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第2章~学園動乱編~
試験終了とクラス分け
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「この俺に挑むやつはいるか?今日は特別に勇者直々に剣の稽古をつけてやるぞ!はーーはっはっは!!」
クロードはステージの中心で高らかに笑っている。
しかし、クロードに戦いを挑むものはおらず高笑いをしながら、赤いマントをなびかせ剣と盾を使い様々なポーズをとっている。
俺とは対照的な生き方をしているクロード。
この世界でとことん目立った際にどうなるのか。
目立ち方も、日本でいうと良い目立ち方では無いと思ってしまう。
自分の能力をひけらかすやつに碌なやつはいないし、その能力も大したことがないので足を引っ張るものに邪魔されたり、更に能力の高いものにつぶされたりする。
しかし、クロードは自分の能力を誇示こそしているがその能力は誇示している通り、あるいはそれ以上の能力を持っているかもしれない。
あまり日本ではいないタイプだが果たして彼はどうなるのだろうか。
俺1人では試すことができないのでクロードの今後にはもはや興味を覚えてしまっている。
そんなクロードをよくよく観察しているとポーズをとる際に周囲への警戒も怠っていないようにも見える。
いや、目線も使い恰好をつけているだけかもしれない。
この男のことはまだ測り切れない。
――アストの外周ぶっとばし大作戦により、外周に人が少なくなっていたが1人の女生徒が俺の1番近くのステージ角に1人でたたずんでいる。
その様子をチャンスと見たのか、1人の大柄な獣人が大きなこん棒を振りかぶりホームランよろしく場外へ吹き飛ばそうとする。
しかし、こん棒はきーんという鉄琴を叩いたような済んだ音と共に見えない障壁に阻まれ女生徒に直撃することはなかった。
「・・・失せなさい。今すぐ消えれば許します。」
夜空に輝く満月のような神秘的な銀色の髪の女生徒が冷たく、だが凄みを感じさせる一言を発すると獣人の男は一目散にその場から離れていった。
「・・・くだらない。」
そのまま銀髪の女生徒はその場に佇む。
どうやら、自分から誰かを倒しにいくつもりも無ければ向かって来た敵を迎撃するつもりもないらしい。
確か月の巫女と呼ばれていた子だ。
ザ・ホープリッパー戦でも見せた、星空バリアの小さいバージョンを展開しているのだろうか隅の方でただ佇んでいるだけだ。
その様子からは、最終試験に対する興味の無さがありありと伺え、早く終わって欲しそうなオーラがにじみ出ている。
かなりの美人だけど怖そうだ。
日本でもこういうタイプと仲良くなれた試しが無いので、こちらの世界でも仲良くなれることは無いだろうな。
そんなことを考えていると、月の巫女が冬の夜を思わせるような冷たく空気を切り裂くような目で、こちらに一瞥をよこしてきた。
その目は、かなり甘く見積もっても好意的な目ではなく、「じろじろこっち見てんじゃねぇよ。」と言わんばかりの目つきだった。
美人って冷たい表情をしても美人ってなるから得だよな。
俺の頭の中を見透かしたかどうかはわからないが、月の巫女が更に険しい表情になったので慌てて視線を外す。
気付くとステージ上に残った生徒は10名弱しかいなくなっていた。
制限時間は残り2分程。
最終試験もいよいよ佳境といったところか。
「ゆくぞ勇者!」
黒髪エルフのエルシオンがクロードに迫る。
「これはこれは!ハイエルフの異端児エルシオン殿!俺と戦おうと言うのか!魔法でも剣技でも得意な方でかかってくるが良い!」
「・・・不遜な人間め。エルフを舐めたことを後悔させてやる!」
エルシオンが走りながら何か詠唱をしたかと思うと、細剣が白銀の光に包まれる。
白銀の輝きを帯びた細剣で高速の斬撃と刺突を繰りだすが、クロードはその全てを片手剣と盾で防ぐ。
「後悔?悪いが勇者として生まれたからには後悔などしている暇はない!」
言葉を返すクロードに対して、尚も苛烈に攻め立てるエルシオン。
クロードは相変わらず全ての攻撃を防いでいるが、徐々に動きが鈍くなってきているように見える。
「これは・・・?冷気か!」
白銀に輝くエルシオンの細剣は冷気属性を帯びていたようで、その攻撃を防いではいても鎧が徐々に凍り付きクロードの動きが鈍くなっていたようだ。
お!ついにクロード劣勢か?と思ったその時強烈な衝撃音が響き渡る。
衝撃音のした方を見るとアストの炎をまとった拳と、エリスの大剣による一撃がぶつかり合い衝撃波を放っていた。
「ははっ!なんて馬鹿力だ!」
「・・・女の子に馬鹿力は失礼だよ!」
2人とも言葉とは裏腹に、その表情は心底戦いを楽しむように笑みを浮かべている。
続けざまアストが拳と蹴りによる攻撃を繰り出すが、大剣の腹でしっかりとガードするエリス。
すぐさまエリスが反撃に移るが、アストの方も腕をクロスし攻撃をうけ、衝撃をいなすように飛び退き体勢を崩さない。
エリスが追撃を加えようとするが、アストの攻撃の方が早くガードに回らざるを得ない。
お互い決定打に欠けたまま一進一退の攻防が続く。
すると、別方向から「勇者討ちとったり!!」とエルシオンの声が響き渡る。
鎧が凍り付き動きの鈍くなったクロードの首元を必殺の一突きを狙っている。
ついにクロードも敗北か?と少しわくわくした次の瞬間「炎よ!」と一言クロードが叫んだかと思うと、クロードの目の前に大きな火柱が立ち上がる。
エルシオンはその炎に飲まれながらも刺突の勢いそのままに火柱を抜ける。
しかし、火柱の先にいたはずのクロードは横に転がり元いた場所にはいなかった。
ついでに、炎の力で凍り付いた鎧の氷も溶かしたようだ。
「くっ!なんと小癪な。」
エルシオンは、少なからず火柱によるダメージを受けたようで男性にしてはきめ細やかな肌を煤けさせている。
「はーーーはっはっは!小癪なのはどちらだ?氷属性の斬撃で徐々に凍らせて俺の動きを封じようとは。俺が光属性だけだと思うなよ?俺は全ての属性に適正があるのだ!貴公の氷ごときで俺の燃え盛る正義の炎を凍らすことなどできぬ!なぜなら俺は勇者だからな!はーーはっはっは!!!」
そうだった。そういえば入学試験の時全属性に適正があるとか言われていたな。
さっきの火柱も超短文詠唱であの威力。そもそも詠唱かどうかもわからない。
しかし実力は本物だが、敵を作りまくってしまいそうなこのセリフ回しは大丈夫なのか?少しだけ心配になってしまう。
しかもちょっと前は正義の刃がどうたらとか言っていた気がするが、今日は正義の炎か。
正義ってつければなんでも良いと思ってそうだな。
「ふんっ、ならば一撃でその盾ごと貫いてくれる。」
エルシオンは再度構え直し、細剣の切っ先に魔力を集中させる。
ザ・ホープリッパーを屠った必殺剣か。
同時にエリスたちも、一度距離をとりお互い必殺の一撃を浴びせようとしている。
アストは拳に炎を纏い、エリスは身体強化魔法を自分にかける。
演習場内の生徒たちが固唾を飲んで見守り、緊張が最高潮に達したその時。
「それまで!!!」
エルヴィアーヌ学園長の声が響き渡る。
どうやら制限時間の5分が過ぎたようだ。
緊張感から解放され、どっと歓声や拍手が巻き起こる。
結局第1グループは8人が最後まで残るという結果に終わり、最終試験は幕を閉じた。
****************
――試験終了後の会議室
「・・・という組み分けでいいだろうか?」
「はーい!良いと思います!」
「異存ありませぬ。」
「やはり、光の勇者クロード=アルヴェイユ、ハイエルフの異端児エルシオン=サンピエール、紅蓮の一族アスト=ソルフレイ、月の巫女セレナ=セレスティア、大賢者の末裔エリス=ヴァレンティア、この5名が中心になっていきますな。」
「それぞれのクラスがどうなっていくか見物ですね。」
「うむ。私が見たところ、この5名は最低でも現時点でレベル7に到達している。クロードに関しては8、もしくは9に至っている。」
「なんと!オルニア学園での厳しい授業や修練を超え1年でレベル5、2年間でレベル8、3年間でレベル10を目指しているというのにすでにそのレベルとは。」
「しかもしかも~。この人たちが普通の人たちと一緒の成長速度とも限らないし1年後にどうなっているかは全然わかりませんね!」
「更にこいつらのレベル以外の能力は我々でも推し量れない部分がある。」
「うむ。勇者や大賢者の一族に伝わるスキルやアーツは、ギルドに正式に登録されていないものもあるからな。我々にとっても未知な部分はある。」
オルニア学園教師陣のクラス編成会議が終わり、新入生の中でも特に目立っていた生徒たちの話題にうつっている。
「そういえば学園長が気にしていた、ナツヒとかいう小僧はやはり気のせいでしたな!自分の実力を見誤りアストに攻撃をしかけて、開始5秒で場外なんてあれは弱いし頭も良くないですぜ!」
「あぁ・・・。ただ何か違和感を覚えるのだ。うまくは言えないが。私の勘でしかないのだがどうしても気になるのだ。」
「学園長の勘は当たりますからね~!」
「うむ。すまないが、念のため変な動きが無いかよく見ておいてくれ。それとこちらが気にしていることは悟られたくないので試験結果は最下位にしておこう。」
ナツヒの作戦は一見成功したかに見えたが、その疑惑は完全には拭い去れていなかった。
そして最後に学園長の言葉をもってクラス編成会議は終わったのだった。
「これだけの生徒が一度に集まったとなると、やはり光の勇者が本物だという可能性が高い。光の勇者が再来したとなれば来るべき時が近いという事。・・・我らの責務は重い。皆!心して職務にあたるように!」
**********************
クロードはステージの中心で高らかに笑っている。
しかし、クロードに戦いを挑むものはおらず高笑いをしながら、赤いマントをなびかせ剣と盾を使い様々なポーズをとっている。
俺とは対照的な生き方をしているクロード。
この世界でとことん目立った際にどうなるのか。
目立ち方も、日本でいうと良い目立ち方では無いと思ってしまう。
自分の能力をひけらかすやつに碌なやつはいないし、その能力も大したことがないので足を引っ張るものに邪魔されたり、更に能力の高いものにつぶされたりする。
しかし、クロードは自分の能力を誇示こそしているがその能力は誇示している通り、あるいはそれ以上の能力を持っているかもしれない。
あまり日本ではいないタイプだが果たして彼はどうなるのだろうか。
俺1人では試すことができないのでクロードの今後にはもはや興味を覚えてしまっている。
そんなクロードをよくよく観察しているとポーズをとる際に周囲への警戒も怠っていないようにも見える。
いや、目線も使い恰好をつけているだけかもしれない。
この男のことはまだ測り切れない。
――アストの外周ぶっとばし大作戦により、外周に人が少なくなっていたが1人の女生徒が俺の1番近くのステージ角に1人でたたずんでいる。
その様子をチャンスと見たのか、1人の大柄な獣人が大きなこん棒を振りかぶりホームランよろしく場外へ吹き飛ばそうとする。
しかし、こん棒はきーんという鉄琴を叩いたような済んだ音と共に見えない障壁に阻まれ女生徒に直撃することはなかった。
「・・・失せなさい。今すぐ消えれば許します。」
夜空に輝く満月のような神秘的な銀色の髪の女生徒が冷たく、だが凄みを感じさせる一言を発すると獣人の男は一目散にその場から離れていった。
「・・・くだらない。」
そのまま銀髪の女生徒はその場に佇む。
どうやら、自分から誰かを倒しにいくつもりも無ければ向かって来た敵を迎撃するつもりもないらしい。
確か月の巫女と呼ばれていた子だ。
ザ・ホープリッパー戦でも見せた、星空バリアの小さいバージョンを展開しているのだろうか隅の方でただ佇んでいるだけだ。
その様子からは、最終試験に対する興味の無さがありありと伺え、早く終わって欲しそうなオーラがにじみ出ている。
かなりの美人だけど怖そうだ。
日本でもこういうタイプと仲良くなれた試しが無いので、こちらの世界でも仲良くなれることは無いだろうな。
そんなことを考えていると、月の巫女が冬の夜を思わせるような冷たく空気を切り裂くような目で、こちらに一瞥をよこしてきた。
その目は、かなり甘く見積もっても好意的な目ではなく、「じろじろこっち見てんじゃねぇよ。」と言わんばかりの目つきだった。
美人って冷たい表情をしても美人ってなるから得だよな。
俺の頭の中を見透かしたかどうかはわからないが、月の巫女が更に険しい表情になったので慌てて視線を外す。
気付くとステージ上に残った生徒は10名弱しかいなくなっていた。
制限時間は残り2分程。
最終試験もいよいよ佳境といったところか。
「ゆくぞ勇者!」
黒髪エルフのエルシオンがクロードに迫る。
「これはこれは!ハイエルフの異端児エルシオン殿!俺と戦おうと言うのか!魔法でも剣技でも得意な方でかかってくるが良い!」
「・・・不遜な人間め。エルフを舐めたことを後悔させてやる!」
エルシオンが走りながら何か詠唱をしたかと思うと、細剣が白銀の光に包まれる。
白銀の輝きを帯びた細剣で高速の斬撃と刺突を繰りだすが、クロードはその全てを片手剣と盾で防ぐ。
「後悔?悪いが勇者として生まれたからには後悔などしている暇はない!」
言葉を返すクロードに対して、尚も苛烈に攻め立てるエルシオン。
クロードは相変わらず全ての攻撃を防いでいるが、徐々に動きが鈍くなってきているように見える。
「これは・・・?冷気か!」
白銀に輝くエルシオンの細剣は冷気属性を帯びていたようで、その攻撃を防いではいても鎧が徐々に凍り付きクロードの動きが鈍くなっていたようだ。
お!ついにクロード劣勢か?と思ったその時強烈な衝撃音が響き渡る。
衝撃音のした方を見るとアストの炎をまとった拳と、エリスの大剣による一撃がぶつかり合い衝撃波を放っていた。
「ははっ!なんて馬鹿力だ!」
「・・・女の子に馬鹿力は失礼だよ!」
2人とも言葉とは裏腹に、その表情は心底戦いを楽しむように笑みを浮かべている。
続けざまアストが拳と蹴りによる攻撃を繰り出すが、大剣の腹でしっかりとガードするエリス。
すぐさまエリスが反撃に移るが、アストの方も腕をクロスし攻撃をうけ、衝撃をいなすように飛び退き体勢を崩さない。
エリスが追撃を加えようとするが、アストの攻撃の方が早くガードに回らざるを得ない。
お互い決定打に欠けたまま一進一退の攻防が続く。
すると、別方向から「勇者討ちとったり!!」とエルシオンの声が響き渡る。
鎧が凍り付き動きの鈍くなったクロードの首元を必殺の一突きを狙っている。
ついにクロードも敗北か?と少しわくわくした次の瞬間「炎よ!」と一言クロードが叫んだかと思うと、クロードの目の前に大きな火柱が立ち上がる。
エルシオンはその炎に飲まれながらも刺突の勢いそのままに火柱を抜ける。
しかし、火柱の先にいたはずのクロードは横に転がり元いた場所にはいなかった。
ついでに、炎の力で凍り付いた鎧の氷も溶かしたようだ。
「くっ!なんと小癪な。」
エルシオンは、少なからず火柱によるダメージを受けたようで男性にしてはきめ細やかな肌を煤けさせている。
「はーーーはっはっは!小癪なのはどちらだ?氷属性の斬撃で徐々に凍らせて俺の動きを封じようとは。俺が光属性だけだと思うなよ?俺は全ての属性に適正があるのだ!貴公の氷ごときで俺の燃え盛る正義の炎を凍らすことなどできぬ!なぜなら俺は勇者だからな!はーーはっはっは!!!」
そうだった。そういえば入学試験の時全属性に適正があるとか言われていたな。
さっきの火柱も超短文詠唱であの威力。そもそも詠唱かどうかもわからない。
しかし実力は本物だが、敵を作りまくってしまいそうなこのセリフ回しは大丈夫なのか?少しだけ心配になってしまう。
しかもちょっと前は正義の刃がどうたらとか言っていた気がするが、今日は正義の炎か。
正義ってつければなんでも良いと思ってそうだな。
「ふんっ、ならば一撃でその盾ごと貫いてくれる。」
エルシオンは再度構え直し、細剣の切っ先に魔力を集中させる。
ザ・ホープリッパーを屠った必殺剣か。
同時にエリスたちも、一度距離をとりお互い必殺の一撃を浴びせようとしている。
アストは拳に炎を纏い、エリスは身体強化魔法を自分にかける。
演習場内の生徒たちが固唾を飲んで見守り、緊張が最高潮に達したその時。
「それまで!!!」
エルヴィアーヌ学園長の声が響き渡る。
どうやら制限時間の5分が過ぎたようだ。
緊張感から解放され、どっと歓声や拍手が巻き起こる。
結局第1グループは8人が最後まで残るという結果に終わり、最終試験は幕を閉じた。
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――試験終了後の会議室
「・・・という組み分けでいいだろうか?」
「はーい!良いと思います!」
「異存ありませぬ。」
「やはり、光の勇者クロード=アルヴェイユ、ハイエルフの異端児エルシオン=サンピエール、紅蓮の一族アスト=ソルフレイ、月の巫女セレナ=セレスティア、大賢者の末裔エリス=ヴァレンティア、この5名が中心になっていきますな。」
「それぞれのクラスがどうなっていくか見物ですね。」
「うむ。私が見たところ、この5名は最低でも現時点でレベル7に到達している。クロードに関しては8、もしくは9に至っている。」
「なんと!オルニア学園での厳しい授業や修練を超え1年でレベル5、2年間でレベル8、3年間でレベル10を目指しているというのにすでにそのレベルとは。」
「しかもしかも~。この人たちが普通の人たちと一緒の成長速度とも限らないし1年後にどうなっているかは全然わかりませんね!」
「更にこいつらのレベル以外の能力は我々でも推し量れない部分がある。」
「うむ。勇者や大賢者の一族に伝わるスキルやアーツは、ギルドに正式に登録されていないものもあるからな。我々にとっても未知な部分はある。」
オルニア学園教師陣のクラス編成会議が終わり、新入生の中でも特に目立っていた生徒たちの話題にうつっている。
「そういえば学園長が気にしていた、ナツヒとかいう小僧はやはり気のせいでしたな!自分の実力を見誤りアストに攻撃をしかけて、開始5秒で場外なんてあれは弱いし頭も良くないですぜ!」
「あぁ・・・。ただ何か違和感を覚えるのだ。うまくは言えないが。私の勘でしかないのだがどうしても気になるのだ。」
「学園長の勘は当たりますからね~!」
「うむ。すまないが、念のため変な動きが無いかよく見ておいてくれ。それとこちらが気にしていることは悟られたくないので試験結果は最下位にしておこう。」
ナツヒの作戦は一見成功したかに見えたが、その疑惑は完全には拭い去れていなかった。
そして最後に学園長の言葉をもってクラス編成会議は終わったのだった。
「これだけの生徒が一度に集まったとなると、やはり光の勇者が本物だという可能性が高い。光の勇者が再来したとなれば来るべき時が近いという事。・・・我らの責務は重い。皆!心して職務にあたるように!」
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