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始まった初めての体育祭の準備
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それから程なくして、体育祭の準備が本格化しだした。
僕らは緑団だったから、真っ白な旗に絵が得意な子が緑色のキャラクターを描いて埋めつくしてゆくのを、見つめ、緑の花をフェルトで切って作ったりするのを手伝った。
「おー、みんなお疲れ!ジュース買ってきたぜ!」
柊は絵は描けなくてもいつもみんなの中心にいた。その日は買い出しに行って、みんな分のジュースを買ってきた。
「ナイス柊!ありがとう!」
それにみんな喜んで、柊とグータッチする。イエーイって。
僕はなんだか恥ずかしくて、大人しくフェルトの花を作っていた。すると、柊に
「ほら、蓮も!イエーイ!」
とグータッチを求められる。
僕は恐る恐るそれに、そっと、自分の拳を合わせた。
ニッと笑う柊が、みんなの輪の中に去ってゆく。
僕は柊と触れた拳を見つめ続けた。
ねぇ、 柊、柊には分かんないよね?僕が柊と触れるだけでどれだけ、ドキドキするか。
僕は鼓動の高鳴りで震える手を、懸命に隠しながら、フェルトの花を切り続けた。
そんな楽しい体育祭の準備の傍ら、僕は家の花屋の手伝いも欠かさなかった。
切り花の水替え、水揚げ、葉っぱの処理など、基本的なことを僕はよく手伝った。そんな僕の手は、常に荒れていた。どんなにハンドクリームで保湿しても、ある程度の荒れは、仕方がなかった。
「家の手伝いもいいけど、ちゃんと学校、部活とか、楽しめよ!」
父さんにはいつもそう言われていた。でも、僕にはやりたいことは何も無かった。だから、将来のためにも早くに仕事を覚えておきたかったし、家族の支えになれるなら、なりたかった。
そんな僕は近所でも自慢の親孝行息子と言われていたし、近所の子にも好かれるいいお兄さんだった。
外ズラのいいヤツ。
僕は自分のことをそう呼んでいた。
その日も学校から帰って十、歳が下の近所の子を連れて、近くの磯場に遊びに行っていた。その帰りに、柊に会った。
「お前、子持ち?」
柊は爆笑していた。
「ち、違うよ!」
慌てて否定した僕に柊は
「冗談、冗談!分かってるよ!近所の子のお守りだろ!お前偉いな!旗、もうすぐ完成だよ、見に来いよ、明日は!」
それに僕は頷く。
そして僕らは近くの防波堤に座って話した。
「あー、気持ちいいな!ここ!お前ん家、いいとこにあんな!」
それに僕は
「そうだね⋯今まで気付かなかったけど、海近いし、何気にいいとこかも!なんか⋯柊って物事の素敵なところ、探すの上手いね!そういうのいいなって、思うよ!」
と微笑んだ。
「なんだよ、改まって!恥ずかしいだろバカ!ほら、もう日沈むから行くぞ!」
柊が照れていた。僕はそれがなんかちょっと嬉しかった。
そして夕日が沈みゆく海を背に、二人で歩いて帰った。
翌日、僕はもう完成間近の体育祭の旗を見るために、学校に残った。
「わー、あと本当にちょっとだ!」
それはとても賑やかで華やかな、素敵な真緑の旗だった。
「お前がちまちま切ってたフェルトの花も、いっぱい使われてるぜ!」
柊が指さした先には、綺麗に貼られたフェルトの花がたくさん付けられていて、綺麗だった。僕はそれが嬉しい。
「本当だ!嬉しいな!」
微笑む僕に、柊は肩を組んで来て、やっぱりやんちゃそうに笑った。
そしてその日のうちに仕上がった立派な旗に、僕はニッコリ笑った。
「綺麗だね!」
って。
それでみんなできあがった旗の前に並んで、先生に頼んで写真を撮って貰った。
「焼き増ししてね!」
みんなそう言って笑った。
僕らは緑団だったから、真っ白な旗に絵が得意な子が緑色のキャラクターを描いて埋めつくしてゆくのを、見つめ、緑の花をフェルトで切って作ったりするのを手伝った。
「おー、みんなお疲れ!ジュース買ってきたぜ!」
柊は絵は描けなくてもいつもみんなの中心にいた。その日は買い出しに行って、みんな分のジュースを買ってきた。
「ナイス柊!ありがとう!」
それにみんな喜んで、柊とグータッチする。イエーイって。
僕はなんだか恥ずかしくて、大人しくフェルトの花を作っていた。すると、柊に
「ほら、蓮も!イエーイ!」
とグータッチを求められる。
僕は恐る恐るそれに、そっと、自分の拳を合わせた。
ニッと笑う柊が、みんなの輪の中に去ってゆく。
僕は柊と触れた拳を見つめ続けた。
ねぇ、 柊、柊には分かんないよね?僕が柊と触れるだけでどれだけ、ドキドキするか。
僕は鼓動の高鳴りで震える手を、懸命に隠しながら、フェルトの花を切り続けた。
そんな楽しい体育祭の準備の傍ら、僕は家の花屋の手伝いも欠かさなかった。
切り花の水替え、水揚げ、葉っぱの処理など、基本的なことを僕はよく手伝った。そんな僕の手は、常に荒れていた。どんなにハンドクリームで保湿しても、ある程度の荒れは、仕方がなかった。
「家の手伝いもいいけど、ちゃんと学校、部活とか、楽しめよ!」
父さんにはいつもそう言われていた。でも、僕にはやりたいことは何も無かった。だから、将来のためにも早くに仕事を覚えておきたかったし、家族の支えになれるなら、なりたかった。
そんな僕は近所でも自慢の親孝行息子と言われていたし、近所の子にも好かれるいいお兄さんだった。
外ズラのいいヤツ。
僕は自分のことをそう呼んでいた。
その日も学校から帰って十、歳が下の近所の子を連れて、近くの磯場に遊びに行っていた。その帰りに、柊に会った。
「お前、子持ち?」
柊は爆笑していた。
「ち、違うよ!」
慌てて否定した僕に柊は
「冗談、冗談!分かってるよ!近所の子のお守りだろ!お前偉いな!旗、もうすぐ完成だよ、見に来いよ、明日は!」
それに僕は頷く。
そして僕らは近くの防波堤に座って話した。
「あー、気持ちいいな!ここ!お前ん家、いいとこにあんな!」
それに僕は
「そうだね⋯今まで気付かなかったけど、海近いし、何気にいいとこかも!なんか⋯柊って物事の素敵なところ、探すの上手いね!そういうのいいなって、思うよ!」
と微笑んだ。
「なんだよ、改まって!恥ずかしいだろバカ!ほら、もう日沈むから行くぞ!」
柊が照れていた。僕はそれがなんかちょっと嬉しかった。
そして夕日が沈みゆく海を背に、二人で歩いて帰った。
翌日、僕はもう完成間近の体育祭の旗を見るために、学校に残った。
「わー、あと本当にちょっとだ!」
それはとても賑やかで華やかな、素敵な真緑の旗だった。
「お前がちまちま切ってたフェルトの花も、いっぱい使われてるぜ!」
柊が指さした先には、綺麗に貼られたフェルトの花がたくさん付けられていて、綺麗だった。僕はそれが嬉しい。
「本当だ!嬉しいな!」
微笑む僕に、柊は肩を組んで来て、やっぱりやんちゃそうに笑った。
そしてその日のうちに仕上がった立派な旗に、僕はニッコリ笑った。
「綺麗だね!」
って。
それでみんなできあがった旗の前に並んで、先生に頼んで写真を撮って貰った。
「焼き増ししてね!」
みんなそう言って笑った。
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