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59号と63号のその後3
しおりを挟む「我々、第1693連隊は本日、この場を以って解散とする。以後は各人の判断にて各々が最善と思う判断の下、行動せよ。以上!」
59号と63号の前に立つ、連隊長とでも言うべきグレーターデーモンが、最初にして最後の命令を下す。
「ち、ちょっと待って下せぇ・・・それってつまり、オレら、ただ放り出されただけですよね」
「まぁ・・・そうとも言う」
「そりゃあないですよ・・・オレら、せっかくバロン様がここで旗揚げするってんで、職にありつけたばっかなのに」
「そうっすよ。このままバロン様についていきゃあ、この辺で帝国をブチ上げて、それに乗っかるだけで楽できそうな勝ち確人生が・・・」
「そうだな…お前ら、地上は長くねぇんだな」
「は・・・はぁ・・・まぁ~つい最近こっちに来て、人間共にやられっぱなしでしたが…バロン様ですよ。今度は負けるわけがないじゃないですか」
悪魔の階級として、1軍団=6レギオン=66大隊=666中隊=6666戦闘員。バロン(男爵)とはいえ、爵位を名乗る悪魔になるという事は、この軍団を複数支配している存在である。
ちなみに59号と63号はいはいる本当の下っ端相当。今、目の前で命令を下したグレーターデーモンは通常、大隊長クラスである。
今回のバロンが仮に自称であったとしても、旗揚げしたという事は、恐ろしい数の悪魔が周辺に陣取っているはずなので、普通に考えるなら、この数をもってすれば負けるなどありえない。いや、このまま地上を制圧できても何ら不思議ではない、と。
「と、思うだろ・・・ぁぁ・・・来やがった…アイツかよ!! 終わったわ」
地面に穴を空けて素早く潜り込む。
「? は? いや、敵さん1人ですぜ」
「そうそう。ちょうど『クッころ』させたくなるような、ちょっと武装してるだけのメイドさんじゃないっすか」
「アホか! アイツは…口で説明してもワカランだろうから、まずはこん中にでも隠れてろ!」
簡易塹壕となった穴に3人してしゃがみこむ。
一方、まったく理解していない下っ端悪魔が、絶対の自信からくるおごり高ぶったにやけ面を浮かべつつ、彼女を取り囲むように近づいていく。
「ヘッヘッヘッ、どうしたのかな? おじょうちゃん」
「はぁ…あなたのような知性を感じられないような方では恐らく判断できないでしょうが…できればここの上層部の方と連絡して頂けると、こちらは無意味な戦闘をせずに済むので助かるのですが」
「なに言ってんだ? バロン様のいけにえになって股でも開きに来たってのなら…」
「・・・この辺りはやはり悪魔ということですか…仕方がありませんね…」
この先は、戦場全体に聞こえるよう
「無駄とは思いますが、警告だけはしておきます! 残念ですが、今日、この瞬間。バロンを名乗る悪魔はこの私ポン=コツが討ち取ります。関わりなき者は立ち去りなさい!」
当たり前の話として、現段階で彼女の話をまともに取り合おうというものは存在しない。数にして約17億8千万もいるのだ。これで負けると想定する方がありえない。
血気盛んな10数体が何やら奇声を上げながら襲い掛かる。
「やはりそうなりますか・・・Vanadis・Eihwaz!!」
ヴァナティーズとは女神フレイアの別の呼称。エイヴァーズとは防御のルーンの意。なので「女神フレイアの防御」ぐらいの意味合いになる。
これは、彼女のような神の意を受け聖騎士となった者が使う、神気の放出による防御結界(のフレイアバージョン)である。
この防御フィールドが発生している限り、彼女にとっておおよそ全ての非友好的な魔法、及び、魔法的な効果はフィールド内に対して効力を及ぼせない。
しかも、これは聖なるエネルギーの放流。下級悪魔程度では触れただけで粉みじんにされてしまう。
「な! ナンスカ! アレ!!」
「まぁ~ぶっちゃけ、神の力みたいなもんだ。よく見ておけ、アレがマジモンの勇者って奴だ」
右手に構えたジャベリンを投擲。
「True Valkyrie Javelin!」
天空に閃く雷の力を具現化した、このTrue Valkyrie Javelinは最大射程7300m、900GJ(ギガジュール)に匹敵するエネルギーを以って直線状に存在する全ての敵を粉砕する。
この900GJというエネルギーがどのぐらい強力なのかというと、かの西ドイツ軍の主力戦車レオパルド2の主砲威力が12.7MJ(メガジュール)程と言われているので、単純計算70866倍となる。
雷を武器にする、というのはこういう事なのだ。
「ぁぁ~、今ので10万は吹っ飛んだな」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
セッスルームニルの方にて、デューク。
「勇者か…」
「?」
「いや、気にする事はない」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
先の一投による爆発的なエネルギーが収まろうという時。
(アレ、コレ・・・負ける?)
(おかしいな・・・オレ達、勝ち確の側にいるはずだろ・・・)
何かに気づいた2人が同時に叫ぶ!
「ナンスカ! アノ チートキャラ!!」
「だから言ったろ。あれが『勇者』だ」
開戦の狼煙とばかりにトルゥーヴァルキリージャベリンを叩き込み、10万ほど消し飛ばしたのだが、それで戦いが終わったわけではない。むしろ、ここからが本番なのだ。
初撃の衝撃から立ち直った悪魔達が我先に命令を下す。
「勇者だ! 討ち取れ!!」
絶対的なまでの数的優勢を背景に、そこかしこから襲い掛かる無数の悪魔達。
こういう場合。さっきのは確かにスゴイ威力の攻撃だったが、これだけの数がいるんだから誰かはやられるかもしれないが自分はやられないだろうという、ある種の集団意識が働く。
しかし、数瞬後、それが間違いだった事にイヤでも気が付かされるのである。
低級悪魔ではそもそも近づく事すらままならない上に、おおよそ全ての非友好的な魔法、魔法的な効果を持つ一切を無力化してしまう、攻防一体のヴァナティーズ・エイヴァース!
いかなる防御力を以てしても防御不能なトルゥーヴァルキリージャベリン!
極超音速飛行可能な飛行能力!
極端な話、ポン=コツさんが前進するだけで勝手に雑兵が消えていき、ちょっと固いような気がする敵はまとめてジャベリンで粉砕。
17億の軍勢といってもほとんどは最下級悪魔。防御結界に触れただけで消し飛ぶのでは足止めにすらならない。
その頃。バロンは、仮組された本陣にて余裕綽々で前祝をしていた。バロン上げをする太鼓持ち達を従えて、丁度、ホロ酔い気分でいた所、前線から血相を変えて悪魔達が駆け込んでくる。
「ば・・・バロン様! 大変でございます!!」
「・・・おい、今、いい所なのに」
「それどころではございません!! 勇者です!!」
「は!? ・・・勇者だぁ。そんなモン、最前線の奴らだけでどうとでもできるであろう。どれだけ強かろうと10万は斬れん」
「いえ! それが……」
あまりにもの迫真の訴えの前に、バロンも少し思う所があったのか、ちょっと魔法で戦局を映し出してみる。
と、そこには丁度、デカブツを相手にほんの僅かばかり足止めされたポン=コツさんの姿があった。
その相手は
全長150m。
全備重量3万5千t。
車体前面装甲厚RHA換算で300mm。全周100mm。
魔法の力で動く8組の車輪。
主砲として380mm臼砲「キャッスルクラッシャー」:最大射程3千m、砲弾重量約300kg。これは着弾地点で数10mのクレーターを生じさせ、発生する衝撃波だけでも周囲1kmの人間の鼓膜を破って気絶させる程の威力。vsペトン徹甲弾使用時、この時代の城ごと易々と粉砕可能。
その他、魔法の杖を利用した小型火器を満載。タンクデサント悪魔達が死角を補うように配置され、隙がない。
その名も、超重機動要塞「マキシマム・ゴーリキーⅣ」。
圧倒的な威容を誇るその雄姿! 地上の人間程度、その町ごと踏みつぶして前進するだけの・・・
瞬殺!!
「は!?」
次の瞬間。魔法で映し出された映像いっぱいにアニメ爆発。
「・・・一体、どうなっておる!」
このバロン、渾身の力作だったはずの移動大要塞が、まさかの瞬殺!
この異常事態に思わず立ち上がるバロン。
「……ですので、勇者が…」
「そんなことは分かっておるわ!!」
手にしていたグラスを地面に叩きつける。そうこうしている間にも迫るポン=コツさん。
「何をしている! 相手はたったの1人だぞ!」
「いや、あんなもん、どうやって止めろと!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「な、この戦争。今晩で終わりだろ……さっさとズラかるぜ」
もう十分だろうとばかりに、59号達にテレポートの粉を渡す。
「この辺で安全そうな適当な町まで行こうか」
「……そうっすね……」
59号、63号、隊長。テレポートアウト
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
その頃。戦いは一つの節目を迎えようとしていた。ポン=コツさんが、バロンの本陣に到達したのだ。
「……勇者……」
バロンを取り囲んでいた悪魔達がサッと左右に別れ、半包囲するような形で互いの動向を見守る。
一騎打ちの邪魔にならないように、というと聞こえはいいが、この段に至っては、バロン様が一騎打ちで勇者を仕留めてくれればよし、それまでは自分に火の粉が降りかからないように、というのがありありと見てとれる動きだ。
「さて。貴方1人なわけですが。こう言ってはなんですが、人望、ありませんね」
その時、バロンの背後から4人の悪魔が出てきて
「バロン様、今こそ我らが暗黒6人衆の」
出番です、と言う所だったのだろう。が・・・
「秋津洲神道流 鋼断・秋水!」
一本歯の高足下駄の音も高らかに、一気に突進、まず1人を切断!
オーバーマイソロジーヒーローをして秘密兵器と言わしめた秋津洲那由多、その人である。
「Code・The・End!」
次は皆さまご存じ、まばたき移動で一気に距離を詰めてからのミリアの誇る魂切断奥義だ。
その頃、上空1万m。羽をバタつかせて飛んでいるような連中では仰ぎ見るしかできない超空から悠然と戦場を見下ろしているのはマチルダである。
「さて・・・そろそろやりますか」
この超空より、空爆開始。数瞬後、爆炎の雲の上を歩いているような錯覚を覚える程の爆発がそこかしこで炸裂した。
「な・・・なにぃ!!」
面白いほど簡単に次々と吹き飛ばされていく悪魔達。爆煙の切れ目からわずかに覗く6人衆の1人目掛けて放つ!
「(スコープ)(絶対命中)(射程延長8倍)(威力強化8倍)(防御耐性貫通)撃ち抜け! ユニバース・ディストラクション!」
森羅万象、全てのエネルギーを混在させ、それを破壊のエネルギーとして貫く魔法。これがありえない距離から不意に、恐ろしく正確に撃ち込まれ、瞬時に戦闘不能となる。
これで名乗りを上げる間もなく、いきなり3人吹き飛ばされた。
「やれやれ。わざわざ貴方達のお手をわずらわせるほどの相手でもないのですが…」
「我らがヒーローよりの伝言です。『バカ野郎! せっかくの稼げるチャンスを見逃してたまるか!』だそうです」
「そのヒーローはどちらに?」
「私達とは別行動で、地下にいると思われる拉致されている一般人の方を救出に向かわれていますね」
「あと、雑魚狩りメンドウだろうから人を呼んどいたんで、だそうです」
気づくと、そこかしこで冒険者達が悪魔達をバタバタなぎ倒している。
(な・・・なんだ・・・これは・・・オレが何百年もかけて作り上げた軍団の数々が、これほどまでに簡単に・・・)
勇者の出現により、数でこそまだ圧倒してはいるものの、実情はほぼ一方的な虐殺状態の戦局を前に、自失呆然となっているバロン。
しかしそんな彼などお構いなしに戦局は、より絶望的な方に傾く。
「ハッ、ハ~! 6人衆って、コイツのことか!」
ぽい!
戦闘シーンすら描写される事無く、地上の橋頭保を守っていた6人衆の1人が、オーバーマイソロジーヒーローによりボロくずのように投げ捨てられる。
「ふっ……ふふっ……ふはははは!!」
バロン。吹っ切れたのか、突然の高笑い。
「そう・・・そうだ。結局は、オレがアイツを討ち取ってしまえば問題は全て解決するのだ! 仲間? 部下? 兵力? そんなもんは関係ない! 最初からそうだったではないか! オレは、オレの力でここまで来たのだ!!」
バロン、抜刀!
向き直るポン=コツさん
「行くぞ! 勇者!!」
「よろしいでしょう。受けて立ちます!」
互いに1合! 2合、3合!!
「なるほど、自称バロンではなさそうですね」
「舐めるな!!」
更に数合。互いに一歩も引かず、打ち合いが続く。周囲はこの一騎打ちの趨勢をただ見守るのみ。
(できる、コイツ…これまで戦ってきた中で、間違いなく最強。出し惜しみをしている場合ではない!)
そう悟ったバロン、奥の手とでも言うべき形態変化。より禍々しい形となりポン=コツさんに襲い掛かる!
「なる、ほど。それが本体というわけですか・・・それではこちらも」
ポン=コツさんも、これまで抑えてきた力を開放する!
Mode Valkyrija!!
「へっ!? アレ? もしかして、今までフルパワーじゃなかったの?」
「フルパワー、という程でもないのですが。私もそこまでヒマではありませんので、できればさっさと決着をつけたいですし」
などと受け答えをしつつも、少年漫画でいう所の「拡散と集中」の理論。これまで防御エネルギーとして放出していたものを、己が武器に集中させていく・・・
「Vanadis・Hagall!!」
ヴァルキリージャベリン+聖なるエネルギーの一撃。ヴァナティーズ・ハガル。女神フレイアの破壊、とでも訳すべきか。
(いかん! これは…)
彼がなにか反応をする時間はなかった。気づくと、先の一撃はバロンのどてっ腹を易々とぶち抜いていた。
「こ・・・きっさ・・・ゆうしゃ・・・ゆる……」
最後までセリフを言い終える事無く、爆発、四散!
「あっ!?」
戦場でそれを見ていた悪魔達や冒険者達はともかく、ヒーロー側のパーティー全員が、その意味を理解した。
(に・げ・た)
大魔王、に限った話ではないが、これクラスの戦いになると「死」という状態に対するカウンターを全くしていない、というのはありえない。それが、これほどまでにあっさりと爆発四散したという事は、死んだと見せかけて逃げたと判断するには十分。
確かに、彼さえ生き残っていれば、今回地上に連れてきた軍勢が全滅したとしても、地獄で再び軍勢を再編、強化して地上への再侵攻も視野に入れられる。今、ここで勝ち目のない戦闘を継続するより判断としては正しい。
ただしそれは、勇者側が地獄まで追いかけて来れないのが前提になるが、今回の彼らはそうではない。
「しゃ~ない。ちょっと行ってくるわ・・・ポン=コツさんは役目が役目なんでこっちに残るしかないとして、他」
「そうですね…那由多さんと阿庾多さん、お願いします。私はこの戦争の後始末の関係で残るしかありませんし、マチルダはここに留まって、この戦域を今しばらく支配しておかないと、恐らく持たないでしょう」
「心得た」
「まぁそうなるわな…なら行くで……ウチが開けたら黄泉平坂経由なんでちょっと遠回りになるけど、まぁしゃ~ない」
躊躇うことなく阿庾多が呪文を唱えると、何やら空間自体が切り取られたかのように穴が開き、その先には別世界が見えていた。そこは明らかに生者がいるような場所の風景ではない。
「じゃ、ちょっと行って来るんで・・・た~ぶ~ん、1週間? 2週間? ぐらいかなぁ……」
そんな所に突入するというのに、近所の商店にでも行くぐらいの感覚で飛び込むヒーロー。
「それでは我らがヒーローの事をお願いします」
「問題ない。そなたらは吉報を待っておるとよい」
続けて那由多が突入。
「まぁ向こうにもツレはおるし、何とかなるじゃろ」
最後に阿庾多も突入し、その入り口が閉じる。向こうから閉じたのだろう。そうしておかないと、地獄と地上がつながりっぱなしになってしまうので、いろいろと不都合が起こるからだ。
「さて、一度、帰って態勢を整え直しますか」
地獄との出入り口が閉じた所まで見届けた後、ミリアもテレポートアウト。戦闘は次の段階に移った。
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