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第三巻『その痩躯から 死が分たれる その時まで。』(RoGD Ch.4)
Verse 2-28
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知ってたと思うぜ、と向かい側から声がした。行儀悪く横向きで椅子に座るフィリップ二世が手を挙げて店員を呼んでいた。
「いやー、しかしお前と零がまたくっつくとは。」
「またってなんだ……。」
目の前にあるたらこスパゲッティをフォークに巻きつけながら、ジークフリートは半眼になる。ルプレヒトは果たしてレイとジークフリートの仲を知っていたのか。そういう話だった。
「そも、ルプレヒトのおっさんがお前らの帝國での仲を知らなかったらそんな事言わねーっつの。」
「そ、そうか……。」
スパゲッティを頬張りながらジークフリートは頬を掻く。知らないところで親友に秘密の仲を知られていたのは少し気まずい。既にサーロインステーキを食べ終えていたフィリップ二世は、ふーんと意味ありげに頷いてお冷を飲み干した。
「なんだ一体……。」
「いやぁ別に? ジークフリート的には嬉しいんじゃねぇのかなって。抱いた時の零はどうだったんだよ。」
いやらしそうに口を曲げながら、フィリップ二世は眉を上げた。
「いや、普通に……可愛かったし、気持ち、良さそうだった。」
口をついて出た言葉にジークフリートは思わず顔を赤らめて両手でそれを覆った。あまりに初心な反応に、フィリップ二世が飲んでいたお冷は喉を通らずに唇に滲む。
「おっ前嘘だろ!? そんな顔するとは思ってなかったわ!」
「いや、いやだって……ね、ね、寝取りじゃないかこんなの。そりゃ零は好きなんだが、僕の中で葛藤が凄くてだな、」
思っていたより清純派なジークフリートに、フィリップ二世は口元をにやつかせながらガラス窓の外を二度見した。金の木の葉が舞う街路樹の中で、青年が一人じっと二人を見つめていた。
「あいつは何とも思ってなさそうだぜ?」
指の隙間からフィリップ二世の指した窓の方へじわじわと視線を向ける。青年の、零の顔がぱっと明るくなった。
情事の一部始終を聞いていたフィリップ二世は終始顔をにやつかせていて、ジークフリートはずっと顔を真っ赤にしていちごゼリーを見つめていた。
「相性バッチリなんじゃねぇか!」
「そ、そうなの……かな。」
話し終えた零はもじもじと気持ちジークフリートの傍に寄る。殆ど同じ身長の二人が、今回ばかりは零のほうが酷く小さく見えた。
「ま、これは俺の主観だけど、二人はお似合いだと思うぜ?」
「だから! 寝取りみたいな感じなのにそういう事を言うな!!」
ジークフリートが怒鳴るのを気にもせずに、頼まれていたウェイターが伝票を机に置いていく。そろそろ出るか、とフィリップ二世は立ち上がる。
「今まとまった金しかないんだ、付き合わせたし奢るぞ。」
「お、じゃあ頼むぜ。」
革のジャケットを着たフィリップ二世は、ジークフリートに伝票を渡してひょいひょいと机を横切りながら店の外へ出た。成程、ちょうど下校の時間が始まったらしく、まばらに生徒達の姿が見えた。
「今日は一人なのか?」
ジークフリートをレジに置いて、零もドアのベルを鳴らしながら出てきた。
「竹伊と佐藤は部活があるから。」
紙箱から煙草を取り出して、フィリップ二世は尻ポケットからジッポライターを取り出す。
「あの、フィリップ。」
「あ、何だ?」
木枯らしが銀杏の葉を巻き上げる。歩道の石に乾いた葉が叩きつけられる。
「この間、秘密にしててごめん。その……体の事。」
紺色のチェック柄ネクタイが曲がっていたのを少し直して、零はしおらしくローファーの周囲に集まった銀杏を見つめた。
「別に、もう怒ってはいねぇよ。隠されてたのがその……俺の事信頼されてないのかと思って。」
「あ……それも……。えっと。」
フィリップ二世はアイスブルーの瞳で斜め後ろに立つ零に視線を送った。その顔は先よりも少し沈鬱に見える。
「俺はレイじゃなくて、零なんだ。それでも……フィリップは前みたいに友達だと思ってくれてるのか?」
咥えていた煙草を摘んで、フィリップ二世は口から細い紫煙を吐き出した。
「零。お前、気弱になりすぎだ。」
秋空の下、暑さがすっかり息を潜めた風が吹く。零は顔を上げた。
「まあ分かる。お前にとったら負け続きだ。でもな零、お前はお前が思ってるより皆に思われてると思うぜ?俺は。」
落ち込みがちの零の頭をぽんぽんと撫でて、フィリップ二世は笑ってみせる。まさか本当に友達だと思われていなかったのは、彼も少し心に傷がついた。
「えーっとだからな、つまり俺が言いたいのは……。皆をもっと頼って使えって事だ。」
* * *
秋にも関わらず、その手にはバニラのアイスクリームが握られていた。ヴァイオリンを担いでバレエ学校の稽古場にやってきていたジークフリートはそんな不思議な光景を見て足を止める。
「ひえ~、寒そう……。」
「まあ暖房は効いてるからな。」
チェロの同僚の声を聞いて、ジークフリートはそう返した。
「お、ドイツ人のジークフリートでも、暖房をガンガン効かせて食うアイスの味はやっぱ絶品?」
楽屋に姿を消したのを見て、アイスクリームを持っていた女子が学校に所属する人間だと分かった。再びヴァイオリンを担ぎ直して、ジークフリートは廊下を歩き出した。と同時に、後ろからだれかが駆けてくる。
「あれ、ピッコロの人じゃん。」
「おいさっきの子! 今回のオデット役の子だろ? 制服着てたぞ!?」
ジークフリートとセロを背負った同僚はその言葉を聞いて振り返る。
「見た感じ高校生ではなかった感じが。」
「って事は……中学生で主役ってマジ!? 末恐ろしいなぁ。将来ロシア行き決定じゃん?」
三人になって、再び歩き出す。オーケストラ用の防音部屋まではまだ少し距離がある。
「あの制服、ここいらの超金持ちお嬢様学校だぁ。かーっ、やっぱ金持ちは違うねぇ!」
二人の世間話を聴きながら、ジークフリートは防音加工された重いドアを体を使って押し開ける。既に多くのメンバーが着席して思い思いに曲を練習していたが、ジークフリートが入ってくるや否や、誰も彼もが目を輝かせて演奏をやめた。
「ひ、久し振りだな。あと、初めまして。」
少し気圧されて、ジークフリートはひらひらと手を振った。既に他の楽団に行って入れ替わってしまったメンバーもいるが、ジークフリートが見知った友人達も多い。
「ジークフリートじゃないか!」
「代わりのコンマスってお前だったのか!? また一緒に演奏出来るなんて光栄だ!」
代わりにコンマスを務める楽団は、日本でも外国人が比較的多い楽団の一つだった。ジークフリート以外にも、多くの国籍の人間がそこにいた。立ち上がって何人かと握手を交わすと、これから数ヶ月を共にするファーストヴァイオリンのメンバー全員と握手を交わした。
「コンダクターとは会ったのか?」
「あぁ、この間話して楽譜も手渡しされたよ。」
ヴァイオリンを椅子に下ろすと、わらわらと弦楽のメンバー達が集まってくる。
「ジークフリート、新しい団員に一つ見せてくれよ。ストラディヴァリウスの音色ってやつをさ!」
「ついでに五百円……、いや千円札も投げさせてくれ!」
古い団員達に肩を優しく掴まれながら、ジークフリートはヴァイオリンケースの蓋を開ける。ニス塗りたての、しかしよく使い込まれたストラディヴァリウスが姿を現わす。周囲から感嘆の声や惚れ惚れとしたため息が聞こえた。弓にしっかりと松脂を擦り付け、肩当をつけた後に、ジークフリートはネックから手を離してオーボエの方向に手を挙げた。一瞬にして防音室から音が消え去る。深い奥行きのある音が聞こえると共に、ジークフリートの弓がヴァイオリンのA線に当てられた。たった一つのラの音が辺りに響き出す。それだけでもため息が出た。チューニングを終えると、ジークフリートは指揮者のように手首を回して手を握った。全ての弦のチューニングを終わらせ、ジークフリートは弓を持つ腕を下ろした。
「で、お前達は何をご所望なんだ? 時間はあまりないから短めので頼むぞ。」
「G線上のアリア!」
「アヴェ・マリアだろそこは!」
「いやいや、ここはラフマニノフのヴォカリーズで一つ!」
候補が三曲上がったところで、ジークフリートは先程一緒にやってきたチェロに手を振った。ピッチカートでチューニングを終えていた彼は、準備よしとばかりに弓を左右に振る。
「じゃあ今回はグノーのアヴェ・マリアだ。」
正直どの楽曲でも良かったらしい。ジークフリートが曲を選ぶと、だれもが期待で前のめりになる。ジークフリートが弓を構えると、チェロの伴奏が始まる。チェロ二重奏の場合の伴奏だった。
始まりは安らかな旋律。聖母マリアの慈愛に満ちた微笑みを彷彿とさせる柔らかな、メロディーから始まる。稽古場の蛍光灯などものともしないその音色は、アラバスターを通した陽の光が聴衆の瞳に注ぐ。そして一瞬だけの短調の音色へ入る。息子イエスを亡くしたマリアの苦悩、十字架の前で涙を流すマリアの姿を思い起こさせる。また穏やかな旋律へ、天にも届かんばかりの高音からは、昇天するマリアの神々しい姿がまさに頭上を昇って行くかのようだった。
「いやー、しかしお前と零がまたくっつくとは。」
「またってなんだ……。」
目の前にあるたらこスパゲッティをフォークに巻きつけながら、ジークフリートは半眼になる。ルプレヒトは果たしてレイとジークフリートの仲を知っていたのか。そういう話だった。
「そも、ルプレヒトのおっさんがお前らの帝國での仲を知らなかったらそんな事言わねーっつの。」
「そ、そうか……。」
スパゲッティを頬張りながらジークフリートは頬を掻く。知らないところで親友に秘密の仲を知られていたのは少し気まずい。既にサーロインステーキを食べ終えていたフィリップ二世は、ふーんと意味ありげに頷いてお冷を飲み干した。
「なんだ一体……。」
「いやぁ別に? ジークフリート的には嬉しいんじゃねぇのかなって。抱いた時の零はどうだったんだよ。」
いやらしそうに口を曲げながら、フィリップ二世は眉を上げた。
「いや、普通に……可愛かったし、気持ち、良さそうだった。」
口をついて出た言葉にジークフリートは思わず顔を赤らめて両手でそれを覆った。あまりに初心な反応に、フィリップ二世が飲んでいたお冷は喉を通らずに唇に滲む。
「おっ前嘘だろ!? そんな顔するとは思ってなかったわ!」
「いや、いやだって……ね、ね、寝取りじゃないかこんなの。そりゃ零は好きなんだが、僕の中で葛藤が凄くてだな、」
思っていたより清純派なジークフリートに、フィリップ二世は口元をにやつかせながらガラス窓の外を二度見した。金の木の葉が舞う街路樹の中で、青年が一人じっと二人を見つめていた。
「あいつは何とも思ってなさそうだぜ?」
指の隙間からフィリップ二世の指した窓の方へじわじわと視線を向ける。青年の、零の顔がぱっと明るくなった。
情事の一部始終を聞いていたフィリップ二世は終始顔をにやつかせていて、ジークフリートはずっと顔を真っ赤にしていちごゼリーを見つめていた。
「相性バッチリなんじゃねぇか!」
「そ、そうなの……かな。」
話し終えた零はもじもじと気持ちジークフリートの傍に寄る。殆ど同じ身長の二人が、今回ばかりは零のほうが酷く小さく見えた。
「ま、これは俺の主観だけど、二人はお似合いだと思うぜ?」
「だから! 寝取りみたいな感じなのにそういう事を言うな!!」
ジークフリートが怒鳴るのを気にもせずに、頼まれていたウェイターが伝票を机に置いていく。そろそろ出るか、とフィリップ二世は立ち上がる。
「今まとまった金しかないんだ、付き合わせたし奢るぞ。」
「お、じゃあ頼むぜ。」
革のジャケットを着たフィリップ二世は、ジークフリートに伝票を渡してひょいひょいと机を横切りながら店の外へ出た。成程、ちょうど下校の時間が始まったらしく、まばらに生徒達の姿が見えた。
「今日は一人なのか?」
ジークフリートをレジに置いて、零もドアのベルを鳴らしながら出てきた。
「竹伊と佐藤は部活があるから。」
紙箱から煙草を取り出して、フィリップ二世は尻ポケットからジッポライターを取り出す。
「あの、フィリップ。」
「あ、何だ?」
木枯らしが銀杏の葉を巻き上げる。歩道の石に乾いた葉が叩きつけられる。
「この間、秘密にしててごめん。その……体の事。」
紺色のチェック柄ネクタイが曲がっていたのを少し直して、零はしおらしくローファーの周囲に集まった銀杏を見つめた。
「別に、もう怒ってはいねぇよ。隠されてたのがその……俺の事信頼されてないのかと思って。」
「あ……それも……。えっと。」
フィリップ二世はアイスブルーの瞳で斜め後ろに立つ零に視線を送った。その顔は先よりも少し沈鬱に見える。
「俺はレイじゃなくて、零なんだ。それでも……フィリップは前みたいに友達だと思ってくれてるのか?」
咥えていた煙草を摘んで、フィリップ二世は口から細い紫煙を吐き出した。
「零。お前、気弱になりすぎだ。」
秋空の下、暑さがすっかり息を潜めた風が吹く。零は顔を上げた。
「まあ分かる。お前にとったら負け続きだ。でもな零、お前はお前が思ってるより皆に思われてると思うぜ?俺は。」
落ち込みがちの零の頭をぽんぽんと撫でて、フィリップ二世は笑ってみせる。まさか本当に友達だと思われていなかったのは、彼も少し心に傷がついた。
「えーっとだからな、つまり俺が言いたいのは……。皆をもっと頼って使えって事だ。」
* * *
秋にも関わらず、その手にはバニラのアイスクリームが握られていた。ヴァイオリンを担いでバレエ学校の稽古場にやってきていたジークフリートはそんな不思議な光景を見て足を止める。
「ひえ~、寒そう……。」
「まあ暖房は効いてるからな。」
チェロの同僚の声を聞いて、ジークフリートはそう返した。
「お、ドイツ人のジークフリートでも、暖房をガンガン効かせて食うアイスの味はやっぱ絶品?」
楽屋に姿を消したのを見て、アイスクリームを持っていた女子が学校に所属する人間だと分かった。再びヴァイオリンを担ぎ直して、ジークフリートは廊下を歩き出した。と同時に、後ろからだれかが駆けてくる。
「あれ、ピッコロの人じゃん。」
「おいさっきの子! 今回のオデット役の子だろ? 制服着てたぞ!?」
ジークフリートとセロを背負った同僚はその言葉を聞いて振り返る。
「見た感じ高校生ではなかった感じが。」
「って事は……中学生で主役ってマジ!? 末恐ろしいなぁ。将来ロシア行き決定じゃん?」
三人になって、再び歩き出す。オーケストラ用の防音部屋まではまだ少し距離がある。
「あの制服、ここいらの超金持ちお嬢様学校だぁ。かーっ、やっぱ金持ちは違うねぇ!」
二人の世間話を聴きながら、ジークフリートは防音加工された重いドアを体を使って押し開ける。既に多くのメンバーが着席して思い思いに曲を練習していたが、ジークフリートが入ってくるや否や、誰も彼もが目を輝かせて演奏をやめた。
「ひ、久し振りだな。あと、初めまして。」
少し気圧されて、ジークフリートはひらひらと手を振った。既に他の楽団に行って入れ替わってしまったメンバーもいるが、ジークフリートが見知った友人達も多い。
「ジークフリートじゃないか!」
「代わりのコンマスってお前だったのか!? また一緒に演奏出来るなんて光栄だ!」
代わりにコンマスを務める楽団は、日本でも外国人が比較的多い楽団の一つだった。ジークフリート以外にも、多くの国籍の人間がそこにいた。立ち上がって何人かと握手を交わすと、これから数ヶ月を共にするファーストヴァイオリンのメンバー全員と握手を交わした。
「コンダクターとは会ったのか?」
「あぁ、この間話して楽譜も手渡しされたよ。」
ヴァイオリンを椅子に下ろすと、わらわらと弦楽のメンバー達が集まってくる。
「ジークフリート、新しい団員に一つ見せてくれよ。ストラディヴァリウスの音色ってやつをさ!」
「ついでに五百円……、いや千円札も投げさせてくれ!」
古い団員達に肩を優しく掴まれながら、ジークフリートはヴァイオリンケースの蓋を開ける。ニス塗りたての、しかしよく使い込まれたストラディヴァリウスが姿を現わす。周囲から感嘆の声や惚れ惚れとしたため息が聞こえた。弓にしっかりと松脂を擦り付け、肩当をつけた後に、ジークフリートはネックから手を離してオーボエの方向に手を挙げた。一瞬にして防音室から音が消え去る。深い奥行きのある音が聞こえると共に、ジークフリートの弓がヴァイオリンのA線に当てられた。たった一つのラの音が辺りに響き出す。それだけでもため息が出た。チューニングを終えると、ジークフリートは指揮者のように手首を回して手を握った。全ての弦のチューニングを終わらせ、ジークフリートは弓を持つ腕を下ろした。
「で、お前達は何をご所望なんだ? 時間はあまりないから短めので頼むぞ。」
「G線上のアリア!」
「アヴェ・マリアだろそこは!」
「いやいや、ここはラフマニノフのヴォカリーズで一つ!」
候補が三曲上がったところで、ジークフリートは先程一緒にやってきたチェロに手を振った。ピッチカートでチューニングを終えていた彼は、準備よしとばかりに弓を左右に振る。
「じゃあ今回はグノーのアヴェ・マリアだ。」
正直どの楽曲でも良かったらしい。ジークフリートが曲を選ぶと、だれもが期待で前のめりになる。ジークフリートが弓を構えると、チェロの伴奏が始まる。チェロ二重奏の場合の伴奏だった。
始まりは安らかな旋律。聖母マリアの慈愛に満ちた微笑みを彷彿とさせる柔らかな、メロディーから始まる。稽古場の蛍光灯などものともしないその音色は、アラバスターを通した陽の光が聴衆の瞳に注ぐ。そして一瞬だけの短調の音色へ入る。息子イエスを亡くしたマリアの苦悩、十字架の前で涙を流すマリアの姿を思い起こさせる。また穏やかな旋律へ、天にも届かんばかりの高音からは、昇天するマリアの神々しい姿がまさに頭上を昇って行くかのようだった。
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