268 / 271
第三巻『その痩躯から 死が分たれる その時まで。』(RoGD Ch.4)
Verse 4-32
しおりを挟む
日付が変わった。リチャード一世はそれを肌で感じた。夜のツンドラには雪が深く積もっていた。動物の呼吸どころか、虫の音一つ聞こえない。
「本当に来んのかあ?」
「黙って。」
[使徒]を一緒に連れていくという意見も出たが、結局それは懸念が多過ぎて実現しなかった。悠樹邸を去る際に、リチャード一世は彼らから沢山の言葉を貰った。それを繰り返す事は不可能だった。思い出すたびに、喉が焼け付いてしまうからだ。
「待って数時間は経ったか。」
「ああ、聞こえるな。」
前にはリチャード一世とジークフリート。中央にはフィリップ二世、後ろには針葉樹の上でニコライ二世とルプレヒトが待機していた。
「来た。」
雪を踏みしめる足音が聞こえてすぐに、ニコライ二世は呟いた。主な影は二つ。前を歩いているのはグリゴーリーだろう。その斜め後ろに影が一つあった。そしてその更に後ろに、無数のスケルトン型のゴーレムが目を光らせて立っていた。
(ゴーレムの中に伏兵している可能性もある。気を付けて。)
ニコライ二世の言葉に、リチャード一世は頷いた。彼の声音が怒りを抑えている事がなんとなく感じ取れた。
「久し振りだな、グリゴーリー・ラスプーチン。」
口火を切ったのはジークフリートだった。それを合図にしたかのように、グリゴーリーは深々と頭を下げた。
「まさか本当に来るとは思っておりませんでした。」
「手紙を送りつけておいて何を言う?」
グリゴーリーの表情はよく分からなかった。煌々と輝く青白い月明かりによって顔には濃い影がかかっていた。目深に被ったマフラーが、謎めいた印象を更に強くする。
「零はいるのか?」
「ここに。」
肩の向こうを覗こうと首を傾けたジークフリートに対して、グリゴーリーはするりと横に体を避けた。彼の後ろの影はやはり零の姿だった。ジークフリートが踏み出しそうになったのを、リチャード一世は手で制す。
「お前ともあろうものがまさかタダで明け渡すわけではあるまい。条件はなんだ。言え。」
目を凝らして、ジークフリートは零の表情をよく見ようとした。しかし、零はずっと俯いたままこちらを見ようとしない。
「条件は一つ。零には今暗示がかかっている。それが解ける前に彼を奪い返せたら貴方がたの勝ちだ。」
だが、とグリゴーリーは声を低くした。背後で零が柄に手をかける。
「もし暗示が解けた時貴方がたが零を手中に収めていなければ——」
抜刀と地を蹴ったのは、同時だった。
「私が零を殺す。」
先陣を切ったのはジークフリートだった。零の刀を受け、一瞬動きが固まる。
「ジークフリート!どうした!?」
「っ重い……!」
受け止めた槍が振動する。一瞬で腕が痺れた。高く跳躍した零はそのままジークフリートの背後に着地したかと思えば一瞬で向きを変えて駆け出し始めた。
(速い……!?)
判断が追いつかない。ジークフリートはグリゴーリーを気にかける暇さえなかった。木の枝を蹴り上げて、一番にグリゴーリーの目の前に降り立ったのはニコライ二世だ。
「貴様っ……!」
喉元を掻き切ろうとしたニコライ二世のナイフを避けて、グリゴーリーは氷の刃を手の中に出現させた。
「フィリップ!零を頼む!!」
零の今の素早さについていけるのはニコライ二世くらいだった。それでもナイフ捌きが鈍るかもしれないと予想出来るほど理解の追いつかない素早さである。しかし、先の状況でニコライ二世が零に目標を絞れば、グリゴーリーの相手ががら空きになる。
「言われなくても分あってる!」
クナイを投げて、零の足首に巻きつける。幸運な事に零はジークフリートしか見ていなかった。
「操られてるのか!?」
「だからって捨て身で行くんじゃねぇぞ!てめぇの死体見るのは二度と御免だからな!!」
ジークフリートの鼻筋を刀が一線した。出る筈のない血が僅かに飛び散る。
(マジか……!)
後ろに仰け反ってバランスを崩しかけたジークフリートなど歯牙にも掛けない様子で零はフィリップ二世に視線を移した。
「おう、殺ろうってのか。今のお前はちょいとばかし骨が折れそうだ。」
腰を低く落として、フィリップ二世は腰の後ろに回していた剣の柄に手をかけた。リチャード一世がついさっきまで立っていた場所をちらりと振り返る。その影は既に、グリゴーリーの背後に潜伏していた有象無象のゴーレムの中にあった。
(あいつ一人で大丈夫かよ。)
ルプレヒトもその中にいる筈だが、暗色の服では探しようがない。フィリップ二世は零が大地を蹴ると同時に剣を抜いた。
(うっそだろ話と違うじゃねぇか……!)
頬に切り傷が走った、フィリップは間一髪で更に重心を落として首を曲げたが、なにもしなければ喉に貫通していた事だろう。ぎりぎりで剣を顔の真横に立てて難を逃れると、後ろに一度回転して距離を取った。
「まだ動けるか? なあ。」
零の目に光も感情もない。暗示を解くヒントもない。フィリップ二世は残念そうに眉を上げた。生憎彼の暗示を解く手立ては見当がつかなかった。再び零は地を蹴ろうとしたが漸くその足首にテグスが巻きついている事に気付いた。
「足元ガラ空きだぜ?」
もうこれは半殺しくらいにしても文句は言われないだろう。フィリップ二世は手首にもテグスを巻きつけて零の行動範囲を落とした。
(んだよ呆気——)
そんな簡単に行くわけがないなとフィリップ二世は瞬時に考えを改めた。零が体に力を込めただけで、一人でにテグスが散り散りに切れた。
「これ剣さえ粉々になるんじゃねぇの。」
「なるだろうなっ……!」
復帰したジークフリートが、零に向かって槍を投げる。雷に姿を変えたそれは、零が刀で打っただけで左に逸れた。ものの見事に雪が蒸発し地面が焼け焦げる。間髪を入れずにジークフリートはロングソードで剣撃を繰り出した。しかし、零の速さにはどうしても追いつかない。二、三回交えたところで、思い切り腹を蹴られて地面に転がった。
「ダセぇぞ彼氏。」
「精神的にきっついからやめろ。」
口の中に溢れた血液を乱れた雪に吐き捨てて、ジークフリートは口端に残ったそれを拭った。
「プランB、殺してでも全力で行く。」
「賛成だ。殺しても転生で生き返るんだから同じだろうが。」
ジークフリートとフィリップ二世は背中合わせで獲物の剣先を零に向けた。
「いやあ、俺らこんな事言ってよ、人の死をなんとも思わねぇ本当に化物になり下がっちまったみたいだな。どうする?ジークフリート。」
「今は僕らなんかより零のほうがずっと化物に見えるんだがな。」
心底楽しそうに、思わず声を上げて笑った。後で謝っておけよ、と呟いて、フィリップ二世は雪を蹴った。零の刀とフィリップ二世の剣が真っ向から火花を散らした。刃を弾けば、風を感じる事さえ許されない隙が現れた。刃と刃がぶつかる音だけが頼りだった。フィリップ二世は動体視力を最大限まで強化したつもりだったが全く追い付かない。
(っどうなってやがる!)
渾身の力で零の刀を弾き返して、フィリップ二世は高く跳躍してかなり零と距離を開ける。今までの戦闘を頭で振り返る。振り返って、フィリップ二世は手に持っていた剣を取り落としそうになった。
(あぁ、そうか……。)
どう足掻いても零の戦闘能力に追いつかない。その理由をフィリップ二世は見つけた。
「フィリップ、どうした!」
ジークフリートが必死になって応戦しているが、やはり彼でも零の速さに追いつく事は無理だった。当たり前だ、最初から強化などなかったのだ。零は自身の周囲に来た[シシャ]の力全てを無効化している。彼の前で、[シシャ]はただの人間と同じなにかに成り果ててしまっていた。
「どうやって勝てっつーんだよ……。」
つまり、この場に置いて零を殺せるものなど文字通りだれもいない。
(どうした、フィリップ。)
ムカつくほどに冷静なリチャード一世の声が聞こえて、呆然としていたフィリップ二世は僅かに我を取り戻した。いや、最初から正気だ、もう頭が働いていなかっただけで。
(基本的な事を俺達は忘れていた。)
そもそも零に勝とうと試行錯誤するところからして無謀極まりなくかつ不可能だったのだ。それをする為にはこの世界の摂理を捻じ曲げる事から始めなくてはいけない。ジークフリートが針葉樹の大木に叩きつけられた。今のは確実に骨がいくらか逝ったろう、とフィリップ二世は冷静に分析する他なかった。
「本当に来んのかあ?」
「黙って。」
[使徒]を一緒に連れていくという意見も出たが、結局それは懸念が多過ぎて実現しなかった。悠樹邸を去る際に、リチャード一世は彼らから沢山の言葉を貰った。それを繰り返す事は不可能だった。思い出すたびに、喉が焼け付いてしまうからだ。
「待って数時間は経ったか。」
「ああ、聞こえるな。」
前にはリチャード一世とジークフリート。中央にはフィリップ二世、後ろには針葉樹の上でニコライ二世とルプレヒトが待機していた。
「来た。」
雪を踏みしめる足音が聞こえてすぐに、ニコライ二世は呟いた。主な影は二つ。前を歩いているのはグリゴーリーだろう。その斜め後ろに影が一つあった。そしてその更に後ろに、無数のスケルトン型のゴーレムが目を光らせて立っていた。
(ゴーレムの中に伏兵している可能性もある。気を付けて。)
ニコライ二世の言葉に、リチャード一世は頷いた。彼の声音が怒りを抑えている事がなんとなく感じ取れた。
「久し振りだな、グリゴーリー・ラスプーチン。」
口火を切ったのはジークフリートだった。それを合図にしたかのように、グリゴーリーは深々と頭を下げた。
「まさか本当に来るとは思っておりませんでした。」
「手紙を送りつけておいて何を言う?」
グリゴーリーの表情はよく分からなかった。煌々と輝く青白い月明かりによって顔には濃い影がかかっていた。目深に被ったマフラーが、謎めいた印象を更に強くする。
「零はいるのか?」
「ここに。」
肩の向こうを覗こうと首を傾けたジークフリートに対して、グリゴーリーはするりと横に体を避けた。彼の後ろの影はやはり零の姿だった。ジークフリートが踏み出しそうになったのを、リチャード一世は手で制す。
「お前ともあろうものがまさかタダで明け渡すわけではあるまい。条件はなんだ。言え。」
目を凝らして、ジークフリートは零の表情をよく見ようとした。しかし、零はずっと俯いたままこちらを見ようとしない。
「条件は一つ。零には今暗示がかかっている。それが解ける前に彼を奪い返せたら貴方がたの勝ちだ。」
だが、とグリゴーリーは声を低くした。背後で零が柄に手をかける。
「もし暗示が解けた時貴方がたが零を手中に収めていなければ——」
抜刀と地を蹴ったのは、同時だった。
「私が零を殺す。」
先陣を切ったのはジークフリートだった。零の刀を受け、一瞬動きが固まる。
「ジークフリート!どうした!?」
「っ重い……!」
受け止めた槍が振動する。一瞬で腕が痺れた。高く跳躍した零はそのままジークフリートの背後に着地したかと思えば一瞬で向きを変えて駆け出し始めた。
(速い……!?)
判断が追いつかない。ジークフリートはグリゴーリーを気にかける暇さえなかった。木の枝を蹴り上げて、一番にグリゴーリーの目の前に降り立ったのはニコライ二世だ。
「貴様っ……!」
喉元を掻き切ろうとしたニコライ二世のナイフを避けて、グリゴーリーは氷の刃を手の中に出現させた。
「フィリップ!零を頼む!!」
零の今の素早さについていけるのはニコライ二世くらいだった。それでもナイフ捌きが鈍るかもしれないと予想出来るほど理解の追いつかない素早さである。しかし、先の状況でニコライ二世が零に目標を絞れば、グリゴーリーの相手ががら空きになる。
「言われなくても分あってる!」
クナイを投げて、零の足首に巻きつける。幸運な事に零はジークフリートしか見ていなかった。
「操られてるのか!?」
「だからって捨て身で行くんじゃねぇぞ!てめぇの死体見るのは二度と御免だからな!!」
ジークフリートの鼻筋を刀が一線した。出る筈のない血が僅かに飛び散る。
(マジか……!)
後ろに仰け反ってバランスを崩しかけたジークフリートなど歯牙にも掛けない様子で零はフィリップ二世に視線を移した。
「おう、殺ろうってのか。今のお前はちょいとばかし骨が折れそうだ。」
腰を低く落として、フィリップ二世は腰の後ろに回していた剣の柄に手をかけた。リチャード一世がついさっきまで立っていた場所をちらりと振り返る。その影は既に、グリゴーリーの背後に潜伏していた有象無象のゴーレムの中にあった。
(あいつ一人で大丈夫かよ。)
ルプレヒトもその中にいる筈だが、暗色の服では探しようがない。フィリップ二世は零が大地を蹴ると同時に剣を抜いた。
(うっそだろ話と違うじゃねぇか……!)
頬に切り傷が走った、フィリップは間一髪で更に重心を落として首を曲げたが、なにもしなければ喉に貫通していた事だろう。ぎりぎりで剣を顔の真横に立てて難を逃れると、後ろに一度回転して距離を取った。
「まだ動けるか? なあ。」
零の目に光も感情もない。暗示を解くヒントもない。フィリップ二世は残念そうに眉を上げた。生憎彼の暗示を解く手立ては見当がつかなかった。再び零は地を蹴ろうとしたが漸くその足首にテグスが巻きついている事に気付いた。
「足元ガラ空きだぜ?」
もうこれは半殺しくらいにしても文句は言われないだろう。フィリップ二世は手首にもテグスを巻きつけて零の行動範囲を落とした。
(んだよ呆気——)
そんな簡単に行くわけがないなとフィリップ二世は瞬時に考えを改めた。零が体に力を込めただけで、一人でにテグスが散り散りに切れた。
「これ剣さえ粉々になるんじゃねぇの。」
「なるだろうなっ……!」
復帰したジークフリートが、零に向かって槍を投げる。雷に姿を変えたそれは、零が刀で打っただけで左に逸れた。ものの見事に雪が蒸発し地面が焼け焦げる。間髪を入れずにジークフリートはロングソードで剣撃を繰り出した。しかし、零の速さにはどうしても追いつかない。二、三回交えたところで、思い切り腹を蹴られて地面に転がった。
「ダセぇぞ彼氏。」
「精神的にきっついからやめろ。」
口の中に溢れた血液を乱れた雪に吐き捨てて、ジークフリートは口端に残ったそれを拭った。
「プランB、殺してでも全力で行く。」
「賛成だ。殺しても転生で生き返るんだから同じだろうが。」
ジークフリートとフィリップ二世は背中合わせで獲物の剣先を零に向けた。
「いやあ、俺らこんな事言ってよ、人の死をなんとも思わねぇ本当に化物になり下がっちまったみたいだな。どうする?ジークフリート。」
「今は僕らなんかより零のほうがずっと化物に見えるんだがな。」
心底楽しそうに、思わず声を上げて笑った。後で謝っておけよ、と呟いて、フィリップ二世は雪を蹴った。零の刀とフィリップ二世の剣が真っ向から火花を散らした。刃を弾けば、風を感じる事さえ許されない隙が現れた。刃と刃がぶつかる音だけが頼りだった。フィリップ二世は動体視力を最大限まで強化したつもりだったが全く追い付かない。
(っどうなってやがる!)
渾身の力で零の刀を弾き返して、フィリップ二世は高く跳躍してかなり零と距離を開ける。今までの戦闘を頭で振り返る。振り返って、フィリップ二世は手に持っていた剣を取り落としそうになった。
(あぁ、そうか……。)
どう足掻いても零の戦闘能力に追いつかない。その理由をフィリップ二世は見つけた。
「フィリップ、どうした!」
ジークフリートが必死になって応戦しているが、やはり彼でも零の速さに追いつく事は無理だった。当たり前だ、最初から強化などなかったのだ。零は自身の周囲に来た[シシャ]の力全てを無効化している。彼の前で、[シシャ]はただの人間と同じなにかに成り果ててしまっていた。
「どうやって勝てっつーんだよ……。」
つまり、この場に置いて零を殺せるものなど文字通りだれもいない。
(どうした、フィリップ。)
ムカつくほどに冷静なリチャード一世の声が聞こえて、呆然としていたフィリップ二世は僅かに我を取り戻した。いや、最初から正気だ、もう頭が働いていなかっただけで。
(基本的な事を俺達は忘れていた。)
そもそも零に勝とうと試行錯誤するところからして無謀極まりなくかつ不可能だったのだ。それをする為にはこの世界の摂理を捻じ曲げる事から始めなくてはいけない。ジークフリートが針葉樹の大木に叩きつけられた。今のは確実に骨がいくらか逝ったろう、とフィリップ二世は冷静に分析する他なかった。
0
あなたにおすすめの小説
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話
登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる