4 / 40
いよいよ始まった体育祭。「お前の手って綺麗だよな?」
しおりを挟む
旗ができてしまうと、あっという間に体育祭本番を迎えた。
六月某日、体育祭の日はよく晴れたいい日だった。
僕は運動が苦手だった。だから、せめて足を引っ張るのだけは避けねばと、気合いを入れた!僕が出場するのは障害物競走とクラス全員リレー。
僕は開会の挨拶の後、全員で準備体操をして、ドキドキしながら競技開始を待った。
そしていよいよ障害物競走の招集がかかる。僕は柊に
「思い切り行ってこい!」
といつも通りのやんちゃな笑顔で見送られて、頷き、入場門へ向かった。
障害物競走が始まると、また一組また一組と、自分の順番が迫る。
たくさんの歓声や、拍手が響く中を、僕らは自分の順番を待った。そして、遂に自分の番を迎える。
スタート位置に立って、合図がかかると、僕らは一斉に駆け出した!
様々な障害を乗り越えて、大きな歓声の中を駆け抜けてゆく。
僕はなんとか二位でゴールした!
「あー、良かった⋯頑張った!」
僕の頑張りに、クラスのみんなは大きな拍手をくれた。それがとても、嬉しかった。
そして競技は進んでゆき、次はいよいよ柊の出場する借り物競争だ!女子が大きな声援を柊に送っている。
柊ってやっぱり凄いや!モテモテだな!
僕はそんなこと思いながら、柊に伝える。
「柊、行ってらっしゃい!頑張って!」
柊はクルっと僕の方に振り返って、ニッとやんちゃそうに笑うと
「勿論、ブッチギリの一番でゴールしてやんよ!」
と言った。そして、入場門に向かって行った。
借り物競争が始まり、いよいよ順番が柊に回ってくると、女子の悲鳴のような歓声がこだまする。
「女子うるせぇ!」
男子が小言を言った。
その時、柊達が走り出した。
みんなの声援が響く。柊はどんなものを借りろと言われるだろう?
その時、柊がフリップを拾った。そこには「美しいもの」と書かれていた。
放送が叫ぶ。
「緑団が『美しいもの』というフリップを拾いました!何か『美しいもの』を、見つけられるでしょうか?」
その時、柊は応援席の僕らの方に一直線に走ってきた。そして、何故か僕の手を引っ張って走り出した。
それにクラスの女子が悲鳴を上げた。
「行くぞ!蓮!」
僕は呆気に取られて、引かれたその手に懸命に着いて行った。
不思議と周りがスローモーションに見えた。
柊と繋いだ手と手が、なんだかこそばゆかった。
僕らは手と手を繋いだまま、一着でゴールした!
「ハァ、走ったー!大丈夫か?蓮?」
それに僕は
「大丈夫も、何も⋯突然なに?」
それに柊は笑う。
「綺麗なもん、見っけたから!ほれ、手!お前の手!」
それに僕は
「僕の手は⋯汚いよ!凄く荒れてて、綺麗なんかじゃ、ないよ⋯!」
その通り、僕の手は「美しいもの」として認めては貰えなかった。
でも、柊は最後まで言った。
「蓮のその手は、綺麗だ!美しい!働く手は美しいんだよ、本当だよ!花屋で働く蓮のその手はとっても、綺麗だよ!」
その時、僕はハッキリと理解した。僕は柊が好きなんだと。今までは朧気だったけれど、ハッキリと理解してしまった。
ねぇ柊、僕柊のこと、凄く好きみたい。ごめんね。
六月某日、体育祭の日はよく晴れたいい日だった。
僕は運動が苦手だった。だから、せめて足を引っ張るのだけは避けねばと、気合いを入れた!僕が出場するのは障害物競走とクラス全員リレー。
僕は開会の挨拶の後、全員で準備体操をして、ドキドキしながら競技開始を待った。
そしていよいよ障害物競走の招集がかかる。僕は柊に
「思い切り行ってこい!」
といつも通りのやんちゃな笑顔で見送られて、頷き、入場門へ向かった。
障害物競走が始まると、また一組また一組と、自分の順番が迫る。
たくさんの歓声や、拍手が響く中を、僕らは自分の順番を待った。そして、遂に自分の番を迎える。
スタート位置に立って、合図がかかると、僕らは一斉に駆け出した!
様々な障害を乗り越えて、大きな歓声の中を駆け抜けてゆく。
僕はなんとか二位でゴールした!
「あー、良かった⋯頑張った!」
僕の頑張りに、クラスのみんなは大きな拍手をくれた。それがとても、嬉しかった。
そして競技は進んでゆき、次はいよいよ柊の出場する借り物競争だ!女子が大きな声援を柊に送っている。
柊ってやっぱり凄いや!モテモテだな!
僕はそんなこと思いながら、柊に伝える。
「柊、行ってらっしゃい!頑張って!」
柊はクルっと僕の方に振り返って、ニッとやんちゃそうに笑うと
「勿論、ブッチギリの一番でゴールしてやんよ!」
と言った。そして、入場門に向かって行った。
借り物競争が始まり、いよいよ順番が柊に回ってくると、女子の悲鳴のような歓声がこだまする。
「女子うるせぇ!」
男子が小言を言った。
その時、柊達が走り出した。
みんなの声援が響く。柊はどんなものを借りろと言われるだろう?
その時、柊がフリップを拾った。そこには「美しいもの」と書かれていた。
放送が叫ぶ。
「緑団が『美しいもの』というフリップを拾いました!何か『美しいもの』を、見つけられるでしょうか?」
その時、柊は応援席の僕らの方に一直線に走ってきた。そして、何故か僕の手を引っ張って走り出した。
それにクラスの女子が悲鳴を上げた。
「行くぞ!蓮!」
僕は呆気に取られて、引かれたその手に懸命に着いて行った。
不思議と周りがスローモーションに見えた。
柊と繋いだ手と手が、なんだかこそばゆかった。
僕らは手と手を繋いだまま、一着でゴールした!
「ハァ、走ったー!大丈夫か?蓮?」
それに僕は
「大丈夫も、何も⋯突然なに?」
それに柊は笑う。
「綺麗なもん、見っけたから!ほれ、手!お前の手!」
それに僕は
「僕の手は⋯汚いよ!凄く荒れてて、綺麗なんかじゃ、ないよ⋯!」
その通り、僕の手は「美しいもの」として認めては貰えなかった。
でも、柊は最後まで言った。
「蓮のその手は、綺麗だ!美しい!働く手は美しいんだよ、本当だよ!花屋で働く蓮のその手はとっても、綺麗だよ!」
その時、僕はハッキリと理解した。僕は柊が好きなんだと。今までは朧気だったけれど、ハッキリと理解してしまった。
ねぇ柊、僕柊のこと、凄く好きみたい。ごめんね。
0
あなたにおすすめの小説
消えることのない残像
万里
BL
最愛の兄・大貴の結婚式。高校生の志貴は、兄への想いが「家族愛」ではなく「恋」であったと、失恋と同時に自覚する。血の繋がりという境界線、そして「弟」という役割に縛られ、志貴は想いを封印して祝福の仮面を被る。
しかし数年後、大貴の息子が成長し、かつての兄と瓜二つの姿となったとき、止まっていた志貴の時間は歪な形で動き出す。
志貴(しき):兄・大貴に長年片思いしているが、告げることなく距離を置いていた。
大貴(だいき):志貴の兄。10歳年上。既婚者で律樹の父。無自覚に人を惹きつける性格。志貴の想いには気づいていない。
律樹(りつき):大貴の息子。明るく素直だが、志貴に対して複雑な感情を抱く。
好きです、今も。
めある
BL
高校の卒業式に、部活の後輩・安達快(あだち かい)に告白した桐越新(きりごえ あらた)。しかし、新は快に振られてしまう。それから新は大学へ進学し、月日が流れても新は快への気持ちを忘れることが出来ないでいた。そんな最中、二人は大学で再会を果たすこととなる。
ちょっと切なめな甘々ラブストーリーです。ハッピーエンドです。
僕の恋人は、超イケメン!!
八乙女 忍
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
【完結】恋した君は別の誰かが好きだから
海月 ぴけ
BL
本編は完結しました。後日、おまけ&アフターストーリー随筆予定。
青春BLカップ31位。
BETありがとうございました。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
俺が好きになった人は、別の誰かが好きだからーー。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
二つの視点から見た、片思い恋愛模様。
じれきゅん
ギャップ攻め
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる