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~一章 野望の剣士編~
三十話 溶ける自我──
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「……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ──」
沈むベッドの上で熱い息づかいが交わされる。
ここがどこで、自分が何をしてるのか──わからない。
ただ目の前には、絶世の美女ともいえる女性が、なぜか自分の下半身を奉仕している──。
「うふふ……。ねえ……気持ちいいでしょ……」
その浮き出るような柔らかく、張りのある大きな胸が自分の何を優しく包むと、彼女はこちらの反応を一々確かめながら、いやらしく攻めてくるのだ──。
「……固くなってきた。ふふふ。だらしない顔してかわいい……。そろそろイキたいのね……」
彼女は谷間に自分のそれを覆い隠して、上下左右にその胸を躍らせる──。自分の自我はそれに踊らされるように、翻弄されるだけだ──。
「ほら……ほら……。もう我慢しないで……。気持ちよくなって……」
「くっ──あっ……ああっ──!」
僅かに残る精神と自分の情けない声が、ピンクのダウンライトが照らす薄暗い部屋に漏れた──。
「うっ、あっ、あっ──」
「うふふ……。すごい量……。もう何回出したかわからないね……」
体がビクンビクンと痙攣する。彼女の言う通り──もはや何回、自分の自我を溶かしたかわからない──。
初めは、抵抗していた……と、思う……。それとも最初から自分は彼女を求めて、その快楽を懇願していたのかも知れない──。
「──あ、ああ──。みん──な──」
……かろうじて声を振り絞る。自分の頭には、かすかに残る仲間達の顔が──顔……が────?
「あら……まだ口に出せるほど自我が残ってるのね。──やっぱりあなたすごいわ。それじゃあもっともっと……気持ちよくして溶かしてあげないとね……」
彼女はデザートを食べるような目つきで、唇をペロリとなめると、自分の腰の上に静かに乗ってくる──
ズズズズ────
「──う、あああああ──!」
聴いた事の無い音を立てて腰と腰が繋がると、頭がどうにかなりそうな悲鳴のようなあえぎ声が出た──。
「いつまで耐えられるかしら……。ほらっ、ほらっ」
ズチュン、ズチュン──と、淫靡な振動──。彼女はその髪を、胸を、腰を揺らしながら自分の腰の上で快楽と言う名の拷問を与える。
「あああ──あ、うあ、ああああ──……!」
「うふふふ……。情けない声……。もう何も考えられないでしょう? あなたには仲間なんていない──。あなたには私しかいないのよ──? だからもっと、もっともっと私だけを見て……私の奥まで感じて──」
彼女はゆっくりと、ねっとりと淫らに腰を振りながら──その吸い取るような唇で、自分の唇を重ねてきた──。
「──────っ──」
互いの肉と肉が密着する──。自分のかたい体と、彼女の柔らかな体が一つになって溶けてゆく──。
気がつくと──自分は自ら腰を突き上げていた──。真っ白になった頭の中には──もう自分が誰なのか、名前さえも出てこない──。
何も考えられず──獣のように──その──彼女を──求め──
全ては本能のまま──。それが彼女の罠──。
陥落した一人の男が絶頂を迎えると、彼女は不敵な笑みを見せた。
彼女の長い銀の髪が、簾のように二人の情事を隠すと──
再びその肉を重ねて、壊れた男と交わりを続けた────。
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