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~一章 野望の剣士編~
二十七話 二つの心
しおりを挟む俺は痛む体に鞭打つと、ジーダの背後を取るように回り込んだ。距離を取りつつ、俺は逆転の剣を研ぎ始めた。
シャィィィィィン! シャィィィィィン!
「オオオッ! 小癪ッ! 『雷鳴破』ッッ!!」
ジーダは打つ手を潰すように、雷をまっすぐと俺に飛ばしてこようとする。
「こっちだジーダ!」
ディーノがその注意をそらすべく、ジーダに斬りかかる──。
「ぬるいわ!! 『雷燼斬』ッ!!」
ゴオオオオオオオオオオオン!!!!
全ての命を絶つ轟音の雷が、斬りかかったディーノに直撃すると、哀れにもその身は黒焦げに焼け崩れ、もはや誰かもわからぬ程の炭と化した──。
「ディーノ!! いやあああ!!」
悲痛なるティエナの泣き声が響く。
──が、相棒のそれを見ていても俺は依然と剣を研ぎ続ける──!
「──次は、おまえだ──。殺す──!」
ジーダの剣が再び白き雷で光り出すと、そのエメラルドの鎧が光りの反射でキラキラと眩しく発光する。それはまるで幻想的な輝きにも見えた。
奴が俺に飛びかかろうと、足先に力を入れたその瞬間──
「ジーダ! どこを見ている! 俺はまだ生きてるぞ!」
生きている筈の無いディーノの声が木霊する!
「ディーノ!!」
「ガアア! なんだと!? 何故──生きている!!」
「やはり貴様は見境が無いようだな──。お前の剣は見切ったぞ!」
「小癪小癪小癪小癪うううう!! もう一度この雷の餌食となれッッ!! 『雷鳴破』!!」
ゴオオオオオオオン!!
剣先から飛ぶ鋭き雷は再びディーノを襲い、その身を跡形もなく黒い亡骸へと変えた!
「ふははは!! 殺したぞ──!」
「甘いぞジーダ! どこを狙っている!」
「なんだとお!?」
またしてもディーノは、どこからかその身をひょいとあらわした。
「ゴオオ!! お前は──殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す!!!!」
ジーダは怒りに頭を狂わせている。ディーノが生き残っている理由──それは『死体』である! 攻撃をすれば雷を食らうのは必然である事から、ディーノは攻撃をする瞬間、ジーダの仲間の死体を盾にしてそれを防いでいたのだ!
「(残る死体はあと一体……! 間に合ってくれ!)」
「ゴオオオオオオ!! 『乱れ雷雨』!!」
荒ぶる太刀はゴロゴロと雷の音を立てながら、空気を重くする。ジーダの剣が雷と混ざるようにひときわ大きくなると、ディーノの脳天を目掛けて振り下ろされる。
「いまだ!!」
ディーノは攻撃をもらう前に、足元にある死体を起こすと、それをジーダに向けて蹴り飛ばした。
「死ねいぃぃぃぃ!!」
三体目となる死体を雷で丸焼きにする──それは同時に、ジーダの体と剣から雷の帯を一瞬であるが切ることができる──!
「終わりだ──! ジーダ!!」
ディーノが倒れながら言う──それはジーダの背後から形勢逆転の剣が、雷の光りさえも呑み込むあの剣が、いま閃く──!!
「うおおおおおお!! 月光剣──『三日月断ち』いいいいいッッ!!!!」
──荒ぶる光を放つ剣は、まさに友の命懸けの策に答えるかの如く煌々と輝いた!! 待ちにまった剣閃は敵の肩口から入る袈裟斬りの極み!! 斬られた者はその切り口が三日月のように、滑らかなる裂口を持って絶命せん!!!!
ズバアアアアアアアアアアアッッ!!!!
三日月の太刀筋が見事に敵を、切り裂いた──
──かに思われた。
否──! 否! 否! 否である!!
「なん……だと」
「そんな──」
俺達は開いた口が塞がらなかった。
確かに斬った敵は、敵に非ず──!!
三日月に裂かれた者の正体は『死体』である!! ジーダは斬られる瞬間に仲間を盾にしたのだ!!
「ゴオオオオオ!! 『電技・狼電斬』!!!!」
ジーダは剣を虚空に大きく一振すると、その剣の軌道の後から雷が巨大な帯を作り、狼の姿に形を変えて俺を襲ってきた──!
「まっず……ッ!!」
「危ない!! バッジョ!!」
攻撃を失敗した隙だらけの俺を、相棒は突き飛ばした。
バリィィィィィィィィィィィンッッ!!!!
「ぐあああああ──!!」
ディーノは俺をかばって電気の狼に背中を焼かれる──。
「あ……ああ!! ディーノッッ!!!!」
「ディーノ!! ──バッジョ! 早くディーノを安全な所へ!!」
ティエナは尻餅をつく俺に指示すると、俺は急いでディーノを抱えて、ジーダから距離を取った。
「ディーノ!! 大丈夫かッ!?」
「う……ああ──。まだ、死ねない……な……」
背中から焦げた肉の嫌な臭いがした。とてもではないが、戦える状態では無い。
「(どうするどうするどうする!! ここで撤退──それは出来ねえ……! 背中を見せれば全員殺られる! それに──)」
俺はいま出来うる最大限の最良の選択を頭の中で巡らせる──。しかしそのどれもが詰みにむかう死への道である。自分達よりも絶対的な強者、それがこんなにも絶望的なんて思わなかった。
俺達は二人で常に勝ってきた。それが片方が欠けるだけでこんなにも不安が押し寄せる──己の心の弱さが浮き出る。このままでは──
「バッジョ──今は、二人じゃない……ぞ……」
ディーノの言葉に俺はハッとさせられる。
「バッジョ!! ディーノをこっちへ! あんたは時間を稼ぎなさい!!」
「そうだ、そうだな相棒──。ティエナ! ディーノの治療を頼む!! 俺がいくらでも時間を稼いでやらあ!!」
今の俺達は三人だ──。俺はティエナに相棒を預けると、ジーダの前へと立ちふさがる。
「てんめええ! よくも俺の相棒をケガさせてくれたなあ!! 覚悟しろやおらあッ!!」
「──笑止。笑止笑止笑止!! その未熟な剣、雷にて消し去ってくれる!!」
「(ティエナが治療してくれる。一秒でも、一秒でも長くこいつを足止めする……! これが頭の悪い俺の最良の選択、そして頼んだぜティエナ──! ディーノを何とか回復させてくれ……!)」
俺は鼻で静かに空気を吸い込み、口で大きく吐いた。
「いつもは使わねえ技だぜ……! ──ブレシア流歩法術『雲足』」
足取りを軽く──流れる雲のように自重を感じさせない動きをする。
「猿め……。『電技・燕雷』ッ!!」
ジーダは剣を斜めに振ると、雷の帯から今度は狼ではなく、電気で作られた鳥を飛ばしてきた。
「鳥に雲はつかめないぞッ!!」
電撃の怪鳥は俺に当たろうとするが、紙一重で俺はその攻撃を躱す。
それはまるで形を自由自在に変える雲のように、そして誰にも邪魔のできない流れる雲のように、俺はその型の無い足取りで敵を翻弄する。
やがて鳥は空を飛び疲れたように、空中でその電気の塊の体をバラバラにして霧散した。
「おら……どーした? もう終わりか?」
「……殺す──」
肩で息する俺に対し、奴は荒ぶる吐息をすると、一足でその間を詰めるようにジーダは俺に隼の如く目にも止まらぬ剣を振るってきた。
ギィンキィンキィンギィンッッ!!
「くっそ……! はええ──なッ!」
両者の剣が激しくぶつかる。やはり奴本体からの直接攻撃は『雲足』では躱せない……!
防御に徹しているが、このままでは間違いなくジリ貧で負けるだろう──。
「オオオオオオ!!」
「くっ……!」
猛攻は止まらない。奴の剣が縦横無尽に飛んでくる。死は近い──そんなことを思った時であった。
「バッジョ!! そいつ多分、雷がもう使えないわ!!」
ティエナの声が鼓膜に響く。俺は防御しながら奴をよく見てみると、さっきまで奴の剣の先から足の先に至るまで、全身を纏っていた雷がもうほとんど見当たらないのだ。
「てめえ……自慢の電撃はどうしたよ──?」
「黙れ猿めえええ!! 猿ごときに雷など使わぬわアア!!」
「──バッジョ! どうやら図星よ! そいつはもう雷を使う力は残ってないわ!!」
朗報である──! しかし窮地である事に変わりはない! 実力の時点で二人には大きな差がある以上、これを埋めるためには一朝一夕ではいかないのだ!
「(雷が使えねーのはありがてえが……こいつは素でもマジで強え……! どうする──!)」
「猿が! これで終わりだ!! 『剣技・稲妻斬り』ッッ!!」
後方へ大きく"タメ"をつくった勢いのある剣が振り下ろされる──!
「(まずい──! 受けきれねえ!)」
ジーダは非情にも、終わる無情の剣を放つ──
「静ノ断ち──『巻き雲』ッ!!」
ギィィィィィィィィンッッ!!
その剣技は奴の剣を巻き取るように払う。間一髪、俺を救ったのは紛れもない相棒その人であった──。
「ディーノ!!」
「バッジョ! 反撃開始だ!!」
俺達は奴から距離を取ると、並んで剣を構える。
「猿が──猿がああああ!! どこまで死に損なうかアアアア!!!!」
「ディーノ。あとどれくらい動ける」
「悪いがあと一発だ──。それ以上は知らん」
相棒の足は折れそうなほどガクついていた。多分一発も打てないほどダメージを負っているのだろう。
そしてこの敵は一発では絶対に倒せない。月光剣を研いでる暇は無いし、二人の阿吽も全て返されるだろう。ならば──
「じゃあ"アレ"しかねーな……!」
「ああ。やるぞ、この土壇場で成功させる……!」
二人は剣を持たない腕を互いに組んだ──。
「オオオオオオ!! 無駄だぞ!! 全て薙ぎ払ってくれる!!」
ジーダは剣を広げるように構えて、迎撃の気配を見せた。それをよそに、俺達はお互いの鼓動を一つに合わせるよう深呼吸すると、まっすぐに相手を見据えながら言葉を交わした。
「──なあ、ディーノ。俺は今までお前がうらやましかった。勉強ができるし、イケメンで女の子にモテるし、何よりも俺に出来ない剣技をお前はいっぱい習得してる。そんなお前が憎らしく、羨ましく、そして誇らしい──! 俺の最高の相棒だ──!」
「バッジョ──俺はお前がうらやましかったよ。誰よりも熱く、自分を曲げず、信念を貫ける強靭な意思とそれを遂行できる行動力。俺に無いものをお前は持っている。それは時にうざったく、知性が感じられ無い事もあった──だけど、お前は清々しい──! お前は俺の最高の相棒だ! 今までも、これからも──!」
「へへっ!」
「ははっ!」
俺達はこんな時なのに互いの心中を明かすと、変な笑いが出た。
「「いくぜ──ッッ!!」」
その技は、今までに一度も成功したことの無き奥義であった。二人は隣接する腕と片足を軸にしながら、狂った時計の如く恐ろしき回転を始める──!!
「「うおおおおおおおおおおお!!!!」」
「小癪! 笑止! 生半可な技で私に挑むか猿がッッ!!」
「「うおおおおおッッ!! 阿吽奥義ッッッッ!! 『二人刃檻』いいいいいいいいッッッッ!!!!!!」」
超高速で回転する両者はまるで巨大な独楽であり、一つの台風でもあるッ!! 打ち出されるは、互いの命を賭した剣と剣の死亡遊戯!! 一つの剣が全てを刻み、一つの剣が全てを粉砕するッッ!!!!
その触れる物全てをたたっ斬る攻撃は、至極単純にして絶対無敵の要塞にてまかり通らんッッッッ!!!!
「「いっけええええええええええええええッッッッ!!!!」」
「オオオオオオオオオオオオッッ!!!!」
敵を包む二人の絶技は、彼奴の装甲、そのエメラルドの鎧を斬る!! 刻む!! 斬る!! 刻む!! 互い違いに繰り出される織るような刃と、折るような刃は例えれば一つの檻として敵の周りを囲むように封じ込めた!!!!
ギィィィィンギィィィィンギィィィィンッッ!!!!
ガギィィィィンガギィィィィンガギィィィィィィンッッ!!!!
館中に響く鉄と鉄!! 剣が吼え、鎧が叫ぶ声が轟く──ッッ!!!!
「グオオオオオオオオオオオオ!!!! 馬鹿な!! 馬鹿なアアアアアアアアアアアアッッ!!!!」
「「終わりだあああああーーーーーーーーッッ!!!!」」
ズバアアアアアアアアアアッッッッ!!!!
──屈強を誇ったエメラルドの鎧は砕け、生身となった体には斬撃の証が刻まれ、散々に苦しめられた雷の剣は、お礼参り、八等分へと鉄屑に還した──。
「はあはあ、はあはあ……」
「ふううぅぅぅぅぅぅ……」
全てを斬り伏した二剣一刃の竜巻は、その回転を止めるとその場でガクリと足を落とした。
「へっ──俺達の勝ちだぜ……」
「──雷光のジーダか……。ああ、間違いなく最強の敵だったよ……」
勝利の余韻は辛く、苦しく、博打による辛勝である。
その勝敗は奇しくも、運と言えよう──。二人の奥義は二つの心を合わせた必殺剣技。今までに言えなかった、互いの心情を吐露し合う事により完成したのだ──。
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