びたフェンス。その向こう側に、一人の少女が、まるで最初からそこに咲いていた花のように静かに立っていた。
風に揺れる白いワンピースは、陽光を透かして、彼女の輪郭を淡く発光させているようだった。つばの広い麦わら帽子が、その表情に柔らかな影を落としている。
少女は、春樹がここにいることなど、まるで意に介していないかのようだった。彼女が見つめているのは、この世界の天井である、どこまでも広がる青い空だけ。やがて彼女は、両腕をわずかに広げ、まるで世界中の風をその小さな身体に集めるかのように、ゆっくりと、深く、恍惚とした表情で息を吸い込んだ。
そして、全ての風を味わい尽くしたかのように、満足げに呟いた。
「――見つけた。今日の風、一番いい匂い」
その声は、春の小川のせせらぎのように澄んでいて、涼やかだった。
風に、匂い……。
春樹には、ただの潮風としか感じられない。けれど、彼女の言葉を聞いた瞬間、彼の周りを流れる空気が、何か特別な意味を持ち始めたような気がした。
不意に、少女がくるりとこちらを向いた。
心臓が、鷲掴みにされたかのようだ。夜の湖のように深く黒い瞳が、真正面から彼の心を射抜く。見つかってしまった。僕だけの世界に、無断で踏み込んで来た。いや、違う。もしかすると、僕の方が、彼女の世界に迷い込んでしまったのかもしれない。
逸らさなければ。目を、逸らさなければ。頭ではそう思うのに、身体は全く動かない。
少女は、ぱちりと一度、長いまつ毛を揺らして瞬きをした。そして次の瞬間、その唇の端が、三日月のようにゆっくりと持ち上がり、満開の花のように、柔らかく、人懐っこい笑顔が咲いた。
「君も風、好きなの?」
言葉が、声が、音にならない。喉がからからに乾いて、舌が上顎に張り付いている。何かを言わなければ。何か気の利いたことを。いや、気の利いたことなんて、今まで一度だって言えたためしがないじゃないか。
春樹が一人、無言のパニックに陥っていることなど、少女は気にも留めない。彼女は、楽しそうに空を指さした。まるで指揮者のように、そのしなやかな指先が、青いキャンバスの一点を指す。
「見て。あの雲、金魚みたいじゃない? ふわふわ、空を泳いでる」
金魚。
その単語に、春樹は導かれるように空を見上げた。白い雲。いつも見ている、ただの雲の群れ。どこにも、そんな生き物はいない。
だが、彼女の弾むような声を道しるべにもう一度、空という大きな水槽を見つめると、魔法は、再び起こった。一番大きな雲の塊が、ふっくらとした和金の胴体に見えてくる。そこからちぎれて尾を引くように流れる雲が、優雅に揺れる長い尾びれと重なる。風に乗り、青い無限に続く水の中を、ゆったりと、しかしどこか寂しげに泳いでいる。
確かに、それは金魚だった。今まで何百回と見てきた空が、少女の一言で初めて物語を宿した。
「……金魚ってさ」と、少女は続けた。その声には、先ほどまでの快活さとは違う、少しだけ翳りのある響きが混じっていた。
「ガラスの中しか泳げなくてどこか悲しいけど、すごく綺麗だよね。命が透けて見えるみたいで」
春樹には、その言葉の本当の意味は、まだわからなかった。
「……どうして、ここに?」
自分でも驚くほど、声が震えていた。彼女の言葉の真意に触れるのが怖くて、当たり障りのない質問に逃げることしかできなかった。立ち入り禁止の、その向こう側。
少女は、その問いに少しだけ考えるように小首を傾げると、悪戯が成功した子どものように、くすりと笑った。
「んー、冒険かな。ここ、一番空に近い気がするから。空に溶けちゃえるくらい、近くまで行ける気がするの」
その時だった。二人の間に流れる特別な時間を破るように、階下から、少し切羽詰まった大人の女性の声が響いた。
「七海ちゃん! 七海ちゃん、どこ?」
少女は「あっ」と小さく声を漏らすと、その顔に一瞬だけ、言いようのない寂しげな色がよぎったのを見てしまった。だが、それも束の間。彼女はすぐに「見つかっちゃった」と、ぺろりと舌を出しておどけてみせた。
彼女は名残惜しそうに、最後にもう一度だけ空を仰ぐ。そして、春樹に向き直った。
「またね」
別れの言葉は、それだけではなかった。
「風の友達」
そう言い残し、彼女はひらりと白い蝶のように身を翻すと、看護師の声がする方へと駆けていった。ワンピースの裾が、真夏に降る雪のように、春樹の網膜に焼き付いて消えた。
屋上には、再び、しんとした静寂な世界が訪れた。
春樹は一人、その場に立ち尽くしていた。まるで、嵐が過ぎ去った後のようだった。
風が彼の髪を、頬を、優しく撫でていく。さっきまでの、ただの潮風ではない。彼女が見つけたという、「一番いい匂い」のする特別な風が、確かに彼の周りを旋回しているような気がした。
胸の中に、温かくて、少しだけちくりと痛む、不思議な感触が残っている。彼女の残像。風の匂い。そして、頭の中で何度も反響する、二つの言葉。
――風の友達。
そして、
――空を泳ぐ金魚。
退屈で、息苦しくて、色褪せていた日常の世界。名前も知らなかった少女の姿が、その世界に少しだけ色を与えてくれた。
現実は、いつだって彼には少しだけ息苦しい。言葉を選びすぎるあまり、タイミングを逃して黙り込んでしまう。その沈黙を、クラスメイトたちは「何を考えているかわからない奴」と結論づけた。家に帰れば、共働きの両親との会話。学校の成績と明日の予定を確認する事務連絡で終わる。誰も、彼の心の中にある、言葉にならない想いの渦になど気づいてはくれない。だから春樹は、本の世界へ逃げ込んだ。ページをめくれば、そこには秩序立てられた美しさと、完成された感情の波があった。誰かに誤解されることも、返答に困ることもない。インクの匂いがする静かな空気だけが、彼が安心して呼吸できる場所だった。
月に一度の定期検診は、そんな彼の日常の中でも、とりわけ息が詰まる時間だった。
潮見ヶ丘総合病院の待合室は、不安という言い表せないモヤモヤしたものに満たされ、空気が重い。消毒液の匂い……誰かの咳……無機質なアナウンス。それら全てが、彼の気管を物理的にも、精神的にも締め付ける。軽い喘息持ちという診断は、まるで彼の生き方そのものに下された診断書のようだった。
椅子の一番隅、そこが彼の定位置。膝の上で開かれた文庫本だけが、この息苦しい現実から彼を切り離してくれる。
「――神谷春樹さん。三番診察室へどうぞ」
今日もまた、変わり映えのしない診察が始まる。聴診器の氷のような冷たさが背中を走り、吸入器の機械音が耳にこびりつく。
「変わりないですね、また来月いらして下さい」
その言葉は、「君の世界は、来月も何も変わらない」と告げられているかのようだった。
薬局へ向かう母親の背中に小さく頷き、春樹は吸い寄せられるようにエレベーターホールへと足を向けた。彼が押すボタンは、決まって最上階を示す『R』の文字。
屋上。
そこは、地上から切り離された、空に一番近い場所だった。
軋む音を立てて重い鉄の扉を押し開けると、初夏の光と風が、祝福してくれるかのように彼を迎え入れた。むわりとした生温かい大気が、凝り固まった身体を優しく包む。眼下には、彼が住む潮見ヶ丘の町が、精巧に作り上げられたジオラマのように広がっていた。キラキラと銀鱗を躍らせる海。ミニカーのようにゆっくりと動く車。遠くの港から、ポーという船の汽笛が、まるで世界が深呼吸しているように、長く、穏やかに響き渡る。
春樹は、ゆっくりと息を吸い込んだ。消毒液の匂いではない、本物の潮の香り。錆びた鉄の匂い。そして、太陽に熱せられたコンクリートの乾いた匂い。それら全てが、彼の五感にしみわたり、強張っていた肺を優しく解きほぐしていく。
フェンスに指をかけ、目を閉じる。ここに来れば、いつも少しだけ、自分と世界との境界線が曖昧になる気がした。風と一つになれるような、そんな錯覚。
どれくらいそうしていただろうか。
ふと、目を開けた。その瞬間、彼の世界の法則が、音もなく崩れ去った。
いるはずのない場所に、人がいた。
すぐ目の前。『関係者以外立ち入り禁止』の古びたフェンス。その向こう側に、一人の少女が、まるで最初からそこに咲いていた花のように静かに立っていた。
風に揺れる白いワンピースは、陽光を透かして、彼女の輪郭を淡く発光させているようだった。つばの広い麦わら帽子が、その表情に柔らかな影を落としている。
少女は、春樹がここにいることなど、まるで意に介していないかのようだった。彼女が見つめているのは、この世界の天井である、どこまでも広がる青い空だけ。やがて彼女は、両腕をわずかに広げ、まるで世界中の風をその小さな身体に集めるかのように、ゆっくりと、深く、恍惚とした表情で息を吸い込んだ。
そして、全ての風を味わい尽くしたかのように、満足げに呟いた。
「――見つけた。今日の風、一番いい匂い」
その声は、春の小川のせせらぎのように澄んでいて、涼やかだった。
風に、匂い……。
春樹には、ただの潮風としか感じられない。けれど、彼女の言葉を聞いた瞬間、彼の周りを流れる空気が、何か特別な意味を持ち始めたような気がした。
不意に、少女がくるりとこちらを向いた。
心臓が、鷲掴みにされたかのようだ。夜の湖のように深く黒い瞳が、真正面から彼の心を射抜く。見つかってしまった。僕だけの世界に、無断で踏み込んで来た。いや、違う。もしかすると、僕の方が、彼女の世界に迷い込んでしまったのかもしれない。
逸らさなければ。目を、逸らさなければ。頭ではそう思うのに、身体は全く動かない。
少女は、ぱちりと一度、長いまつ毛を揺らして瞬きをした。そして次の瞬間、その唇の端が、三日月のようにゆっくりと持ち上がり、満開の花のように、柔らかく、人懐っこい笑顔が咲いた。
「君も風、好きなの?」
言葉が、声が、音にならない。喉がからからに乾いて、舌が上顎に張り付いている。何かを言わなければ。何か気の利いたことを。いや、気の利いたことなんて、今まで一度だって言えたためしがないじゃないか。
春樹が一人、無言のパニックに陥っていることなど、少女は気にも留めない。彼女は、楽しそうに空を指さした。まるで指揮者のように、そのしなやかな指先が、青いキャンバスの一点を指す。
「見て。あの雲、金魚みたいじゃない? ふわふわ、空を泳いでる」
金魚。
その単語に、春樹は導かれるように空を見上げた。白い雲。いつも見ている、ただの雲の群れ。どこにも、そんな生き物はいない。
だが、彼女の弾むような声を道しるべにもう一度、空という大きな水槽を見つめると、魔法は、再び起こった。一番大きな雲の塊が、ふっくらとした和金の胴体に見えてくる。そこからちぎれて尾を引くように流れる雲が、優雅に揺れる長い尾びれと重なる。風に乗り、青い無限に続く水の中を、ゆったりと、しかしどこか寂しげに泳いでいる。
確かに、それは金魚だった。今まで何百回と見てきた空が、少女の一言で初めて物語を宿した。
「……金魚ってさ」と、少女は続けた。その声には、先ほどまでの快活さとは違う、少しだけ翳りのある響きが混じっていた。
「ガラスの中しか泳げなくてどこか悲しいけど、すごく綺麗だよね。命が透けて見えるみたいで」
春樹には、その言葉の本当の意味は、まだわからなかった。
「……どうして、ここに?」
自分でも驚くほど、声が震えていた。彼女の言葉の真意に触れるのが怖くて、当たり障りのない質問に逃げることしかできなかった。立ち入り禁止の、その向こう側。
少女は、その問いに少しだけ考えるように小首を傾げると、悪戯が成功した子どものように、くすりと笑った。
「んー、冒険かな。ここ、一番空に近い気がするから。空に溶けちゃえるくらい、近くまで行ける気がするの」
その時だった。二人の間に流れる特別な時間を破るように、階下から、少し切羽詰まった大人の女性の声が響いた。
「七海ちゃん! 七海ちゃん、どこ?」
少女は「あっ」と小さく声を漏らすと、その顔に一瞬だけ、言いようのない寂しげな色がよぎったのを見てしまった。だが、それも束の間。彼女はすぐに「見つかっちゃった」と、ぺろりと舌を出しておどけてみせた。
彼女は名残惜しそうに、最後にもう一度だけ空を仰ぐ。そして、春樹に向き直った。
「またね」
別れの言葉は、それだけではなかった。
「風の友達」
そう言い残し、彼女はひらりと白い蝶のように身を翻すと、看護師の声がする方へと駆けていった。ワンピースの裾が、真夏に降る雪のように、春樹の網膜に焼き付いて消えた。
屋上には、再び、しんとした静寂な世界が訪れた。
春樹は一人、その場に立ち尽くしていた。まるで、嵐が過ぎ去った後のようだった。
風が彼の髪を、頬を、優しく撫でていく。さっきまでの、ただの潮風ではない。彼女が見つけたという、「一番いい匂い」のする特別な風が、確かに彼の周りを旋回しているような気がした。
胸の中に、温かくて、少しだけちくりと痛む、不思議な感触が残っている。彼女の残像。風の匂い。そして、頭の中で何度も反響する、二つの言葉。
――風の友達。
そして、
――空を泳ぐ金魚。
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